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更新日:2023-10-02
Level 1 バックアップを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 バックアップの基礎

第7節 最近流行りのアプライアンスって?ソフトじゃダメなの?
    /無償のバックアップソフトってどうなの?

データが大きくなるほど複雑になるバックアップシステム。大規模環境になるほど構築・運用は大変です。
そこで登場したのが「バックアップアプライアンス」。バックアップサーバー、ストレージなどバックアップに必要なコンポーネントがこれ一つ。
バックアップにお金かける必要ある?無償のバックアップソフトでも事足りるのでは、と思ってる方も必読。
有償ソフトと比べた時のメリット・デメリットもまとめました。

バックアップアプライアンスとは?

バックアップ博士
守くんは、バックアップアプライアンスは聞いたことあるかな?
hakase.png
mamoru_ureshii.png
城宝 守
はい、もちろんです!
バックアップ専用機ですよね。バックアップに必要なソフト、OS、メモリ、ストレージが一つになったものです。
inspection

データ管理を楽にするバックアップアプライアンス

バックアップ博士
仮想化技術が進むにつれて多数のアプリが仮想環境での運用をサポートすることになり、多くの物理環境は仮想環境への統合が当たり前になった。
さらに先にも伝えたように、近年これにパブリッククラウド環境へのバックアップも増えたことでバックアップのいろんなジャンルができたんじゃ。 その新しいジャンルの一つとして近年はバックアップメーカーがアプライアンス製品をこぞってリリースしておるんじゃ。それにはこんな理由が考えられる。
hakase.png
No.アプライアンス製品登場の理由

1

バックアップ先に
物理環境が必要

そもそも仮想環境のバックアップを
同じ仮想環境に保存することは
推奨できない。
なぜならシステム全体に障害が
発生した場合にリストアが
できないからだ。
よってバックアップは
必然的に物理環境が推奨となる。
physical_environment

2

余計な構築作業が不要

アプライアンスの目的はデータの
バックアップのみと明確である。
バックアップ専用機とすることで、
余計な構築手順を省くことができる。
no_construction

3

バックアップしたデータを
活用できる

バックアップするだけではなく
バックアップデータを活かして
生産性を向上させる時代へと
シフトしている。
data_utilization
mamoru_kangaechu.png
城宝 守
わかりました。
上記のような背景があってバックアップアプライアンスが流行っているのですね。
バックアップ博士
バックアップアプライアンスはメーカーにより機能やコンセプトが多岐にわたりまだ新しいジャンルのため、これといった定義は現在は存在しないが、最近では「セカンダリストレージ」なんていう言い方もされておる。
いずれの製品も構築や拡張は比較的簡単にできるというメリットがある。また値段も数十万から数千万単位までバラバラじゃ。
hakase.png

バックアップアプライアンスについてもっと学びたい人は…

無償のバックアップソフトってどうなの?

mamoru_bikkuri.png
城宝 守
え~~むちゃくちゃ高いハードウェアアプライアンスがあるんですね。
ところで先日バックアップの勉強をするためにWEBで検索していたら、Windowsサーバー標準搭載の無料バックアップ機能「Windows Server Backup」があると書いてありました。高いハードウェアアプライアンスや有償のソフトではなくこれを利用するのはダメなのでしょうか?
バックアップ博士
「Windows Server Backup」 や 「NTBackup」 のことじゃな。
もちろんダメとは言わない。
ただサーバーの一機能として無料でついてくるものだからいくつか制限やデメリットがあることを認識しておく必要がある。
有償ソフトと比較すると主に以下のようなデメリットがあるぞ。
hakase.png
No.無償のバックアップソフトの
デメリット

1

バックアップ対象が限定される

Windows OSのみに対応している。
仮想環境やLinuxなどは
別の仕組みを考える必要がある。
管理がわかれることにより
作業が複雑になる。

windows_only

2

管理者の作業量が増える

世代管理数に制限があったり、
細かい設定ができず、できる場合でも
スクリプトを書いたりして作業が
属人化してしまう。
また統合管理ができないため、
1台1台管理しなければならない。

personalization
mamoru_kangaechu.png
城宝 守
なんとなくはわかりましたが、簡単に言うとそれぞれに下記の表のようなメリットがあり一概にはこれがいいって言えないんですね。
メリットデメリット対象ユーザー

無償バックアップソフト

購入不要(OS機能のため)

free

カスタマイズなど高度な
バックアップ設定は不可

not_configurable

個人ユーザー

individual_user

有償バックアップソフト

性能が高い

  • バックアップの世代管理
  • バックアップのスケジューリング
  • 重複排除機能 など
schedule

料金がかかる

paid

企業ユーザーや定期的な
バックアップが必要な人

corporate_user
バックアップ博士
それぞれの環境にあったものをチョイスするのが一番いい方法なんじゃ。
今だけではなく、将来の拡張性なども踏まえて選定していくことが大切じゃな。
hakase.png

ただバックアップするだけなら無償ソフトでもできますが、それは小規模環境の話。大規模で複雑な環境になるほど、構築者、管理者の負荷は増大します。「バックアップアプライアンス」は一見高価ですが、海外では投資価値ありと判断され導入が進んでいます。
システム費用と人件費。あなたの企業はどちらに費用をかけますか?
また、コストの他にも無償ソフトでは機能に限界があります。有償ソフトでは何ができる?
次の第2章「バックアップの機能」で、有償ソフトの基本的なバックアップの機能を学びましょう!

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