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更新日:2024-11-01
Level 1 ストレージを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 ストレージの基礎

第3節 ハイブリッド/オールフラッシュストレージとは?

第2節ではストレージとサーバーの違い、関係性について解説しました。
今回はストレージ製品を学ぶ際に耳によくする「ハイブリッドストレージ」や「オールフラッシュストレージ」を解説します。
まずはそれらを構成するドライブ(HDDやSSD)から理解していきましょう。

超基本!ストレージの要、ドライブ

ストレージ博士
先程からドライブドライブと言っておるが、ドライブとは何かは分かっているかね?
hakase
ストレージのドライブ
tameru_laugh
出板 ためる
はい、ハードディスクのことですよね!(ドヤ)
ストレージ博士
半分正解じゃ。
実はハードディスクのことだけではない。最近はSSDという新しいドライブも多く使われるようになってきたんじゃ。それぞれの特徴をまずは見てみよう。
hakase

ハードディスク(HDD)とは

HDDとは、昔からストレージ、サーバー、パソコンなどあらゆる用途に使われる大容量でお手頃価格なドライブ。アーム先端の磁気ヘッドが高速回転するプラッタ上を動き、データの読み書きを行う。

ハードディスク(HDD)の構造

HDDの構造

横から見ると…

複数のプラッタが重なった構造。磁気ヘッドとプラッタ間は6nm=0.000006mm以下。

HDD側面 HDD側面_sp

データ読み込みのステップ

HDDのデータ読み込み動作は以下の通り。データの読み込みトラックへヘッドを移動する時間をシークタイムという。

読み込みステップ
tameru_surprise
出板 ためる
ひえ~、ハードディスクって激しく動く上に繊細なパーツで構成されているんですね。これは壊れやすそうです。

HDDの種類(SAS/NL-SAS/SATA)

ストレージ博士
またHDDの中にもいくつか種類がある。
接続の規格と性能によって、主に下記3種類に分類されておる。
hakase
SAS/NL-SAS/SATA
規格 接続 回転数 容量
SAS SAS 15,000
回転/分
最大2TB
程度まで
NL-SAS
(ニアラインSAS)
SAS 7,200
回転/分
最大10TB
程度まで
SATA SATA
ストレージ博士
NL-SASは、SATA同等のディスクに、SASのインタフェースを付けたものじゃ。企業向けのストレージでは最近はSATAは使われなくなり、SASとNL-SASの2種類の選択肢になっていることが多い。
hakase
tameru_think
出板 ためる
7,200回転/分ってどれくらいの速さですか?
イメージが湧かないです。
ストレージ博士
全自動洗濯機の脱水時で1,000回転/分くらい、家庭用の扇風機の「強」で1,100回転/分くらい、と言えばイメージしやすいかのう?。
hakase
洗濯機

約1,000回転/分

扇風機

約1,100回転/分

tameru_surprise
出板 ためる
ひえ~!
SATAディスクは低速といっても相当な速さで回転しているんですね!SASだともっとすごいですね。
ストレージ博士
既になかなかの速さで回転しているから、ハードディスクの性能をこれ以上に向上させることは難しいんじゃ。
そこで登場するのがSSDじゃ!
hakase

SSD(Solid State Drive)とは

SSDとは、内蔵するNAND型フラッシュメモリという半導体に電子でデータの読み書きを行うドライブ。HDDと異なり、物理的動作を伴わない。高速な読み書きを求められるストレージに搭載される。

SSD(Solid State Drive)の構造

SSD

SSDの内部構造

SSDコントローラ/NANDフラッシュメモリ SSDコントローラ/NANDフラッシュメモリ_sp

NANDフラッシュとは?

  • 不揮発性(電源を切ってもデータが消えない)の半導体メモリ
  • 「セル」と呼ばれる小さな区画に電子を貯めることで情報を記憶する
  • 保存された情報は、電圧の変化を使ってオンオフを切り替え、コピーや削除を行う

HDDとSSDのメリット・デメリット

ストレージ博士
HDDとSSDは全く構造も仕組みも異なっておる。
それぞれのメリットとデメリットをまとめるとこのようになる。
hakase
HDDとSSDのメリット・デメリット
tameru_laugh
出板 ためる
HDDは物理的な動作が多いから、性能が遅くて電気代もかかるし壊れやすい。SSDはメリットが多いけど、コストがかかるということですね!
性能はそこそこでいいからコストを抑えたいならHDD、お金がかかっても性能が必要ならSSDってところですね。
HDDとSSDの比較

ハイブリッドストレージとオールフラッシュストレージ

バックアップ博士
HDDとSSDを組み合わせて使用するのが「ハイブリッドストレージ」。 全てSSDで構成されたストレージは「オールフラッシュストレージ」と呼ばれておる。SSDの低価格化に伴い、近年ではオールフラッシュストレージのシェアが広がってきておるんじゃ。
hakase
オールHDD/ハイブリッド/オールフラッシュストレージ
tameru_laugh
出板 ためる
ハイブリッドストレージは、金額も性能もオールHDDとオールフラッシュの間って感じですね?適材適所で選択するのが大事ということですね! ところで、先ほどHDDとSSDのメリット・デメリットで触れたSSDの「容量が小さかった」というのはどういうことですか?
SSDは過去容量が小さかった
ストレージ博士
数年前までは、SSDは大きくても数百GB程度のものしかなかったんじゃ。
しかしこの数年で、技術の進歩によりSSDの高密度化が進み、10TBを超えるSSDも登場してきた。
今後ますます大容量のSSDも出てくるだろうと言われておるんじゃよ。
hakase

NAND型フラッシュメモリの種類:SCL/MLC/TLC/QLCとは

SSD大容量化を実現する、NAND型フラッシュメモリの種類を解説します。

SSDの大容量化のひみつ

SSD登場当初は、1つのフラッシュセルに対して1ビットの情報しか保存できなかったが、1つのセルに保存できる情報を増やすことで、大容量化を実現。

  • SLC(シングルレベルセル)…1つのセルに1ビットの情報を保存可能
  • MLC(マルチレレベルセル)…1つのセルに2ビットの情報を保存可能
  • TCL(トリプルレベルセル)…1つのセルに3ビットの情報を保存可能
  • QCL(クアッドレベルセル)…1つのセルに4ビットの情報を保存可能
SLC/MLC/TCL/QCL
ストレージ博士
つまり1つのセルあたり、QLCはSLCと比べて8倍の容量を保存できるということになる。こうしてSSDの大容量化と低価格化が進んだんじゃ。
ただし一般的に、SLCのほうがシンプルな分、性能と耐久性においては優れているんじゃ。
hakase

今回はドライブ(HDD/SSD)を組み合わせるオールフラッシュストレージ、ハイブリッドストレージを解説しました。大容量のSSDを実現するNANDフラッシュメモリの種類も理解できましたね。
次のページでHDDやSSDの故障に備える「RAID」と、新たな冗長化技術について学んでいきましょう。

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