NetApp FASシリーズ
NetApp FASシリーズに搭載される専用OS「ONTAP」は、企業ストレージに必要な高機能を多数提供しています。
セキュリティ対策としてのアンチ・ランサムウェア機能、バックアップ・災害対策用のレプリケーション機能、クラウドサービス提供に役立つマルチテナント機能等、 用途に応じて様々な機能をご提供いたします。
また管理ツールのラインナップも充実しており、FASシリーズの基本設定やVMwareを始めとする各種 仮想化製品との連携を、ツール上から簡単に行うことが可能です。
ライセンス体系
FASシリーズは、「ONTAP One」「ONTAP Base」のいずれかを選択いただけます。詳細はこちら。
最大限の拡張性と管理制を提供するNetApp標準OS
- 高速・安定動作を実現した、真のマルチプロトコルOS
- NetApp FASシリーズおよびAll Flash FASシリーズのエントリーレベルからハイエンドまでの全ての機種に標準搭載されます。
また、ストレージ接続に標準的に利用される全てのプロトコル(CIFS, NFS, iSCSI, FCP, S3)をサポートしています。そのため、ユーザーは、一度ONTAPの操作を習得するだけで、ストレージ製品ごとに異なる操作や管理技術を習得する必要がないため、データ管理に関する運用管理の労力とリソースを大幅に削減することが可能となります。
さらにONTAPでは、WAFLという独自ファイルシステムを採用することで、高いパフォーマンスを実現しています。 - 汎用OSと異なり、不必要な機能のために無駄なリソースを消費しない
- NetApp専用に設計されたOSのため、不必要な機能による無駄なリソースは必要ありません。また、運用開始後に機能追加を行う場合は、ライセンス投入によるアクティベートと設定のみと、簡単に行うことが可能です。
- ウイルスやワーム等による被害を受けることがない
- 多数のウイルスやワームが存在するWindows環境ではなく、ONTAPというNetAPP FAS専用OSを使用しているため、ウイルスやワーム等によるOSへの悪意ある攻撃に対して高い耐性を持っています。
近年多大な被害が報告されているランサムウェアへの感染の心配もありません。
万が一、NetApp内のファイルが感染・暗号化された場合も、Snapshot領域から簡単に即時復旧が可能です。 - シングル・アーキテクチャによる操作の一貫性とTCOの低減
- NetApp FASシリーズではエントリーレベルからハイエンドまでの全ての機種において同一のOS、同一アーキテクチャーを採用しています。そのため、ストレージアップグレードの際にもデータ移行を必要とせず、既存ディスクをそのまま使用できる等といった利点があります。
- システム稼動中に瞬時にオンラインバックアップを取得
- Snapshotは、独自開発されたソフトウェアで、システム稼動中にオンラインバックアップイメージを取得する機能です。Snapshot はアプリケーションの実行中においても実行可能です。また、NetApp システムのボリュームサイズや処理状況を問わず、1秒以内でSnapshot コピーが作成されます。
- ブロック単位でのバックアップのため、ディスクの消費量が少ない
- Snapshotは、その時点のアクティブデータブロックのメタ情報のみを取得することで、スペース効率に優れたバックアップイメージを取得することができます。 NetAppが採用しているファイルシステム(WAFL)では、ファイル更新時にデータブロックを上書きせず、更新データを別の空きデータブロックに新規に書き込むという動作を行っています。そのため、Snapshotを削除しない限りは、過去のデータもディスク上に存在するため、ある時点のSnapshotデータ(ブロック情報)があれば、復元が可能となります。
- ユーザーによる簡単な操作でSnapshot取得&ファイルのリストアが可能
- Snapshotの取得スケジュールと保持期間(それぞれ、1時間単位、1日単位、1週間単位)を設定するだけ、と簡単に利用できます。また、必要に応じて、手動でSnapshotを取得することもできます。またファイルのリカバリも非常に簡単で、作成したSnapshotをユーザ自身でコピー&ペーストするだけで行うことができます。これにより、テープによるリストアを必要とするリカバリの時間を短縮するとともに、リカバリにかかる管理者のコストを大幅に削減することが可能となります。
- 255世代のSnapshotバックアップイメージを保持可能
- ボリュームあたり最大255個のSnapshot コピーを瞬時に作成し、ユーザ主導のリカバリ用にオンラインバックアップを作成することができます。 またWindowsのVSS (Volume Shadow Copy Service)と連携することで、VSSの場合は最大64世代保持であったのが255世代の保持を可能にします。
