Pure Storage オールフラッシュストレージ「Pure Storage」検証結果大公開! -
出荷額ベースで既にオールHDDのストレージを追い抜いたとされるフラッシュストレージ(ハイブリッド型を含む)。圧倒的処理性能を誇るオールフラッシュストレージも、ここ数年価格競争が一気に加速。いよいよ国内でも、オールフラッシュ・ファースト時代到来か!?と言われるまでになった。中でも注目株は、オールフラッシュに特化した製品で既存の大手ストレージベンダを脅かしつつある“新興勢力”だ。
今回、その代表とも言うべき「Pure Storage」について、国内におけるディストリビュータであるネットワールドが、検証データを公開するセミナーを開催するということで、興味津々参加することに…。
検証対象は、500万円を切るエントリーモデルであったが、侮ることなかれ。本検証においては、数千万円とされる他社製品と比べても遜色のないデータを叩き出していた。検証データの詳細資料も用意したので、是非ダウンロードしてその目でご確認いただきたい。
最初に「Pure Storage」について、簡単に紹介しておく。同社は2012年に製品出荷を始めたばかりの新興勢力で、HDDストレージを含む幅広いポートフォリオを展開する既存の大手ストレージベンダとは一線を画し、オールフラッシュに特化した専業ベンダとして異例の急成長を遂げている。
特筆すべきは、ポートフォリオにおける継続性や製品価格など、過去のしがらみが一切ない専業ベンダだからこそ実現した独自の製品コンセプトだ。今回はパフォーマンス検証をメインとし、製品の詳細紹介は下記解説ハンドブックに譲ることとするが、圧倒的な性能価格比によってオールフラッシュストレージ市場に“価格破壊”をもたらし話題となっている。 ガートナーが2015年に開始した、オールフラッシュストレージ(ソリッド・ステート・アレイ)のマジック・クアドラントでも、名だたる大手ストレージベンダを差し置き、3年連続「リーダー」に位置付けられている。
「Pure Storage」ならではの魅力といえば…
- 全てのソフトウェアをバンドルして低価格で提供
- チューニング不要でカンタン導入
- SSDの一部機能を、独自のOS『Purity』が肩代わりして処理することで高性能を実現
- 512Bの細かい単位で重複排除&圧縮し容量を節約
- 可変長ブロックサイズ対応で高いI/O性能を維持
- 複数の世代のSSD混在も可能で10年以上のライフスパンに対応
- 3年ごとに最新コントローラーを無償提供
- クラウドベースの管理&サポートで障害を未然に抑止などなど、とてもこのスペースでは書ききれない。
今回、これらの特長や機能などについて、分かりやすく図解した小冊子「オールフラッシュストレージの概念が変わる本」をダウンロードコーナーにご用意したので、是非こちらでご確認いただきたい。
→ 小冊子のダウンロードはこちらから
125パターンの検証結果を独自の解析ツールでグラフ化したのが下図だ。125の山がずらっと並んでいるが1つ1つの山が1パターン分のIOPSを示している。
最大性能は左から21番目の山、リード率:100%、シーケンシャル率:100%、ブロックサイズ:4KBのパターンにおいて、40万IOPSに迫るパフォーマンスをたたき出している。 また、ビジネスアプリケーションで平均的とされる32KBのブロックサイズでは、カタログ値通り10万超のIOPS性能を発揮している。
数千万円クラスの他社オールフラッシュストレージでは、4~8KBをベンチマークゾーンとして100万IOPSを達成していても、実環境に近い32KBでのIOPSは「Pure Storage」の数分の1程度にとどまるものも少なくない。ごく一般的な用途であれば「Pure Storage」で十分(むしろ優れている)と言えよう。
最大性能の検証結果で特筆すべきが、フルライト時の安定性だ。下図を見ての通り、30秒負荷をかけた後の30秒間の休止がはっきりとわかるグラフ形状を示しており、パフォーマンス不足によって処理が休止時間になだれ込み、谷がなくなる様子が全く見られなかった。
この高い書き込み性能に寄与しているのが、「Pure Storage」独自の可変長ブロック管理機能だ。たとえば4KB固定長ブロック製品では、32KBのデータを8ブロックに分けて書き込むことになるが、512B~32KBの間でブロックサイズを柔軟に変更しながら対応できる「Pure Storage」なら1回で書き込みでき、I/Oが8分の1で済む。 この可変長ブロック管理は、書き込み性能の安定だけでなく、ムダな書き込みを減らしSSDの長寿命化にも貢献し、「Pure Storage」の優位性を際立たせる特長となっている。
検証の2つ目は、VDI専用の検証ツール「Login VSI」を使用した、1000ユーザーVDI環境のパフォーマンス検証だ。20%バッファをもって1200ユーザーがほぼ同指示にログイン~複数アプリケーションを実行~ログオフという一連のプロセスで、『FlashArray//m10』のパフォーマンスを検証している。
セミナーでは、ブートストーム検証やログインストーム検証、アンチウイルス・フルスキャン検証など、さまざまな検証結果が報告された。ログインストーム検証では、一般的とされる5MB程度のユーザプロファイルデータのサイズに加えて、1ユーザーあたり20MB、50MB、100MBでも実施しているのがポイントだ。各ファイルは150KBのユニークバイナリファイルを複数積み重ねる事でリアルに作り込まれている。
以下では、ログインストーム検証にフォーカスして紹介する。
プロファイルサイズ5MB/20MB/100MBにおける、『FlashArray//m10』のログイン成功ユーザー数は、それぞれ1183/1188/1182と安定。いずれも40秒以内で1000ユーザーログインを達成している。 ※ツールの仕様上、ログイン成功ユーザー数は必ず1200を下回ります
今回のセミナーでは、比較のために他社製品(『FlashArray//m10』に比べはるかに高額な製品)の検証データも紹介されたが、ログイン成功ユーザー数はほとんど変わらなかった。 50MBサイズでは60秒以内に600ユーザーが精一杯、100MBにもなると60秒以内に300ユーザーまでに落ちる他社製品もある中、『FlashArray//m10』は5MBでも100MBでも処理性能がほとんど変わらず、超安定ぶりが際立つ結果となった。