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更新日:2023-10-02
Level 1 バックアップを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 バックアップの基礎

第6節 バックアップのための記憶媒体

第5節ではバックアップにおける世代管理の取り方「バックアップの種類」について学びました。
第4節「バックアップの形式」と合わせてバックアップの取り方のコツを押さえましたね。
では、バックアップの適切な保存先は一体どこを選択すべき?ストレージ、クラウド、テープ…さまざまな保存先の特徴を押さえましょう!

DVDやUSBメモリじゃだめ?バックアップの保存先

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城宝 守
博士~~!
バックアップ先のメディアですが、すごーく高いんですよ。
ほらこの見積を見てください。これなんて10TBで100万円越えですよ。
estimate
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城宝 守
これならDVDやUSBメモリでもよくないですか?
要求仕様でHDDでないとダメな場合でも、秋葉原の家電量販店ならRAID付のハードディスクが同じ容量なのに5万円で売ってましたよ!?
バックアップ博士
そう、家電量販店には確かに安価でいいものも沢山販売されておる。
ただ、城宝くんが仕事でバックアップするものは、個人のデータではなく企業のデータじゃ。
最初に説明したように1時間に100万円の利益を出す通販サイトを運営する企業もあるし、どこの企業にも一度なくすと取り返しのつかない顧客データや会計データはある。

これらを守るためにはデータを保存するメディアや機器も信用性が高いものを利用する必要があるんじゃ。企業内のバックアップにはこういった理由でメディアやストレージも信頼性の高いものが使われる。価格だけでなくその製品の質や機能も考慮して製品を選定してほしい。
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バックアップのよくある問題:こんな時どんな対策をすればいい?

バックアップ博士
さて、ここで問題じゃ。
例えば下記のような状況の時、どんな対策をすればいいかな?
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問題

Q1. ビルが丸ごと火事になってしまった!

ビルが丸ごと火事の場合は、あらかじめデータを他の場所に保管です。でも毎日USBメモリを交換したり他の場所に保管したりするのは大変ですね。
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fire

Q2. 書き込み速度が遅く、バックアップが終わらない。

書き込み速度が遅くてバックアップが終わらない・・・これは書き込みを速いメディアを使えば・・・うーん、でもそれって何だろう???
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never_ends

Q3. バックアップデータが複数の拠点に点在して管理が面倒。

複数拠点のバックアップ・・・
毎日はとにかく面倒ですね。何か自動でバックアップできる仕組みはないかな・・・
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scattered
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城宝 守
うーん。
色んな状況を想定すると、バックアップの仕組みを作るためにスクリプトを自作したり、毎日メディアを交換したりしなくてはならないのは何かと難しいし面倒ですね。
バックアップ博士
そう。
だから多少費用が掛かってでも、確実にバックアップできる手法を考えることが重要なんじゃ。
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使い分けが大事!テープ/HDD/クラウドストレージのメリット・デメリット

バックアップ博士
まずはデータの保存先から勉強しよう!
こんな種類があるぞ。それぞれ特徴があるからよーく覚えるんじゃ。
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メリットデメリット

テープ

Tape
  • USBやDVDと比べて大容量かつ高速。
  • 故障率も低く、災害対策のとして遠隔地での
    長期保管
    に向く。
  • テープカートリッジ交換もオートテープローダーという
    機器を導入でカートリッチを自動で交換してくれる。
  • データ量が大容量でない限り、
    比較的費用がかかる。
  • テープライブラリーやオートローダーの
    使用時は設置場所を確保する必要がある
  • 磁気ヘッドに付着するゴミを除去するため、
    定期的なクリーニングが必要となる。

ハード
ディスク

HDD
  • データの書き込み速度が高速で、
    迅速に復旧
    することが可能。
  • 高度な重複排除機能が使用でき、
    データを圧縮して保存できる。
  • 大容量のデータのやり取りを行う企業に向き、
    ストレージの統合的管理を実現できる。
  • 初期導入費用がかかるため、
    中小企業では導入しにくい。
  • 遠隔地での長期保管には向かない

