第4節はバックアップの形式「ファイル単位」「イメージ単位」を学びました。
次は、バックアップデータを何世代取っておくべきか考えるために「バックアップの種類」を学びましょう。世代の取り方は日々増え続けるバックアップデータの世代管理をする上で、非常に重要です。それぞれのメリット・デメリットを押さえておきましょう。
形式を問わず、丸ごと「全てのバックアップ」をとることを「フルバックアップ」という。このフルバックアップは「復元すると完全に元の状態と同じ」になる。簡潔で分かりやすいがバックアップに非常に時間がかかる。
前回のフルバックアップから「更新されたデータ」を取得するのが「差分バックアップ」である。前回のフルバックアップと差分バックアップがあればデータは完全に元の状態と同じになる。増分バックアップと比較するとバックアップデータが大きくなるがリストアの手間は増分と比較すると楽である。
差分バックアップが初回バックアップからの「更新されたデータ」の取得に対して増分バックアップは 「前回からの変更点の積み重ね」だ。つまりフルバックアップ+増分+増分+増分+増分+増分と増えていく。
よって、増分バックアップのほうが1回の転送量が少なくスピードは早いと言える。ただし戻すときにはフルをリストアした後に1回目の増分+2回目の増分+3回目の増分と重ねてリストアしていくのでリストアの手間が増える。
また、途中のデータがない場合にはそれ以降のデータは復元できないというデメリットもある。
永久増分バックアップは、あらかじめ設定したバックアップの世代数を超えた場合に最も古い増分データとフルバックアップを合成させることでフルバックアップの世代を更新する。よって、バックアップの際は増分データのみを転送すればいいため、増分バックアップと同等の速さでバックアップが可能である。
また、設定した世代数を超えるとフルバックアップと増分データを合成し、次世代のフルバックアップとして保存するため、最低限の手数で復旧できる。差分バックアップと増分バックアップのメリットを掛け合わせたバックアップ方法である。
Point: 日曜日にフルバックアップを取り直す必要がない
メリット | デメリット | |
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フル
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差分
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増分
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永久増分
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いかがでしたか?
バックアップの仕方を学んだら、次はバックアップの保存先。
バックアップデータををどこに保存するべきか?DVDやUSBメモリじゃ何故だめ?
第6節「バックアップのための記憶媒体」でストレージ、クラウド、テープのそれぞれの特長を押さえて最適な保存先を選択しましょう!