最大のデータ可用性を実現するためのデータの同期複製
- RAID-DPのストレージをミラーリングし、5重のディスク障害からデータを保護
- SyncMirror 基本構成
NetApp FASシリーズはRAID-DPにより高い可用性を実現していますが、さらなる可用性を求める場合、SyncMirrorが効果を発揮します。
RAID-DPで保護されているNetApp FASシリーズのストレージを、SyncMirrorによってミラーリングすることにより、データのコピーを2セットオンライン状態で、かつ物理的に完全に分離した状態で維持、5重の ディスク障害からもデータを保護することが可能です。
さらに、ケーブルの破損、またはホストバスアダプタ(HBA)の障害など、機能が停止した場合にも、オペレータの介入やクライアントアプリケーションの中断なく、ミラーリングされたデータに直ちにアクセスできます。
よって、作業を中断することなく停止の原因を検出して修正でき、ビジネスを確実に継続することが可能となり、コストがかさむダウンタイムを回避することもできます。
指定したSnapshotの時点に指定したSnapshotの時点にボリューム単位で即時復旧
- 短時間で終了するボリュームのフルリストア
-
SnapRestoreは、ファイルの容量や数に関係なく、保存した Snapshotバックアップを使用して、ファイルシステム全体またはデータボリュームのリカバリを数秒で実行します。
また、SnapRestore は 、1つのファイルから数テラバイトのボリュームまで、あらゆるデータのリカバリを数秒で実行できます。 Snapshot プロセスは自動で瞬時に実行され、使用されるストレージ容量も非常に小さくて済みます。 - ファイル単位でのリストアも可能
- 従来のデータリカバリでは、バックアップからソースへすべてのデータを複製する必要があり、はるかに多くの時間とディスク容量が必要とされていました。しかし、SnapRestore では1つのコマンドで簡単にリストアを実行できるので、システムにある Snapshot コピーからデータを選択してリカバリすることができます。
- Date ONTAPの構造
遠隔地へ高速にデータを転送し、筐体間レプリケーションを実現
- 簡単、低コストに災害対策(DR)システムを実現
- SnapMirrorは、既存ネットワーク環境を使用して、IPベースでのレプリケーションを実現することができます。そのため従来のディザスタリカバリシステムと比較して、簡単で低コストにDRシステムを実現することが可能です。
- Snapshotの応用により変更のあったブロックだけを転送
- SnapMirrorは、企業が必要としている災害対策や遠隔地へのデータ転送を実現する筐体間レプリケーションソフトウェアです。初期転送時はその時点で存在する全データをコピーしますが、初期転送後はSnapshotによって取得された変更データブロックのみを転送します。LANやWANを経由して変更のあったデータブロックだけをミラー先に転送するため、データ転送量を減らし、ミラーを高速に行なうことが可能となります。
- DRサイトには安価なディスクを使用してさらに低コストで DRシステムが構築可能
- 本番サイトとDRサイトを別構成にすることも可能です。
したがって、本番サイトはパフォーマンスを重視した構成、DRサイトは安価なディスク、エントリーモデルのFASストレージを使用するというように、低コストでDRシステムを構築することが可能です。 - 同期、半同期、非同期の転送が可能
- 同期、半同期、非同期と転送モードを3パターンより選択可能です。パフォーマンスへの影響や転送距離がモードによって異なるため、使用環境に応じて転送モードを選択することが可能です。
- SnapMirror 基本構造
高速かつシンプルなバックアップソリューション
- テープドライブよりも高速なバックアップ/リストア
- NetAppデータをすばやく経済的に保護できるように設計された SnapVaultは、ディスクベースのバックアップとブロックレベルの差分バックアップを利用して、あらゆる環境に適した信頼性の高い低負荷なバックアップとリカバリを実現します。
- Snapshotの応用により変更のあったブロックだけを転送(ブロック単位での差分転送)
- SnapVaultでは、データ保護はファイル全体ではなく、ブロックレベルで行われます。つまり、前回バックアップされてから変更があったデータブロックのみがコピーされます。これにより、冗長データを移動または格納する必要がないため、頻繁にバックアップを実行することができ、使用する容量も少なくて済みます。
- ネットワーク帯域の使用量を低く抑える
