無料ダウンロード
IT業界の新人必見!インフラ知識が学べる
  1. TOP
  2. Lv.1_ストレージを最初に学ぶ人が読む記事
更新日:2024-11-01
Level 1 ストレージを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 ストレージの基礎

第7節 ファイル/ブロック/オブジェクトストレージの違い

第6節ではストレージの接続方式(DAS/SAN/NAS)の違いとデータへのアクセス方法の違いを解説しました。
今回はファイル単位でもブロック単位でもない、オブジェクト単位で管理するオブジェクトストレージを解説します。
ファイルストレージ、ブロックストレージ、オブジェクトストレージそれぞれの違い理解し、用途にあったストレージを選択しましょう。

一般的なオブジェクトストレージとは?

ストレージ博士
また最近では、ファイル単位でもブロック単位でもなく、オブジェクトという単位でデータを管理するオブジェクトストレージという技術も登場してきた。
拡張性が非常に高く、大量のデータの格納にも向いていることから、増え続けるデータの管理基盤として注目されておるんじゃ。
オンプレのオブジェクトストレージもあるが、パブリッククラウドで提供されているオブジェクトストレージとしては、Amazon S3が有名じゃ。
hakase

代表的なオブジェクトストレージ

メガクラウド

AWS
  • Amazon S3
  • Amazon S3 Glacier/S3 Glacier Deep Archive
Azure
  • Azure Blob Storage
  • Azure Archive Storage
GCP
  • Google Cloud Storage

その他ベンダー

ハードウェアオブジェクトストレージ
  • ハードウェア型のオブジェクトストレージ
クラウドオブジェクトストレージ
  • クラウドサービス型のオブジェクトストレージ
tameru_surprise
出板 ためる
うーん、最近よく耳にするオブジェクトストレージ、
ただのクラウドストレージだと思ってましたが色んなストレージがあるんですね。
これは学習が必要だ…。

ブロック・ファイル・オブジェクトストレージの違い

ストレージ博士
ブロックストレージ、ファイルストレージとの違いからオブジェクトストレージを解説しよう。
それぞれの違いは以下の通りじゃ。
hakase

ブロックストレージ

最小単位は、論理ボリュームを固定長の区画に分割した「ブロック」

ブロック単位
メリット
  • ファイルストレージよりも高速にデータを特定できるため、高速な読み書きが可能。
デメリット
  • データごとに属性情報を付与・共有するできないため、非構造化データには不向き。
  • ストレージコストが高価

ファイルストレージ

最小単位は、拡張子が付与された「ファイル」

ファイル単位
メリット
  • データごとに属性情報を付与・共有できるため、ブロックストレージに比べ非構造化データの管理も容易
デメリット
  • 使用者がパスを記憶する必要がある。
  • ディレクトリ単位で容量制限があり拡張しにくい。
  • データの出し入れや保存に手間がかかる。
  • 分散構成が難しく、データの読み書きのボトルネックになりやすい。

オブジェクトストレージ

最小単位はユニークなIDが付与され、データの属性情報(メタデータ)と共に管理される「オブジェクト」

オブジェクト単位
メリット
  • スケールアウトが容易。
  • メタデータを活用した検索性の向上により非構造化データを見つけやすい。
  • イレイジャーコーディングでデータの耐久性・可用性を高める。
  • インターネットが接続できるならどこからでもアクセスできる。
  • ストレージコストが安価。
デメリット
  • 読み書きが遅いため、更新頻度が高いデータの保管先には向かない。
tameru_surprise
出板 ためる
うわあ~!
従来のストレージとは全然データの扱い方が違うんですね…。

ブロック・ファイル・オブジェクトのおすすめ用途

ストレージ博士
各ストレージのおすすめ用途は以下の通りじゃ。
hakase
コストとレイテンシ
ストレージ博士
このように、ストレージのレイテンシとコストは反比例する。
レイテンシとは、データ転送に関わる指標の一つ。
転送要求を出してから実際にデータが送られるまでの遅延時間のことじゃ。
レイテンシが高い(遅延時間が長い)ほど、頻繁にアクセスするデータの保存には向かない。
hakase
tameru_laugh
出板 ためる
用途に適したストレージを複数使い分けることが、一番効率がいいですね!

今回はファイル単位でもブロック単位でもない、オブジェクト単位で管理するオブジェクトストレージと、ファイルストレージ・ブロックストレージとの違いを解説しました。
次回は通信規格「プロトコル」について解説します。ストレージ業界でよく使われる通信プロトコルとは?
さっそく次のページに進んでみましょう。

  1. TOP
  2. Lv.1_ストレージを最初に学ぶ人が読む記事