導入事例 フィガロ技研株式会社
Veeam Backupのデータ保管にWasabi Hot Cloud Storageを活用
重要業務データの保護を低コストで実現
- Veeam
- Wasabi Technologies
2023.05.30
-
導入前までの経緯
- Microsoft 365 のデータバックアップをできるだけ低コストで行いたい
- ファイルサーバーや仮想サーバーなどのバックアップが個別に行われている
-
導入後期待される効果
- バックアップデータ保管コストを大手クラウドストレージから大幅に抑えることに成功
- 複数のバックアップ環境を統合し運用効率化とコスト削減を推進
プロジェクトメンバー
-
フィガロ技研株式会社
情報システム部
宮島 政博 氏 -
フィガロ技研株式会社
情報システム部
中島 佳奈 氏 -
アステック株式会社
ICTソリューションカンパニー
事業戦略室 室長
髙木 大輔 氏
大阪府箕面市に本社を置くフィガロ技研は、メタンガスやプロパンガス、一酸化炭素などの検知をおこなうガスセンサーのリーディング・カンパニーである。同社では、1969年に世界で初めて半導体式ガスセンサーの量産化に成功。以来、半世紀以上にわたり、各種ガスセンサーおよび応用製品の開発・普及に取り組み、安心・安全で快適な暮らしに寄与し続けてきた。加えて、アルコール検知器協議会の設立メンバーでもある同社では、高性能電気化学式アルコールセンサーを搭載したアルコール検知器「フーゴシリーズ」を提供。大手運送事業者や航空会社などで幅広く採用されており、運輸・物流の安全にも貢献している。
もう一つ注目されるのが、業務のIT化にも意欲的に取り組んでいる点だ。フィガロ技研情報システム部宮島政博氏は「たとえば主要な業務システムをVMware vSphereで仮想化しているほか、VMware SD-WANの導入も行っています。また、今後のビジネスにおいてはDXの実現も重要なテーマですので、データの一元的な利活用を図るべく『Microsoft Dynamics 365』や『Microsoft 365』をはじめとするMicrosoft社製品の導入を進めています」と説明する。また、同中島佳奈氏も「そのほかにも無線LAN環境の再整備を行うなど、現場のユーザーが快適に働ける環境づくりにも力を入れています」と続ける。
Microsoft 365ではユーザーデータの保護までは保証されないため、バックアップについては利用企業側で考慮しなくてはならない。万一、重要なデータを失うようなことがあれば業務にも大きな支障が生じかねないことから、同社では課題解決に向けた取り組みに着手。まずは、既に導入済みの他社製のメガクラウドの利用を検討したものの、コストが大きなネックとなった。 「導入済みのメガクラウドに限らず、オブジェクトストレージサービスではいわゆる『下り課金』、Egress費用がしばしば問題になります。ユーザーがどう利用するかは事前に読めません。もし大量にリストア作業が発生するようだと、費用もそれに比例して膨れ上がってしまいます。今回もこの問題で、壁に突き当たってしまいました」と宮島氏は語る。
この点を解消すべく、同社のITパートナーであるアステックが提案したのが、ネットワールドが提供するWasabi Technologies社製クラウドオブジェクトストレージサービス「Wasabi Hot Cloud Storage」(以下、Wasabi)である。アステックの髙木大輔氏は、「Wasabiは事前の予約容量制で購入できるため費用が想定外に嵩む心配もありませんし、不足した場合は契約途中でも容量を追加できるのでクラウドの柔軟さも兼ね備えています。低コストながら優れた性能と信頼性、安全性も確保しています。また、お客様が現在ご利用中のバックアップソフト『Veeam Backup for Microsoft 365』を提供するVeeam Software社にもVeeam Ready製品として認定を受けており、親和性の高さも決め手となりました」と提案理由を語る。
フィガロ技研でも、この提案を高く評価。宮島氏は「下り課金の心配がなく、定額で利用できるのは フィガロ技研でも、この提案を高く評価。宮島氏は「下り課金の心配がなく、定額で利用できるのは非常に魅力的でしたね。これなら不安を抱えたまま運用するようなことは避けられますし、先々の予算計画も立てやすい。ユーザーの権限設定なども柔軟に行えますので、採用を決めました」と語る。
導入作業も非常にスピーディで、「初回バックアップにはそれなりの時間が掛かることが予想されましたので、作業を年末に行うことにしました。ところが実際には、200ユーザー分の初回バックアップが24時間以内に完了。導入時の設定作業も1日で済んでおり、トラブルも皆無でした」と髙木氏は語る。
実運用に入ってからは、Wasabiの使いやすさが大きく貢献。中島氏は「クラウドサービスの中には操作が難解なものも多いのですが、Wasabiは日本語化された管理画面を見るだけで、直感的に作業を行うことができます。オペレーションで悩まずに済むということは、我々運用管理担当者にとっても非常に助かります」と語る。これにより、懸案であったMicrosoft 365のデータを安全に保護できる環境が実現。日々のバックアップ時間も30分程度で完了するため、日中に実施しているとのことだ。
さらにコスト面でも、大きなメリットを得ることができた。髙木氏は「25TBの場合では年間費用はメガクラウドの半分以下です。小容量しか使わないのであれば従量課金にもメリットはありますが、ある程度の規模と期間になるのであればWasabiの方が断然リーズナブルです」と語る。
もう一つ見逃せないのが、クラウドストレージの活用に大きな弾みを付けられた点だ。宮島氏は「下り課金の問題もあり、これまで当社ではあまり積極的にクラウドストレージを使ってきませんでした。その点、Wasabiは低廉な費用で使える上に、操作性も非常に優れています。そこで、Microsoft 365のバックアップデータの保管以外にも適用範囲を拡げることにしました」と語る。その一環として、社内で稼働中の小規模NAS装置のバックアップ先をメガクラウドからWasabiに変更。宮島氏は「作業も我々だけで簡単に行えた上に、バックアップ時間も30~40%短縮できました。Wasabi導入前の唯一の心配がパフォーマンスだったのですが、これもまったく問題ありませんでした」と満足げに語る。
さらに、現在動画/画像データを保管しているオンプレミスのNetApp社製ストレージについても、クラウド自動階層化機能「NetApp Cloud Tiring(FabricPool)によるWasabiへのティアリングが可能。同様に、社内仮想化基盤の仮想サーバー群のバックアップなどにも有効に活用できる。「現在は、お客様やグループ会社とのファイル共有をメガクラウド上に構築した専用システムで行っていますが、こうしたものもWasabiに移行できれば」と宮島氏は語る。このように全社的なバックアップ統合が進めば、運用効率化やコスト削減にもさらなるメリットが期待できる。宮島氏は今後に向けた展望を「こうしたインフラ改善の取り組みを通して、ビジネスの成長やDXの実現に貢献していきたい」と力強く語った。
パートナー概要
-
-
アステック株式会社
本 社:大阪府吹田市豊津町2番30号
URL:https://www.astec-corp.co.jp/