- SnapVaultでは、変更があったデータブロックのみを転送するので、データ転送によるネットワークへの影響を最小限に抑えることができます。そのため、分散型の組織の場合、コスト効率の高いディスクベースのバックアップを構築できるだけではなく、リモート施設から中核的なデータセンターへ直接バックアップできるようになり、管理を一元化して、末端組織での投資を必要最小限に抑えることができます。
- LAN環境でもWAN環境でも使用可能
- SnapVaultはLAN環境/WAN環境のどちらでも使用可能です。また、IPベースでブロック転送を行うため、既存のWAN/LAN環境を使用して、容易に災害対策(DR)システムの構築が可能です。
- SnapVaultによるDisk to Diskバックアップ
管理者であっても削除できないSnapshotを作成
一定期間、たとえ管理者であっても削除できないSnapshotを作成し、アカウントの乗っ取りから強力にデータを保護。マルウェアによるデータ破壊を受けたとしても、確実に復旧可能な復旧ポイントを提供します。プライマリボリュームの他、セカンダリボリュームにスケジュールで作成することも可能です。
重要なタスクを実行する際に複数の管理者アカウントの承認が必要な機能
管理者アカウントはコマンドを実行してデータを損失させることができるので、マルウェアに感染した場合、犯人は管理者アカウントを乗っ取ることで回復不可能な損害を与えます。NetAppには、重要なタスク(Volume削除やSnapshot削除など)を実行する際に、複数の管理者アカウントの承認が必要となる機能Multi-Admin Verificationがあり、悪意のある内部の脅威や管理権限のっとりなどのアタックに対処が可能です。
無償で適用可能なデータ重複排除機能
- 効率的なディスクスペースの活用を実現し、ディスク容量を大幅に節約
- システムのオーバーヘッドを抑えながら、効率的なディスクスペースの活用を実現しディスク容量を大幅に節約します。重複排除テクノロジは、同一のデータブロックを見つけ出し、それらを1つの共有ブロックに対する参照に置き換えることによって、ストレージの利用を効率化します。同じデータブロックを、複数の異なるファイルやLUNで使用したり、1つのファイル内で繰り返し使用したりできます。特にバックアップデータや、VMwareなどの仮想化およびクローンされたデータの重複排除に高い重複排除効果を提供します。
- 重複排除 動作イメージ
- 極めて簡単な操作で重複排除を実現可能
- OS・アプリケーション・ユーザーファイルなどファイルフォーマットに関係なく重複排除を実現することが可能です。また、外部ソフトウェアや専用機器を必要としないため、簡単な操作で重複排除が実行できます。
さらに、NetAppが無償で提供している SystemManagerという管理ソフトウェアを使用すれば、ボタン1つでさらに簡単に重複排除を実行することが可能です。 - プライマリストレージにも適用が推奨されている数少ないストレージ製品
- NetAppの他にも重複排除機能を備えた製品は数多くありますが、バックアップストレージのみ使用可能というような製品が多数です。
しかしNetAppの重複排除機能はプライマリストレージへの使用も勧めており、システム全体におけるディスク使用容量を大幅に削減することが可能です。
異なるブロックをまとめて圧縮する第二のデータ削減機能
圧縮機能は、異なるブロックをまとめて圧縮することでデータ使用容量を削減する機能です。
ストレージ内の重複ブロックを削除する重複排除とあわせて利用することで、より大きい容量削減効果が見込めます。また実行のタイミングは、インライン / ポストプロセス いずれも可能です。
圧縮機能の特長
- Data ONTAP 8.3.1から導入されたアダプティブ圧縮というインライン圧縮方式においては、パフォーマンスへの影響が小さく、有効にすることで全体のパフォーマンスが向上することもある
- インラインまたはポストプロセスのいずれでも実行可能
- ブロックを圧縮することにより、ディスクに書き込むブロック数が少なくなるため、
- ONTAP SystemManagerなどのGUIから簡単に有効・管理可能
書込可能な仮想クローンボリュームを瞬時に作成
- 仮想ボリュームの書き込み可能な仮想クローンデータを複製
- FlexCloneは、書き込み可能な仮想クローンイメージを、通常、フルコピー時に発生するオーバーヘッドなしに、瞬時に複製する機能です。複製時に、親ボリュームへのアクセスを中断することもありません。クローンとして複製された仮想ボリュームは、ある時点でオリジナルデータと全く同じ(Point- In-Time)コピーとして、バグの修正、バージョンアップやアプリケーションの事前テスト、大型データセットに対するシミュレーション、効率的なシステムの導入などに利用することができます。
- 差分データだけを格納するため小容量ですみ、複製もオリジナルデータ容量に関係なく一瞬で完了
