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Veeam Backup & Replication
更新日:2023/9/26

Veeam Backup & Replication(VBR)は、バックアップとレプリケーションに加え、ストレージスナップショットとCDPの機能を4 in 1で標準搭載しています。主な機能を解説します。

ESXi/Hyper-V/AHV/RHV環境を
エージェントレスでイメージバックアップ
仮想環境を効率よく増分バックアップ。災害時は仮想マシンごと直接起動して即復旧も可能です。
エージェントレスの概要
Veeamによるエージェントレスバックアップの仕組み(ESXi/Hyper-Vの場合)

・ゲストOSへの面倒なエージェント(アプリケーション)としてのインストールは不要。

・もちろん、電源が入っていないVMのバックアップは可能です。

・ゲストOSへのバックアップ時の負荷を軽減します。

・Guest Interaciton Proxyでアプリケーション認識処理、ゲストファイルシステムのインデックス作成、トランザクションログの処理を行います。

・トランザクションログの切り詰め処理も可能です。

エージェントレスのしくみ
インスタントVMリカバリ
インスタントファイルレベルリカバリ
インスタントVMリカバリ
仮想環境を効率よく仮想マシンをバックアップデータから直接起動します。

・ESXi/Hyper-V/AHV上で、バックアップから直接仮想マシンを実行可能。

・Veeamの特許を取得したvPower NFSにより、仮想マシンを簡単に起動

・起動後、VMware Storage vMotion、Hyper-V Live Migration、またはVeeam独自のQuick Migrationを使用して、仮想マシンを運用ストレージに移動。

※AHV上にリカバリするには、バックアップサーバーにNutanix AHV Plug-inのインストールが必要です。

インスタントVMリカバリ
マシンフォーマットを問わずESXi/Hyper-V/AHVにリストア
本番環境が物理サーバーでも仮想マシンでも、クラウドインスタンス(Amazon EC2/Azure VM/GCE)でも大丈夫!形式を問わず全てESXi/Hyper-V/AHVに変換しリストア。仮想環境との親和性が更に高まりました。この機能を利用してP2Vも可能です。また、ESXi/Hyper-V 環境では同時に複数の仮想マシンをインスタントリカバリできます。
仮想マシンに変換してリストア
インスタントファイルレベルリカバリ
個別のファイルをバックアップから直接復元します。

・仮想マシン上のファイルやフォルダをバックアップ直接復元。

・WindowsやLinuxの17種類におよぶファイルシステムに対応。

OS サポートするファイルシステム
Windows FAT, FAT32, NTFS, ReFS
Linux ext2, ext3, ext4, ReiserFS, JFS,XFS, Btrfs
BSD UFS, UFS2
MAC HFS, HFS+
Solaris UFS, ZFS
Novell Novell Storage Services
レプリケーション機能(VMware/Hyper-V環境)
Veeamはレプリケーション機能も充実しています。
レプリケーション後の復旧時はフェイルオーバーして起動が可能です。
Veeamのレプリケーション機能

・CBT(※1)を利用し、変更ブロックのみをレプリケーション。

・変更ブロックのデータはソース側で圧縮して転送します。

・レプリケーション先から復元(アイテム、ファイルレベル)できます。

・バックアップと同様にアプリケーションの静止点を確保したレプリケーションが可能です。

・DRの際には、レプリケーションによって複製されたVMを起動し運用を継続します。

・スケジュールによる、レプリケーションジョブ実行します。(日、月、定期または連続)

レプリケーション
(※1)CBT(Changed Block Tracking)…変更ブロックのトラッキングを識別し、バックアップ/レプリケーション プロセスで、変更されたブロックのみを効率的に転送できるVMwareの機能。
フェイルオーバーとフェイルバック(VMware)

