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更新日:2023-10-02
Level 1 バックアップを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 バックアップの基礎

第4節 バックアップの形式

第3節をふまえてバックアップする時間を決めたら、まず最初に決めることは「ファイル単位」「イメージ単位」。
それぞれのメリット・デメリットを押さえてどちらがいいか?を選択しましょう。

バックアップの形式は大きく2つ

バックアップ博士
まず大きく分けて「バックアップの形式」は2つある。
①ファイル単位のバックアップ
②イメージ単位のバックアップ
hakase.png

①ファイル単位のバックアップは、ファイルそのまま

ファイル単位のバックアップ

「単純にファイルをコピーする」これはもっとも古典的かつ一般的なバックアップである。ファイルの大小、形式を問わない。重要だと思われるファイルやディレクトリをちがう場所、外部記憶媒体、ネットワークファイルサーバーなどにコピーすることだ。
ただし利用中のファイルはスキップされ、実際に利用する際に重要な「ファイルが取れてない!」ということもあるため、バックアップが正常に終了しているか定期的なログのファイル確認も必要である。

file_backup
mamoru_nayami.png
城宝 守
うーん。
毎日ログのファイルを見に行くのは面倒ですね。
バックアップ博士
そこで有償のバックアップソフトじゃ。
バックアップが正常に終了したかを記録したログが、毎日自動で指定のメールアドレスへ送られる便利な機能があるぞ。
hakase.png
mamoru_bikkuri.png
城宝 守
なるほど。
有償のソフトには便利な機能も沢山あるんですね。

②イメージ単位のバックアップは、ディスク丸ごと

イメージ単位のバックアップ

イメージ単位というとわかりにくいかもしれない。「ディスクを丸ごとバックアップする」と思っておくといい。これはシステム復旧や環境の複製などによく使われる手段である。そのため巨大なイメージファイルが生成されることも多い。HDDなどを丸ごとバックアップするときなどにイメージ単位のバックアップがおこなわれる。
ただし別サーバーに戻した場合にはOSのユニークなIDが重複したり、ドライバーが足りなかったりなどもあり基本は同スペックのサーバーに戻すことが推奨される。

image_backup
mamoru_nayami.png
城宝 守
そもそも「ディスク丸ごと」とか「イメージ」って、
イメージがわかないですね・・・
バックアップ博士
おっ!ダジャレじゃな!?
これはバックアップする複数のファイルやフォルダの階層構造を保ったまま、複製したデータ(イメージファイル)にまとめるから「イメージバックアップ」というんじゃ。
そうするとバックアップを一から戻す際にアプリケーションの再インストールやネットワーク情報の再設定もしなくていいんじゃ。
hakase.png
hierarchy

どっちがいい?それぞれのメリット・デメリット

mamoru_bikkuri.png
城宝 守
なるほど!
よくわかりました。一覧表にまとめるとこんな感じでしょうか?
メリットデメリット

ファイル単位

ファイル 効果的な
バックアップ対象

ファイルサーバーなど
特定のファイル単位で
復元が必要なサーバー

  • ファイル/フォルダ単位で
    バックアップ可能。
  • ファイル/フォルダ単位で
    リカバリ可能。
  • 異なるスペック・OSの機器への
    復元も可能。
  • WANを利用して遠隔地にも
    バックアップ可能。
  • 環境をまるごと戻すことが
    できない。
  • アプリやOSの設定などは
    一から行う必要がある。

イメージ単位

ディスク 効果的な
バックアップ対象

再設定が面倒な
アプリケーションやOSを
使用しているサーバーやPC

  • 設定やアプリのインストールを
    しなくてよい。
  • バックアップ対象を選ぶ
    手間がない。
  • 基本的に復元には、
    バックアップしていた
    機器と同じスペックのものが
    必要。
  • 一つの大きなバックアップ
    イメージファイルとなるため
    WAN経由での遠隔地保管は
    不向き。
バックアップ博士
よくまとまっておるな。
一点だけ補足じゃ。近年仮想環境が増えてきている。
仮想化はイメージバックアップと同じようにOSを丸ごと仮想化専用のファイルとして保存ができるんじゃ。
hakase.png

ココが違う!物理環境と仮想環境のバックアップ

mamoru_bikkuri.png
城宝 守
ちょっと待ってください。
仮想環境のバックアップって物理環境とどう違うんですか?
バックアップ博士
いい質問じゃ。
仮想環境は一つのサーバーで複数の仮想マシンを動かすためにハイパーバイザーを使用しておる。このハイパーバイザーが同じであれば、別のサーバーへ移行しても前の環境でバックアップしたVMデータがそのまま使えるんじゃ。

よって、極端に言えば 「仮想環境のバックアップがあればイメージバックアップは不要」 という考え方もできる。この辺はサーバー管理者の思想により異なるから一概には言えないが、一つの考え方として覚えておいてほしい。
hakase.png
物理環境のイメージバックアップ

イメージバックアップはサーバーのスペックに紐づいているため、異なるスペックのサーバーへ移行すると、復旧時にそれまでのデータは利用できなくなる。

unrestorable

サーバーのスペックが変わるとリストア不可

仮想環境のバックアップ

別のサーバーへシステムを移行しても共通のハイパーバイザーであれば、復旧時にバックアップデータがそのまま利用できる。

restoreable

サーバーのスペックが変わっても
ハイパーバイザーが同じならリストア可

mamoru_kangaechu.png
城宝 守
なるほど。
仮想環境の導入でバックアップ環境もかなり変化が起きているんですね。
バックアップ博士
hakase.png
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