- FlexCloneは、Snapshotと同じcopy-on-write技術にもとづいて、親ボリュームとクローンボリューム間の差分だけを格納します。つまり、実際にオリジナルデータを物理的に複製することなく、オリジナルデータのコピーを仮想的に作成しているためほとんど容量を消費せず、結果として、ストレージ容量が単純にクローン数×オリジナルデータ容量になるといった非効率さがありません。また、オリジナルデータのフルコピーに比べ仮想クローンのコピーはオリジナルデータへのポインター情報だけを複製するため、数秒で複製を完了することができ、クローンコピーに対して加えた変更だけが、容量として消費されるため作業時間とコストの大幅な節約が実現されます。
- 親ボリュームとクローンボリュームを独立させて運用可能
- クローンボリュームをスプリットして完全独立させることも可能
- FlexCloneでは、親ボリュームとクローンボリュームを独立させて運用できるだけでなく、さらに安全性を高めるために、スプリットして、クローンボリュームを親ボリュームから完全に独立したボリュームにすることも可能です。
クローン側ではSnapshotに対する変更記録のみを保持し、オリジナル親ブロックが再利用されることのないようにしているため、本番環境に影響を与え ない安全性が提供されます。クローンとして作成された各ボリュームは透過的な仮想コピーであり、以下のように様々なビジネス運用に使用できます。
クローンとして作成された各ボリュームは透過的な仮想コピーであり、以下のように様々なビジネス運用に使用できます。
- テストとバグの修正 - 高速で効率的なデスクトップ/サーバプロビジョニング
- プラットフォームとアップグレード
- 大きなデータセットに対する複数のシミュレーション
- リモートオフィスのテスト - 市場特有の製品バリエーション
単一のネームスペースとしてアクセス可能な大容量NAS領域を作成
FlexGroupは、シングルネームスペースとしてアクセス可能な大容量NAS領域を作成する機能です。
最大20PBのボリュームの領域を、1ボリュームとしてアクセス可能です。
特にペタバイト規模(数十億個のファイル)の大容量と性能が求められる、製造・メディア・研究開発の領域などに向くソリューションです。
FlexVolは最大300TBまで*⑻という制限がありますが、FlexGroupを使用することで最大容量60PB*⑼の領域を1ボリュームとして見せることが可能に。
指定した期間のデータ改ざん・消去を防止し、コンプライアンスに対応
SnapLockは、一度書き込んだデータを読み出せるが変更は不可能なWORM(Write Once Read Many)ストレージ機能です。
この機能を利用してデータを保持することにより、法的コンプライアンス要件を満たし、企業ガバナンス標準に準拠することができます。
SnapLock を使用することにより、電子メール、文書、監査情報などのデータを長期間にわたって変更不可能な状態でアーカイブすることを求める、記録の保管に関する規制に準拠することができます。
取得する必要のある参照データが、規制はされていないが重要であったり、変更も削除もされないが高速アクセスできる必要があったりという、ジレンマに直面した時に特に有益です。
お客様の要件に応じて、以下2つの保持モデルより選択してお使い頂けます。
柔軟性より保持機能を重視
NetApp SnapLock Compliance(SLC)
- SEC 17a-4、CFTC規則第1.31条(b)などの厳しい規制要件に対応するために導入
- 管理者は削除権限を持たない
- ユーザと管理者のあらゆる操作からデータが保護される
-ファイルの名称変更や編集、削除は不可能
-ボリュームとアグリゲートの名称変更や削除は不可能
-ディスクの初期化や完全消去は不可能
保持機能より柔軟性を重視
NetApp SnapLock Enterprise (SLE)
- 緩やかな規制要件や社内で定められたポリシーに対応するために導入
- 管理者は削除権限を持つ
- 管理者の操作からデータを保護しない
-セキュアなロギングにより、期限切れ前のファイルに対する権限の削除が可能
-ボリュームとアグリゲートの名称変更や削除が可能
-ディスクの初期化や完全消去が可能
アクセスの少ないデータをクラウドに自動階層化
FabricPoolは、フラッシュストレージとクラウドを連携し、1つのデータプールに見せ、さらにアクセス頻度に応じてデータブロックを自動階層化する機能です。
アクセス頻度の多いホットデータはフラッシュストレージに残し、アクセス頻度の少ないコールドデータはクラウド上のオブジェクトストレージなどのコストが低いストレージへ移動させることで、コストと設置面積の削減を実現します。
機械学習をベースにアクセスパターンやファイルのエントロピー等からランサムウェアを検知し、自動Snapshotやアラートをあげます。
ONTAP単独で利用できるため、クラウドベースのランサムウェア製品が利用できないお客様に最適です。