フェイルオーバーとは、異常事態発生時に、冗長性のある待機系コンピュータサーバー/システム/ネットワークへ自動的に切り換える機能です。

・Veeam側で操作するフェイルオーバーやフェイルバックが行えます。

・また、フェイルオーバーにより最小限のダウンタイムでのシステム移行を実現します。

永続フェイルオーバー
復元ポイントを選択して、ターゲットホストでレプリカVMを起動し、VMレプリカへの永続的なフェイルオーバーが行えます。(差分レプリケートは実行しない)
元のVMとVMレプリカが同じサイトに存在し、リソースがほぼ同一である場合に最適です。
永続フェイルオーバー
計画済みフェイルオーバー
操作の中断を最小限にすることによりプライマリVMからレプリカにスムーズに手動で切り替える機能です。
ソースVMから差分をレプリケートし、レプリカVMを最新の状態にします。
プライマリVMがオフラインに移行することがわかっている場合、事前にレプリカにワークロードを切り替えることができます。
たとえばプライマリVMのデータセンターの移行、保守、またはソフトウェアのアップグレードを計画する場合や、災害に備えプライマリサーバーをオフラインにする場合にも最適です。
計画済みフェイルオーバー
レプリカのフェイルバック
VMレプリカから本番VMに切り替え、災害復旧サイトから本番サイトにI/Oプロセスをシフトします。
レプリカのフェイルバック
CDP(Continuous Data Protection)※VMware環境のみ
CDPでは、VMのレプリカを作成し、そのレプリカを最新の状態に保ちます。ほぼゼロのRPOで本番環境のデータ損失を最小限に抑えて最新の状態に復元できます。 システム停止が許されず、データ損失を最小限に押さえなければならない環境への導入がおすすめです。
※CDP…VMware環境のみ対応

・超低RPOのきめ細かい設定で最新の状態や特定の時点に瞬時にフェイルオーバー

・複雑さやコストの増加につながる接続されていない面倒なポイント製品を排除

・RPOや導入オプションをカスタマイズして復元目標に対応

NEW v12よりCDP Proxy(ソース側およびターゲット側)でLinux OSを適用可能に

CDP
セキュリティ強化
ランサムウェアをはじめとする、あらゆるリスクからバックアップシステムを守るためのセキュリティ強化機能を搭載しています。
①WORM(書換不可)機能を備えたイミュータブルストレージ対応
リポジトリサーバーのOSをLinuxにすることでLinux強化バックアップリポジトリを構成することが可能です。
また、Amazon S3,S3互換,Azure Blob Storageのイミュータブル機能に対応します。第三者からの悪意ある書換に備えることができます。
イミュータブルストレージ
②GUIログイン時の多要素認証(MFA) NEW v12より対応
モバイル認証アプリと連携し、VBRサーバーのログイン時に第三者からの管理者権限乗っ取りを防止します。
多要素認証
③再感染のリスクを防ぐSecure Restoreで安全に復元
信頼できるウイルス対策ソリューションやマルウェア対策ソリューション(マルウェアスキャン)と統合することで、ウイルスの自動スキャンが可能に。古いデータの復元時にも再感染のリスクを防ぐことができます。
Secure Restore
④隔離環境で復旧検証 SureBackup
本番環境から隔離された環境を作成し、バックアップ/複製データの整合性/データ欠損を自動的に検証。
レポートを作成してあらゆるシナリオの復元検証をお知らせします。
SureBackup
多彩なアプリケーション連携
アプリケーションを認識したバックアップで整合性の取れたデータ保護ができ、リストアもアイテム単位で復元可能です。
アプリケーション連携
対応アプリケーション

・Oracle

・Microsoft SQL Server

・Microsoft Active Directory

・Microsoft Exchange

・Microsoft SharePoint

NEW v12より対応:
PostgreSQL(Linux VMのみ)

アイテム単位のリストア例

・ファイル・フォルダ単位

・Active Directoryオブジェクト単位

・Exchangeのメールアイテム単位

・SharePointのアイテム単位

・SQLデータベース・テーブル単位

・Oracleデータベース単位

NEW v12より対応:
PostgreSQLデータベース単位

ストレージスナップショット連携
この機能を利用することで、仮想マシンのスナップショットが保持される時間が短くなり、VMバックアップ時のパフォーマンスが改善されます。

Storage Integrationなし

VM snap維持期間長い

Storage Integrationあり

VM snap維持期間短い
主な対応ストレージメーカー
NetApp,Dell,HPE,Pure Storage,IBM
対応機種の詳細はこちらをご確認ください。
重複排除ストレージ連携
DD Boostにより、PowerProtect DDへのバックアップ速度が最大50%向上する機能です。

・PowerProtect DDの重複排除機能により大容量データを多くの世代保管しても保存容量を大幅削減。

・DD Boost連携によりVeeamサーバ内で事前に重複排除することができ、PowerProtect DDへのデータ転送量も大幅削減。

・DD Boost連携により初回フルバックアップ以降はCBTによる永久増分のイメージバックアップが可能になり、バックアップ時間の大幅短縮(最大10倍高速化)

