導入事例 株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング
Veeam Backup & Replicationを導入し全社統合バックアップシステムを構築
運用管理の効率化・シンプル化を実現
- Veeam
2020.08.05
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株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング
本 社:東京都品川区大崎1-11-2
事業内容:行政情報システム/企業・団体向け情報システム/情報通信システムの設計・開発・運用・保守、アウトソーシング(システム運用管理・保守)、データセンター運営、コンピューター・ネットワーク・情報通信機器の販売・保守、情報通信・電機設備・計測制御システムの設計施工、通信キャリア回線のリセール。
U R L:https://www.oce.co.jp/
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導入前までの経緯
- 既存のバックアップツールが提供終了となり後継製品を探す必要に迫られた
- 仮想/物理/ファイルサーバーのバックアップを個別に行う必要があった
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導入後期待される効果
- バックアップ対象を拡大すると同時に、操作性や運用管理性の改善にも成功
- 異なる環境下にある全システムのバックアップを一元的に行うことが可能に
プロジェクトメンバー
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株式会社
大崎コンピュータ
エンヂニアリング
事業推進統括部
情報システム室
課長
宮地 京一 氏 -
株式会社
大崎コンピュータ
エンヂニアリング
事業推進統括部
情報システム室
主任
河崎 友則 氏
企業のビジネスを支える各種基幹業務システムや自治体向け行政情報システムなど、幅広い分野でソリューションを展開する大崎コンピュータエンヂニアリング。I CT分野における豊富な知見に加えて、情報通信ネットワーク構築をはじめとする高度な工事・保守・フィールド技術を併せ持つことも、同社の大きな強みだ。近年では、2 4時間・3 6 5日対応の自社データセンターを活用した多彩なクラウドサービスも提供。顧客企業の多様なニーズに確実に応え続けている。
その同社の事業活動をしっかりと下支えしているのが、事業推進統括部 情報システム室だ。同室の課長を務める宮地 京一氏は「デジタル・トランスフォーメーションの波が急速に押し寄せる中、当社でもより柔軟な働き方を可能にする環境が強く求められています。我々情シス部門としても、社内向けサービスの拡充に努めると同時に、そこで培った経験をお客様向けソリューションにも役立てていきたい」と語る。
とはいえ社内インフラの構築・運用を手掛ける中では、様々な課題に直面することもあるとのこと。その一つが、今回実施されたバックアップシステム再構築だ。宮地氏は取り組みの背景を「元々当社では、全社仮想化基盤向けのバックアップに『VMware vSphere Data Protection』(以下、VDP) を活用してきました。しかし、このツールの提供が終了してしまうことが判明し、急いで後継製品を探す必要に迫られたのです」と明かす。
具体的な製品選定にあたっては、仮想化基盤との親和性が高いバックアップツールであること、同社が長年にわたり利用している圧縮・重複排除バックアップストレージ「Dell EMC PowerProtect DD」(以下、PowerProtect DD)との連携が可能であることなどが要件となった。これらを満たせる製品として、ネットワールドから提案されたのが、Veeam Software社製バックアップツール「Veeam Backup&Replication」(以下、Veeam)である。
同社事業推進統括部情報システム室主任河崎友則氏は「社内環境向けに適用するのは今回が初めてですが、当社のソリューション提供部隊では既にVeeamを取り扱った実績があり、エンジニアからの評判も上々です。OracleやMicrosoft SQL Server、Active Directoryなどと連携が可能であるなど、機能面の充実度も高いので、次期製品への採用を決めました」と語る。
実際の導入作業もスムーズに進んだとのこと。河崎氏は「仮想化基盤上にVeeam用のサーバーを立て、セットアップを走らせるだけでインストールは完了。作業は非常にシンプルで、特に苦労するような場面もありませんでしたね」と続ける。ちなみにVeeamは、バックアップサーバーとプロキシサーバーを一台のサーバーで構成することも可能である。しかし、今回の仮想化基盤上では、約50台のサーバーと約80台分の仮想デスクトップが稼働しているため、同社ではバックアップ/プロキシサーバーを別々の環境に分離。さらに、プロキシサーバーを2台用意して負荷分散を図ることで、安定的な処理が行えるよう工夫している。
Veeamによる新バックアップシステムは、2020年3月より本番稼働を開始。これにより、同社の業務にも様々なメリットが生まれている。「まず一点目は、バックアップ対象を大幅に広げられた点です。仮想化基盤の規模も年々拡大していますので、以前はなかなか運用側の対応が追い付かない面もありました。しかしVeeamなら簡単にバックアップが取れますので、現在はほぼ全ての仮想マシンを保護できるようになりました」と宮地氏は語る。
PowerProtect DDの圧縮・重複排除機能の効果も大きく、実データの約1/6程度に容量を削減できているとのこと。「現在は日次で永久増分バックアップを行っていますが、容量がほとんど増えませんのでまだまだ余裕ですね」と河崎氏は語る。Veeamは一部の重複排除処理をバックアップサーバー側で行う「DD Boost」機能にも対応しているため、大量データの転送を短時間で終えることが可能だ。
Veeamの操作性に対しても、高い評価が寄せられている。「VDP時代と比較して、同じ作業をするにもよりスピーディに行えるようになりました。たとえば、バックアップデータから特定のファイルをリストアする場合も、Veeamはエクスプローラーライクな画面で簡単に作業できます。メニュー構成なども分かりやすく整理されていますので、直感的に使える製品という印象です」と河崎氏は満足げに語る。
ファイル単位のリストアだけでなく、バックアップデータから直接仮想マシンを起動する「インスタントVMリカバリ」などの機能についても、その有効性を既に確認済みとのこと。「今後は情シス部門のすべての要員がVeeamの操作を習得し、ユーザーからのリクエストに素早く対応できる体制を整えていきます」と宮地氏は語る。
今回のプロジェクトでもう一つ見逃せないのが、仮想化基盤以外のバックアップにもVeeamを活用している点だ。「ネットワールドのハンズオンセミナーで操作を学ばせてもらったのですが、そこでv10の新機能『NASバックアップ』を知りました。以前はNASのバックアップに非常に苦労していましたので、早速当社でもバージョンアップを実施しました」と河崎氏は語る。
また、基幹業務システムやワークフローシステムが収容されている物理サーバーのバックアップについても、今回を機にVeeamへ移行。これにより、仮想/物理/ファイルサーバーの別を問わず、すべてのバックアップを統合することができた。「仮想化基盤と同じインターフェースで、簡単にNASも物理サーバーもバックアップできるのは大変便利です」と河崎氏。物理サーバーではOracle DBが稼働しているため、今後はVeeamのアプリケーション連携機能も役立つことと期待されている。
「Veeamを導入したことで、バックアップ運用の標準化・効率化が実現できました。優れた製品を提案してくれたネットワールドにも大いに感謝しています。ユーザーの業務に貢献することが我々に課せられた使命ですから、ぜひ今後もその支援をお願いしたいですね」と宮地氏は述べた。