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NetApp 技術ガイド【 2025年1月GA版リリース】ONTAP 9.16.1アップデート情報

2025年 1月に、NetApp 各種製品に搭載されているOS「ONTAP 9.16.1」GA（General Availability)版がリリースされました。
ONTAP 9.16.1の概要と新機能をご紹介します。
ONTAPのサポートポリシーに関しては、こちらをご確認ください。

※以下、NetApp公式発表の内容をネットワールドが独自にまとめたものとなり、内容を保証するものではございません。また初期リリースの時点の情報であり、製品への実装は変更される可能性がございます。

アップデートの概要

NetApp ONTAP 9.16.1 GA版は、統合されたシームレスなハイブリッドクラウド環境を構築するための、最先端のデータ管理ソフトウェアの最新世代です。オンプレミスまたはパブリッククラウド内のビジネス全体に分散しているデータの管理、移動、保護を簡素化できます。ONTAP は、新しいレベルのセキュリティ、導入の柔軟性、簡素化された運用、データ保護を、強力なデータ管理機能、実証済みのストレージ効率、最先端のクラウド統合と組み合わせています。このリリースは、今日のビジネスクリティカルなアプリケーションをサポートすると同時に、データインフラストラクチャの将来性を確保し、クラウド戦略の進化に合わせて幅広い新しい要件に対応できます。

IT 運用の簡素化と柔軟なハイブリッドクラウド環境の構築という継続的なニーズに応えるため、ONTAP 9.16.1 GA版では、パフォーマンス重視のAFF Aシリーズと、容量重視のAFF Cシリーズの両方で、新しいNetApp AFFシステムオファリング、セキュリティ強化、SANワークロード、容量管理強化など、大幅な進歩がもたらされています。
これらの ONTAP機能強化は、NetApp AFF、FAS、All SAN Array (ASA) システム、FlexPod® コンバージドインフラストラクチャソリューション、ソフトウェア定義の NetApp ONTAP Select などの幅広い導入オプションで利用できます。
ONTAP 9.16.1 GA は、NetApp サポートサイトから入手できます。NetAppでは、NetApp Active IQ® ツールから入手できる Upgrade Advisorツールを使用してアップグレードプランを作成することを強くお勧めします。

ONTAP 9.16.1 GA ソフトウェアでは、次の新機能が含まれています。

新機能

新しいAFFシリーズのサポート

AFF A20、A30、A50は、エントリーおよびミッドレンジのお客様のミッションクリティカルでパフォーマンス重視のワークロードのニーズを満たすように設計された新しい AFF Aシリーズです。これらのプラットフォームは、最大 153% のパフォーマンス向上、最大 2 倍の内蔵ストレージ容量増加、および新しい ONTAP 9.16.1 の機能をすべて提供します。
AFF C30、C60、C80は、AFF C シリーズの刷新されたポートフォリオを代表する新しいシステムです。これらは、統一されたスケール、高密度、効率性、堅牢なデータ保護により、お客様が IT インフラストラクチャを最新化し、データを効果的に活用できるよう設計されています。C シリーズプラットフォームでは、パフォーマンス、スケーラビリティ、密度を兼ね備えています。

セキュリティ機能強化

マルチ管理者検証 (Multi-admin verification/MAV) の機能拡張
悪意のある内部者からの保護を強化するために、MAV フレームワークにさらに多くのコマンドが追加されています。これらの機能強化には、多数のコンシステンシグループ (CG) コマンド、VScan および ARP 管理、NVMe 構成が含まれます。
自律型ランサムウェア対策機能（Autonomous Ransomware Protection/ARP）のAI機能強化
ARP は新たにAI 機能がアップグレードされ、99%の精度と再現率でランサムウェア攻撃を検出できるようになりました。AIは包括的なデータセットで学習されるため、FlexVol ボリュームで実行されるARPの学習期間はなくなり、ARP/AI はすぐにアクティブモードで起動します。ARP/AI は ONTAP のアップグレードとは無関係に自動更新機能も導入し、最新の脅威に対する継続的な保護と回復力を確保します。
NVMe/TCP over TLS 1.3
IPSec と比較して簡素化された構成と向上したパフォーマンスにより、プロトコルレイヤーで NVMe/TCP を「ネットワーク経由」で保護します。 Protobuf外部エンジン形式を使用できます。protobufに設定すると、通知メッセージはGoogle Protobufを使用してバイナリ形式でエンコードされます。外部エンジン形式をprotobufに設定する前に、FPolicyサーバでもprotobufデシリアライゼーションがサポートされていることを確認してください。
新しいネットワークカードに対する IPSec HW オフロードのサポート
すべての新しい AFF Aシリーズおよび AFF Cシリーズに導入されたオフロードカードでIPSec ハードウェアオフロード機能を使用すると、Over-the-wire (OTW)暗号化において、より優れたパフォーマンスが得られます。

SAN/ブロック機能強化

NVMe スペースの割り当て解除のサポート
スペース割り当て解除 (「ホールパンチング」や「アンマップ」とも呼ばれる) が NVMe ネームスペースでサポートされるようになりました。このコマンドは、シンプロビジョニングされたボリュームとNVMeネームスペースが、ホストアプリケーションによって削除された未使用のスペースを再利用するのに役立ちます。これにより、特にデータの書き替え率が高いファイルシステムで、全体的なストレージ効率が大幅に向上します。
ASAプラットフォームのノードスケーリングサポート
12ノードのASAクラスタをサポートし、大規模な導入にASAアーキテクチャとメリットをもたらします。

容量管理機能強化

FlexGroupボリュームの高度な容量バランシング
NetApp FlexGroup では、オプションで1つのファイル内データを複数のバックエンド構成ボリュームにストライピングできるようになり、パフォーマンスの向上、パフォーマンスの予測可能性、パフォーマンスのボトルネックの削減、バックエンド構成ボリューム間の容量バランシングの一貫性の向上が実現します。

データ保護と可用性向上

SnapMirror Active Sync のパフォーマンス向上
ハイエンドプラットフォームでの SnapMirror Active Sync のレイテンシを削減し、パフォーマンスを最適化します。
napMirror-Cloud のファンアウト構成サポート
SnapMirror-Cloud は、ボリュームを異なる宛先に同時にバックアップできるようになり、1つのボリュームから複数の SM-C 関係を作成できるようになりました。
SnapMirror Active Sync マルチノードサポート
SnapMirror Active Sync は、4 ノードクラスタ構成をサポートするようになり、大規模な導入でパフォーマンスとビジネス継続性が向上しました。

ONTAPアップグレードの簡素化

ONTAPアップグレードの回復力とシンプルさが向上
再起動サイクルがなくなり、ANDU プロセス中のやり取りが合理化されたため、ONTAP ソフトウェアのアップグレードがよりシームレスになり、回復力が高くなりました。

ONTAP Select機能強化

RHEL および Rocky Linux 9.15 のサポート
KVM ハイパーバイザーのデプロイにRHEL および Rocky Linux 9.15が追加されました。

ONTAP 9.16.1 GAへのアップグレード

サポート対象システム (下記参照) と有効なサポート契約をお持ちの方は、簡単にかつ無停止でONTAP 9.16.1 GA にアップグレードできます。現在のバージョンがONTAP 9.12.1 以降の場合、アップグレードは直接ローリングアップグレードとなります。それ以前のONTAP バージョンの場合、中間リリースバージョンへの無停止アップグレードを実行してから、ONTAP 9.16.1 GA にアップグレードが可能です。