無料ダウンロード
IT業界の新人必見!インフラ知識が学べる
  1. TOP
  2. Lv.1_ストレージを最初に学ぶ人が読む記事
更新日:2024-11-01
Level 1 ストレージを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 ストレージの基礎

第9節 ストレージの性能指標I/O・IOPS・レイテンシの違い

第8節はストレージでよく使われる通信プロトコルと接続ケーブル・インタフェースを解説しました。
今回はデータの通信速度とストレージの性能指標I/O・IOPS・レイテンシについて解説します。

通信速度とスループット

ストレージ博士
第8節で「ギガ」という言葉が出てきたが、速度に関する単位を正しく理解できておるかのう?
hakase
tameru_tehe
出板 ためる
ドキっ!
ギガ・・ギガ「バイト」は容量の話で出てきましたが、速さの時はギガ何になるんでしたっけ?
ストレージ博士
一般的に10ギガのネットワークと言うと、10Gbpsのことじゃな。
通信速度の単位としては、以下を覚えておこう。
hakase

通信速度の単位

ビット毎秒(bps:bits per second)
バイト毎秒(Bytes/s)
1秒間に伝送できるデータ量
(スループット)

つまり10Gbpsとは、1秒間に10Gb(=10,000,000,000bit)のデータを転送できるネットワークということ!

ストレージ博士
ただしこれはあくまでも“理論値”。
環境の要因などで、実質的な速度はもう少し落ちると考えておこう。
10Gbpsの回線で、実測値は7Gbpsだったとしたら、
伝送効率は70%ということになる。ここで問題じゃ。
hakase
問題

64Kビット毎秒の回線を使用して、1MBのファイルを送信したときに、
156.25秒かかりました。この回線の伝送効率は何パーセントでしょうか?

tameru_question
出板 ためる
64Kビット毎秒ということは、1秒間に64Kビット伝送できるということだから、今回伝送したデータ量は、
64Kビット × 156.25秒 = 10000Kビット

こっちはビットだけど、ファイルサイズに合わせてメガバイトに変換したいなあ。
まずバイトに変換するために8で割って、
10000K ÷ 8 で 1250Kバイト

K(キロ)をM(メガ)に変換すると、
1250Kバイト=1.25M バイトですね。
なのに、実際に送ったのは1MBだから・・・・
ストレージ博士
うむ、その調子じゃ。
伝送効率が100%だったら、本来1.25MBを送信できていたはず、ということじゃな。
hakase
tameru_laugh
出板 ためる
そうか!

1.25MB × 伝送効率 = 1MB ということだから、
答えの伝送効率は 80% ですね!
ストレージ博士
おお、素晴らしい。その通りじゃ。
ビットやバイト、そしてキロ・メガ・ギガなど、様々な単位が出てくるが、それらの単位を合わせて計算することがポイントじゃな。
またこのスループットという指標は、ネットワークの性能を表す際だけではなくストレージが1秒間に書き込み/読み込みができるデータ量を表す場合にも使用されるので覚えておこう。
hakase

スループットとレイテンシの違い

tameru_question
出板 ためる
ストレージの性能と言えば、「IOPS」というのも聞いたことがあります。
スループットとレイテンシはどう違うんですか?
ストレージ博士
I/Oとは、「Input/Output(入出力)」のことで、データの「書き込み」「読み込み」のこと、PSは「Per Second(1秒あたり)のことじゃ。
つまりIOPSとは、1秒間に何回、データの書き込み/ 読み込みができるかの指標じゃな。レイテンシとの違いは以下の通りじゃ。
hakase

I/OとIOPSとレイテンシ

I/O
データの書き込み/ 読み込みのこと。
I/O
IOPS
1秒間に何回、データの書き込み/読み込みができるかの指標。
IOPS

レイテンシ

データ転送に関わる指標。転送要求を出してから実際にデータが送られるまでの遅延時間。一般的にms(ミリ秒)で表す。

レイテンシ
tameru_laugh
出板 ためる
なるほど、
スループットは「1秒間に読み書きできるデータの量」を表すのに対してIOPSは「1秒間に読み書きできる回数」、レイテンシは「転送要求を出してから実際にデータが送られるまでの遅延時間」ですね。違いがよくわかりました!

今回はデータの速度とストレージの性能指標I/O・IOPS・レイテンシについて解説しました。
次回はストレージの提供形態、アプライアンスとSDSとクラウドについて解説します。

  1. TOP
  2. Lv.1_ストレージを最初に学ぶ人が読む記事