・PowerProtect DDへのLANフリー バックアップを可能にするファイバー チャネル接続

・HPE StoreOnce Catalystとの連携によりDD Boostと同様の効果を得られます。

重複排除のしくみ
重複排除のしくみ
PowerProtect DDが保持していないブロックのみ保存
対応ストレージ

・Dell PowerProtect DD

・HPE StoreOnece

独自手法のNASバックアップ
Veeamなら従来のNASバックアップに潜む3つのリスクを解決します。低コストで復旧先を限定することなく確実で迅速なNASバックアップが可能となります。VDI環境のお客様にもおすすめです。
従来のNASバックアップ
スナップショット,レプリケーション,NDMPのデメリット
VeeamのファイルベースNASバックアップ
並列処理で高速バックアップ

・Veeamサーバー内のファイルプロキシ(もしくはプロキシサーバー)に並列処理をさせることでバックアップが高速に。

・フォルダの属性のみをチェックし、バックアップデータは読み込みまない。

・ファイルプロキシは拡張可能のため、数十億のファイル数やPBサイズのデータ容量になっても対応可能。

並列処理
更新されたデータだけ高速チェック
増分バックアップに時間がかかる方は、フォルダの階層の深さ、ファイル数が多くなっていませんか? 従来の増分バックアップは、すべてのファイルに対し変更がないかをチェックするため、ファイル数が膨大になるほど事前準備に時間がかかります。 VeeamのNASバックアップは次の3ステップにより処理が高速になります。

①フルバックアップを取る際、Veeamサーバーにツリーの構造情報を取り込む。

②その時更新されたフォルダやファイルだけにピンポイントでアクセスし、その増分データだけをバックアップ。

事前チェックなしに変更のないフォルダを全て無視して直接I/Oを行う。

事前チェック不要
NASとAPI連携

・NASバックアップの際、本番のファイルにアクセス不要。 「NAS Filer」として登録するとストレージスナップショットと連携してバックアップが可能に。

・NASがDell PowerScale / Isilon /Nutanix Filesであれば、API連携して増分バックアップ

・Windowsの重複除去機能を使用することで重複排除ストレージがなくてもNASの重複排除が可能に

・blobサイズが従来の64MBから1GBに変更。これにより重複排除ストレージと連携した際に重複排除効率が向上。

・メタデータを処理するリポジトリを重複排除ストレージとは別のSSDで構成することで処理性能向上。

おすすめ Veeam+PowerProtect DD構成
Veeam+DD構成
代案 Windows重複除去構成
Veeam+Windows構成

Q.バックアップデータのNASファイルはそのまま使えないの?

「NAS Filer」 で接続する場合、一度リストアする必要があります。
NASの接続方式がSMBであれば、バックアップデータを読み書き可能で利用可能、NFSであれば読み取り専用NASとして使用可能です。

Migrate to Production (NASのインスタントリカバリ) NEW v12より対応 

SMBプロトコル限定のインスタントリカバリ機能。

・リポジトリに保存したNASのバックアップデータを本番環境に移行しつつ、Veeamバックアップサーバーにアクセスしデータの読み書きが可能。変更点は移行先に反映されます。

・復旧先は、下記から選択可能。
 ・Original location (元の場所)
 ・This Server (別の場所)

・復元先のファイル上書きオプションが選択可能。
 ・古いファイルのみ上書き
 ・全て上書き

Migrate to Production
テープ対応 NEW v12より対応 

NASファイルデータをテープに二次バックアップする時の性能がアップ。

・Backup to Tapeが可能: リポジトリの複製

・D2D2Tが可能に

・NAS以外のジョブと混合可能

・テープアウト時に合成フル作成が可能

・本機能のオプションを購入すれば、テープアウト時に追加ライセンスは不要

・制約事項

・テープサーバーはWindows, Linux 上のサポートOSで構成すること

・Simple Media Poolに限定

File to Tape

対応するNAS

・Microsoft Windows管理対象サーバーまたはLinux管理対象サーバー

・エンタープライズNASシステム:NetApp Data ONTAP,Lenovo ThinkSystem DMシリーズ,Dell Isilon

・NFSファイル共有

・SMBファイル共有

NEW v12より:Nutanix Files(増分追跡にNutanix CFTを利用可能)

Veeam Agent
物理サーバー、PC用エージェントです。バックアップ対象にエージェントをインストールすることで、Veeam Backup & Replicationの管理コンソールから他のバックアップ対象と共に一元管理可能です。 バックアップ対象により対応機能が異なりますのでご注意ください。
Veeam Agent

機能概要

For Linux

For Windows

For Mac

For UNIX

Workstation
(PC)
Server Workstation
(PC)
Server Workstation
(PC※⑴)
Server

PC全体、ファイル&ボリュームレベルでの
イメージバックアップ

ファイルレベル、ユーザープロフィールのみ


ファイルレベル

ファイル&ボリュームレベル復元、
ベアメタル復元

ファイルレベル、ユーザープロフィールのみ


ファイル & ベアメタル復元のみ

バックアップ保存先
(ローカルストレージ、USB、共有フォルダ、Veeamリポジトリ、Veeam Cloud Connectリポジトリ)

