Home > Cisco Systems > よくわかる Cisco > よくわかるUCS 仮想化環境編 > 物理と仮想のネットワークを統合する
仮想化環境におけるネットワークの課題は、大きく 2 つあります。1 つは、物理的なサーバの接続。もう 1 つは、仮想マシンに対するネットワーク設定です。十分な通信帯域を確保することはもちろん、接続経路の設定や管理をどれだけ無駄なく行えるかが重要で、仮想マシンの数が増えれば増えるほど大きなポイントとなります。
Cisco UCS は、この課題を解決する優れたオプションを用意しています。それが「仮想インターフェイス カード」(VIC)です。
VIC は、仮想マシンに対する仮想的なネットワーク インターフェイスを提供し、さらに物理サーバと仮想マシンのネットワーク接続を統合します。これによって実際のケーブル接続は極力シンプルさを保ちつつ、仮想化環境内部の仮想ネットワーク接続の集約と明確化(見える化)を図ることが可能になっています。一連の処理をハードウェア上で行うので、通信のパフォーマンスが損なわれることもなく、常に安定した環境を実現できるのもメリットです。
VIC で設定できる仮想インターフェイスの数と、物理ポートの数は、次のようになっています。
モデル | 対応シリーズ | 仮想インターフェイス | 物理ポート |
---|---|---|---|
Cisco UCS 1280 仮想インターフェイスカード |
Cisco UCS B シリーズ | 最大256 | 10Gbps FCoE ポート×8 |
Cisco UCS M81KR 仮想インターフェイスカード |
最大128 | 10Gbps FCoE ポート×2 | |
Cisco UCS P81E 仮想インターフェイスカード |
Cisco UCS C シリーズ | 最大128 | 10Gbps FCoE ポート×2 |
VIC は、Cisco UCS B シリーズ用のメザニン カード、C シリーズ用の PCI Express カードとしてラインアップされています。また、B シリーズの 2012 年モデル(Intel Xeon E5 シリーズ対応モデル)は、この VIC を標準搭載しています。これらはすべて、一度配線すれば機能の有効化や設定はソフトウェア経由で実行できる「wire-once(配線は初回のみ)」アーキテクチャに対応しているので、構成変更や追加物理作業の負担削減にも役立ちます。