導入事例 福岡ひびき信用金庫
Wasabi Hot Cloud Storage とRubrikによる2次バックアップシステムで
ビジネスリスクの低減を低コストで実現
- Rubrik
- Wasabi Technologies
2024.08.29
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福岡ひびき信用金庫
所在地:福岡県北九州市八幡東区尾倉2-8-1
URL:https://www.fukuokahibiki.co.jp/
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導入前までの経緯
- テープベースで行っていた2次バックアップ作業が一日で終わらない
- 2次バックアップに掛かるコストをできるだけ抑えたい
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導入後期待される効果
- クラウドストレージへの移行でバックアップ時間短縮と運用負荷の削減に成功
- 大手クラウドのサービスを利用した場合と比較して約30%のコスト削減に成功
プロジェクトメンバー
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福岡ひびき信用金庫
システム部 部長 兼 DX推進室長
吉田 篤史 氏 -
株式会社QTnet
法人営業部 法人営業第一グループ
担当部長 兼 グループ長 兼 金融統括マネージャー
愛甲 達典 氏
地域密着型の金融機関として、個人向け/法人向けの多彩なサービスを展開する福岡ひびき信用金庫。福岡県一円と山口県下関市、大分県中津市を事業エリアとする同金庫では、「お客様と真摯に向き合い、期待を超える」「町の元気をつくり、みらいを照らす」「金庫の発展と、職員一人ひとりの幸せを実現する」の経営理念の下、地域社会の多様な金融ニーズに応え続けている。
創立100周年を迎えた2024年1月には、「このまちがすべて このまちにすべて」という新たなブランドスローガンも策定。同金庫が所在する自治体の小中学校全310校に65型テレビを寄贈するなど、地域貢献を軸とした記念事業も行っている。
加えて見逃せないのが、金融DXにも意欲的に取り組んでいる点だ。福岡ひびき信用金庫 システム部 部長 兼 DX推進室長吉田 篤史氏は「労働人口の減少が進む中、当金庫としても生産性向上や新規サービス創出をさらに加速していかなくてはなりません。情報インフラを預かる当部門でも、職員がより付加価値の高い業務に注力できるよう、様々な取り組みを進めています」と力強く語る。
顧客の重要な資産を預かる金融機関にとっては、セキュリティをはじめとしたビジネスリスクの低減も重要な課題だ。これまで同金庫では、バックアップアプライアンス「Rubrik」を用いて情報系システム群を収容する仮想化基盤やOracle DB、ファイルサーバーの1次バックアップを実施。さらに、Rubrikとは別にテープへの2次バックアップと遠隔地保管も行い、重要業務データの保護を行ってきた。しかし近年では、このテープを利用した2次バックアップの運用に綻びが見え始めていたという。「業務のデジタル化に伴い、イメージデータなどの大容量データが急激に増加。その結果、テープへの2次バックアップが一日で収まらなくなってきたのです」と吉田氏は振り返る。ランサムウェアや自然災害などのリスクに対応する上で、2次バックアップの役割は極めて重要である。しかし、テープによる運用では、もはや十分な対応が行えなくなってきたのだ。そこで、2次バックアップシステムの再構築に取り組むことにした。
「検討を進める上で課題となったのはコストです。Rubrikを2セット利用した遠隔レプリケーションも検討しましたが、その費用負担が少々重い。2次バックアップは万一に備えるものですので、そこにいくら投資できるかとなると判断が難しい面があります」と吉田氏は続ける。
こうした状況を打開するきっかけとなったのが、ネットワールドが提供するWasabi Technologies社製クラウドオブジェクトストレージサービス「Wasabi Hot Cloud Storage」(以下、Wasabi)との出会いであった。「たまたま訪れた展示会でWasabiのことを知りました。Amazon S3互換のサービスである上に、スピードが速くRubrikとの連携にも対応。また、AWSやMicrosoft Azureよりも低コストで導入できます。これは非常に素晴らしいサービスだと感じましたね」と吉田氏は語る。
Wasabiに強い関心を抱いた同社では、ITパートナーであるQTnetに対し、製品のリスク評価や費用感についてのヒアリングを実施。九電グループの通信事業者であるQTnetでは、主力事業である通信回線/データセンター事業に加えて、幅広いICTソリューションサービスを展開している。QTnetの愛甲 達典氏は「Wasabiは、BaaS(Backupas a Service)のインフラにも適しているなど、非常に優れた性能/信頼性を有しています。また、導入方法も従量課金制、容量予約制の2パターンが選べますので、先々のコストを抑える上でも役立ちます」と語る。
これを受けて同金庫は、Wasabiを2次バックアップ先に採用することを決断。50TB/5年間分のリソースを容量予約制で調達し、2024年1月より利用を開始している。導入作業も極めてスムーズだったとのこと。吉田氏は「Wasabiの大きな長所として、操作性に優れている点が挙げられます。設定項目も非常に少ないため、今回も20分程度で作業を終えられました」と語る。ちなみに、同金庫では内製化を推進しており、システム導入/運用作業を基本的にすべて自前で行っている。誰にでも簡単に扱えるということは、こうした面でも大きなメリットとなる。
Wasabiを2次バックアップ先に採用したことで、業務面でも数多くの改善効果が生まれている。まず一点目は、テープ交換や遠隔地への輸送、保管といったテープバックアップにまつわる作業負担を大きく軽減できた点だ。現在テープが残っているのは長期保管などの一部用途のみ。この結果、約75%の作業工数を削減することができた。また、万一2次バックアップからのリストアを迫られた場合も、短時間に、かつ確実にリストア作業を行うことが可能だ。必要なテープを保管庫から探し出したり、テープ媒体のメディア不良に悩まされたりする心配も一切ない。もちろん、2次バックアップが一日で終わらないという問題も解消。現在の運用では、14世代分の日次バックアップを取得しているほか、ファイルサーバーについては5年間長期保管用の月次バックアップを別途取得している。導入初期には容量不足が懸念されたこともあったが、Rubrik側の不要なバックアップを洗い出すことで対応できたとのことだ。
加えて見逃せないのが、コスト面でのメリットである。検討時に候補に挙げた大手クラウドのサービスと比較して、約30%のコスト削減を図ることに成功。しかも、海外ベンダーのサービスでは為替の影響を大きく受けるが、今回は容量予約制で5年分のリソースをあらかじめ確保してあるため、円安がさらに進んでもこれ以上費用が嵩むようなことはない。
今回の取り組みを後方支援したネットワールドにも、高い評価が寄せられている。「ネットワールドさんでは幅広い分野の製品を取り扱っているだけでなく、Wasabiの日本語サポートをはじめとする手厚いサービス・サポートも提供されています。当社でもソリューションの拡充を進めていきますので、引き続きご支援を期待したいですね」と愛甲氏は語る。また吉田氏も、「費用や労力を掛けることなく、リスク管理の強化が図れたことが最大の成果。現在はMicrosoft 365のバックアップをクラウド上のRubrikに取得していますが、そのバックアップについてもWasabiを検討するなど、さらなる活用を考えていきたい」と展望を述べた。
パートナー概要
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株式会社QTnet
赤坂本店 : 福岡市中央区舞鶴3-9-39
URL:https://www.qtnet.co.jp/