アプリケーション対応(トランザクションログの切り捨て含む)

× × × ×

アプリケーションのアイテム単位で復元
(Microsoft Active Directory,Exchange,SharePoint, SQL Server, Oracle)

×


Oracleのみ

× × ×

サーバーの複数バックアップジョブ作成


Cloud Connectのみ


Cloud Connectのみ


Cloud Connectのみ

バックアップジョブのスケジュールオプション


毎時間/毎日/毎週/毎月


より詳細に設定


毎日/毎週/特定イベント


より詳細に設定

毎日
毎日/毎週/特定イベント

保持ポリシーの設定

リストアポイント数

リストアポイント数/
日数(VBR管理時)

日数

リストアポイント数/
日数(VBR管理時)

リストアポイント数

リストアポイント数

並列ディスク処理

× × × × ×
※2023年3月時点の情報です。
※Veeam Cloud Connect リポジトリ…Veeam製品をユーザーに提供するクラウドサービスプロバイダーの保存先
※エディション比較の詳細はこちらをご参照ください。
※⑴Server Editionは別途お問合せ下さい。
クラウド連携①
オブジェクトストレージへのダイレクトバックアップ
v12よりオンプレミス環境からAmazon S3へのダイレクトバックアップが可能になりました。
今までは一度Veeamリポジトリに一次バックアップが必要でしたが、今回のアップデートにより不要になりました。

・リポジトリ構造の変更により合成処理が不要

・Cloud TierのPerformance Tierとして階層化適用も可能

・イミュータブル機能も適用可能 (Amazon S3、S3互換、Azure Blob Storage のみ)

オブジェクトストレージへのダイレクトバックアップ

対応ストレージ

・Amazon S3

・Azure Blob Storage

・Google Cloud Storage Buckets

・S3互換ストレージ

・Wasabi Hotクラウドストレージ

・Cloudian

・Scality RING

・RSTOR Space

・Backblaze B2 Cloud Storage

・Ceph

・SUSE Enterprise Storage

・Minio Object Storage Server

・Nutanix Objects

・Zadara Cloud Storage

・Quantum ActiveScale Object Storage

・SoftIron HyperDrive Storage

・Hitachi Content Platform

バックアップ対象

・仮想マシン

・物理サーバー、PC(Veeam Agentを使用)

・NAS

・Enterprise Application (Oracle RMAN/SAP HANA/SQL Server)

条件

・ゲートウェイサーバーが必要

・リストア時のマウントサーバー設定が必要

アーカイブとして利用頻度の高いCloud Tierが"DR"にも対応。アーカイブ&コピーで2重にアーカイブデータを保持することができるため、復旧時の手間がかかりません。
アーカイブ
アーカイブ後、本番環境からチャンクデータは消えるため、本番環境のストレージ容量を削減できるメリットがあります。
アーカイブ
コピーモード
アーカイブ後、本番環境からチャンクデータは消えないため、災害対策(DR)として利用できます。
アーカイブ&コピー
対応ストレージ

・Amazon S3

・Azure Blob Storage

・Google Cloud Storage

・S3互換ストレージ など

物理から仮想、仮想からクラウド、異なるクラウド間もVeeamでデータ変換し移行可能。
将来のシステム基盤の移行に備えられるだけでなく、DR対策の強化やクラウドロックインも防げます。
X2X一覧表_Veeam v12
統合管理機能 Enterprise Manager
Veeam Enterprise Managerから遠隔地のサーバーのバックアップおよびリストアを管理します。
日本語UIでバックアップの運用・管理が可能です。
バックアップジョブの設定は、Veeam コンソール(英語UI)で設定する必要がありますが、日々の運用・管理はEnterprise Managerを利用することで日本語UIで行えるようになります。
Enterprise Managerで統合管理
  Veeam Backup Server Veeam Enterprise Manager Server
UI 専用コンソール WEB UI
日本語対応 ×
操作権限 管理者のみ 管理者とユーザー
※ユーザーは機能制限あり
Veeam Enterprise Managerでできること

・各サイトに構築したバックアップサーバーで作成したジョブを管理、リストア操作が可能

・日本語WEB UIでどこからでもアクセス可能

・セルフサービスバックアップ機能でユーザー権限を与え、管理者を介さずVMの管理やバックアップ・リストアの操作が可能に

・この機能を使ってマルチテナント運用も可能

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