クラウド
ストレージ

cloud_storage
  • 初期投資が少なく、導入がスムーズ
  • 運用の手間が省けるため、
    技術者の少ない会社でも気軽に利用できる。
  • どの端末からでもアクセスできる。
  • 従量課金で料金が固定されない。
    バックアップ対象のマシンの増減に合わせて
    サービスを選択できるため無駄がない。
  • インターネットに繋げられない
    オフライン環境下では利用できない。
  • データの書き込み速度が遅く、
    大容量のバックアップには不向き
  • オンプレミス環境ほど
    インフラのカスタマイズができない。
  • テープ/ストレージよりも
    セキュリティリスク・データ損失の恐れがある。
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城宝 守
博士…
クラウド環境はなかなか最近のソリューションですよね。
バックアップ博士
そうじゃ。
クラウドはこれから先は必ずと言っていいほど、バックアップする際に候補に挙がる保存先じゃ。
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クラウドストレージにフォーマット変換しながらバックアップしておくと…?

バックアップ博士
複数拠点のオンプレ環境にバックアップシステムを構築するよりも初期投資を抑えられたり、クラウドにシステムを統合してバックアップできるなど、いろんなメリットがある。

そのメリットの中の一つなんじゃが・・・
データをそのままバックアップの形式で保存すると、有事の際クラウド環境でその形式のまま復旧できないため、クラウド環境に合わせたデータフォーマットに変換しながらバックアップすることも最近はよくある。
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バックアップ博士
例えばAWSではAmazonマシンイメージ(AMI)に変換してAWS上にバックアップとして保存することでより早いRTOを達成できるんじゃ。
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バックアップ時

data_conversion

サーバー故障時

cloud_restore
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城宝 守
はぁ~~~博士…
まったくわかりません…

物理環境/仮想環境/クラウド環境のバックアップの違い

バックアップ博士
おおすまん、すまん。
少しレベルを上げすぎたな。ではさっきも少し触れたが、 「物理環境」 と 「仮想環境」 のバックアップの違いの話をしよう。
昔はそもそも物理環境しかなかったわけだ。物理環境の場合には下の図のようにサーバーにOSを入れて、OSにはバックアップエージェントを入れてバックアップをしていたんじゃ。 だから仮想化を導入する前は、物理サーバーごとに分けて考えてシステム全体のバックアップの仕組みを構築していたんじゃ。
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物理環境のバックアップ

physical_backup
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城宝 守
やっぱりわかりません。
バックアップ博士
この図がわかりやすいじゃろ。
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物理環境
physical
仮想環境
virtual
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城宝 守
この図を見ると仮想マシンは、仮想化ソフトウェア上ではファイルとして扱われるということが物理環境と大きく異なる点でしょうか。

仮想環境のバックアップ方法は2種類!

バックアップ博士
いいところに気が付いたな。
仮想のハード丸ごとをファイルとして扱えるようになったことで、仮想環境のバックアップは、大きく分けて次の2つの選択肢から選ぶことができるようになったんじゃ。
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No.仮想環境のバックアップ方法メリット

1

ハイパーバイザー側から
仮想マシンをまるごと
バックアップする
  • 仮想マシンにエージェントの導入が不要になった。
  • 物理環境と異なり、仮想マシンが丸ごと
    バックアップ・レプ リケーションが
    できるようになったことで個々の導入、
    設定、管理が不要なため運用工数を激減できる。

2

物理サーバーと同じく
OSにエージェントを入れて
バックアップする
  • データベースなどデータ整合性を
    重視するものは、物理環境と
    同じようにバックアップが可能。
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城宝 守
なるほど、よくわかりました。
ところで、クラウドの話はなんでしたっけ?

クラウド環境へのバックアップとは?

バックアップ博士
おおそうじゃった。
今回のクラウドは「パブリッククラウド」を指していて、 代表されるベンダー 「AWS」 「Azure」 「GCP」 からなるサービスじゃな。 クラウド事業者が、インターネット上に独自の仮想化技術で構築したサーバーをみんなに切り売りしておる。
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public_cloud01
バックアップ博士
つまり、クラウドは、仮想化技術によって成り立っているサービスなんじゃ。
そのクラウド事業者がサービスの一つとして提供しているのがクラウドバックアップ。クラウドバックアップとは、ファイルやアプリケーション、仮想マシン、サーバーのコピーを作成し、インターネットを経由してクラウド上のコンピューティングリソースに保存することを指すんじゃ。
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public_cloud02
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城宝 守
では遠隔地にある仮想サーバーへバックアップをしているのと同じと考えればいいですかね。
バックアップ博士
うーん。
半分正解で半分不正解じゃ。
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クラウドストレージのメリット

バックアップ博士
AmazonやAzureなどに代表されるパブリッククラウドも独自の仮想化技術を利用してサービスを提供していると説明したな。
そういった意味では正解じゃ。ただし自分で構築した遠隔地の仮想サーバーとは、サービスの提供できる範囲や内容が違うのじゃ。
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No.パブリッククラウドストレージの
メリット

1

初期コスト削減

利用した分だけ課金される従量課金のため、
仮想サーバーや物理サーバーなどの
環境を自前で用意しなくて済む。
自社で構築する際に必要となるインフラの
初期導入コストが、ブリッククラウドなら
不要である。

Initial_cost

2

クイックスタート

マーケットプレイスの仕組みを利用すれば、
各バックアップメーカーとパブリッククラウドが
提携したサービス
をすぐに開始できる。
簡単な設定をするだけで、
バックアップソフトのインストールや
面倒な設定を終えた状態で
バックアップを開始できるのだ。

marketplace
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城宝 守
なるほど。
それじゃあ良いこと尽くめですね。
バックアップ博士
一概にそうとも言えないんじゃ。
かならず物事にはメリットとデメリットがある。パブリッククラウドのデメリットを解説するぞ。
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クラウドストレージのデメリット

バックアップ博士
パブリッククラウドのデメリットは以下が考えられる。
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No.パブリッククラウドストレージの
デメリット

1

最低限の知識が必要

簡単に利用は開始できるが、
あらたな仕組みを取り入れるので、
担当者は基本最低限のクラウドの
勉強をしなければいけない。
そのための学習コストがかかる。

learning_cost

2

指定の形式へ変換

現在ある物理環境のフォーマットを
Amazonマシンイメージ(AMI)や
Azureマシンイメージ(VHD)などの
各ベンダーのマシンイメージに
変換しなければならない。
そのままバックアップデータとして
保存もできるが、RTOが長くなり
メリットが半減する。

format_conversion

3

コスト管理が必要

従量課金のため、使いすぎると
物理環境よりコストが高くなる。
またその高くなるポイントを
見極めるのが難しい。

cost_management
mamoru_kangaechu.png
城宝 守
ん~なるほど。
2番で質問です。なぜAmazonマシンイメージ(AMI)に変換しないとメリットが半減するのですか?
バックアップ博士
それでは解説しよう。
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クラウド形式にデータ変換してバックアップするとこんなメリットが!

バックアップ博士
さて、物理環境のフォーマットのままバックアップすることと、イメージをクラウドのフォーマットへ変換することにはこんな違いがあるんじゃ。
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物理環境のフォーマット
のままバックアップ
※クラウド環境にバックアップサーバーがない場合

そのままバックアップすると変換の手間は省けるがリストアするときには一度のバックアップサーバーでイメージを復元して使わなければいけない。つまりクラウド環境にバックアップサーバがない場合には一度ダウンロードして復元するなど、利用したいときに即座に利用できない可能性がある。

physical_format
クラウドのフォーマット
へ変換してバックアップ

各クラウド環境に合わせてイメージをバックアップした場合には、クラウド上では仮想サーバーとしていつでもすくに起動できる状態。つまり災害時に即時利用できたりするなどいろんなメリットがある。つまりバックアップを利用するときのことを考えて事前に準備している。

cloud_format
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城宝 守
いろんな手法がありクラウドにバックアップすることが有益な方法の一つであることはわかりましたが、もう少し簡単にならないですかね?
バックアップ博士
その辺をより簡単にバックアップできるようにしている製品もいくつか世の中には出てき始めているぞ。次の記事で解説しよう。
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オンプレミス環境のバックアップ先として選択肢に上がってきたクラウド。ストレージやテープと比較した時のメリット・デメリットも理解できましたね。
ここまでバックアップの基礎を学び、複雑な環境になるほどバックアップシステムの構築が大変そう…と思った読者の方も多いはず。
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