導入事例 株式会社フラワーオークションジャパン
Veeam Backup & ReplicationとDell EMC Data Domainを新たに採用し
VDI/サーバー仮想化基盤のバックアップを刷新
- Dell Technologies(Dell EMC)
- Veeam
2020.03.11
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株式会社フラワーオークションジャパン
本 社:東京都大田区東海2-2-1
事業内容:東京都中央卸売市場大田市場花き部卸売業者(農林水産大臣許可)。花き=観賞用園芸植物(切花・鉢物)の卸売を行う。
URL:https://www.faj.co.jp/
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導入前までの経緯
- バックアップに共有ストレージを用いておりランサムウェア等の被害が懸念された
- バックアップデータからのファイルリストア作業などに多くの工数を要していた
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導入後期待される効果
- 専用ストレージにバックアップを保存することで重要業務データを確実に保護
- シンプルな操作性を活かし運用管理の効率化を実現。保存データ容量も約1/10に削減
プロジェクトメンバー
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株式会社フラワーオークションジャパン
システム部
部長
中島 宏 氏 -
株式会社フラワーオークションジャパン
システム部
次長
加藤 恵夫 氏 -
株式会社フラワーオークションジャパン
システム部
運用課 主任
信国 耕吉 氏 -
富士ソフト株式会社
ソリューション事業本部
インフラ事業部
VMソリューション部
第1技術グループ
課長
畑山 祐司 氏
人々の暮らしや生活を彩る季節の花々。その流通を担っているのが、東京・大田市場花き部に本拠を構えるフラワーオークションジャパンだ。同社 システム部 部長 中島 宏氏は「生産農家や輸入業者から仕入れた切花や鉢物を、お花屋さんや量販店などに安定供給することが当社のミッション。国内の花き消費をより活性化させるべく、一般社団法人『花の国日本協議会』が展開する『フラワーバレンタイン』などのプロモーション活動にも参加しています」と語る。
近年では、花き業界においても市場環境が大きく変化していることから、同社では情報システムへの積極的な投資を進めている。その一環として、インターネットを利用した市場情報提供サイト「Fits」を運営。ここでは買参人/出荷者向けの様々な機能が用意されているほか、モバイルアプリの提供まで行われている。
さらに、今回同社では、バックアップシステムの刷新に着手した。中島氏はその背景を「当社では早くから情報インフラの仮想化を進めており、現在はVDI( 仮想デスクトップ) 向け、サーバー向けの2つの仮想化基盤を運用しています。しかし、従来は共有ストレージの筐体内にバックアップデータを保存していたため、ランサムウェアなどによる被害が懸念されました。また、リストア作業に手間が掛かる点なども課題になっていましたので、より安全で効率的なバックアップ環境を整備したいと考えたのです」と語る。
今回の対象となったサーバー向け基盤には、同社の事業活動を支える約90台の業務サーバーを収容。「販売や物流、会計などの基幹系システムも稼働していますので、そのデータを保護することは当社のビジネスにとっても非常に重要です」と中島氏は語る。またVDI向け基盤では、約100台分の仮想デスクトップ環境を営業部門向けに提供。本社オフィスはもちろん、出先からでもセキュアに情報を活用できるため、テレワークなどの働き方改革を下支えするツールとしても利用されているとのことだ。
同社では、この重要な仮想化基盤のバックアップシステムを刷新するにあたり、様々な製品を候補に挙げて綿密な検討を実施。その結果、新たに採用されたのが、ネットワールドが提供するVeeam Software社製バックアップツール「Veeam Back up & Replication」(以下、Veeam)と、Dell EMC社製重複排除バックアップストレージ「Dell EMC Data Domain 3300(以下、Data Domain)」である。
中島氏はその理由を「VMwareユーザー会(VMUG)の方々ともいろいろ情報交換をする中で、Veeamの評判が非常に高かった点が印象に残りました。実際にハンズオン講習も受けてみましたが、候補に挙がった別の製品と比較して、操作も非常に簡単で分かりやすい。また、DataDomainと組み合わせることで、圧縮・重複排除機能によるデータ容量削減効果が見込める点も良かったですね」と語る。
今回のプロジェクトを支援した富士ソフトの畑山 祐司氏も「アプリケーションも含めて完全エージェントレスで利用できる点や、DataDomainをはじめとする数多くのストレージ製品と連携できる点など、Veeamには数多くの特長が備わっています。当社でも豊富な導入実績がありますので、今回も自信を持ってご提案しました」と続ける。
こうして導入されたVeeam+Data Domainによる新バックアップシステムは、2018年10月より本番稼働を開始。バックアップデータの保存先を共有ストレージからData Domainに変更したことで、ランサムウェアや障害などによるデータ損失リスクも大きく軽減することができた。
Veeamの使い勝手に関しても、高い評価が寄せられている。同社 システム部 次長 加藤 恵夫氏は、「たとえば、以前利用していたツールでは、誤消去したファイルを戻したりする作業が非常に面倒でした。そう頻繁に行う作業ではないとはいえ、いざという時にすぐにリストアできないのは困ります。その点、Veeamは操作が簡単なので、スピーディな対応が行えます」と語る。
また、同社 システム部運用課 主任 信国 耕吉氏も「日々の運用を担当する立場としては、ユーザーインターフェースがシンプルで分かりやすいのが助かりますね。各サーバーのバックアップ進捗状況なども一目で把握できますので、運用管理性は格段に向上しました。また、旧環境では時々バックアップ処理に失敗するケースがありましたが、Veeamを導入してからはこうしたことも無くなりました」と語る。
ちなみに、サーバー系のバックアップについては、5種類のバックアップポリシーを設定して各サーバーに割り当てている。ここで役立っているのが、VMware v Centerとの連携機能だ。「新規サーバーを立ち上げた際などには、vCenter上からタグ付けを行うだけで、自動的にそのサーバーに合ったポリシーが適用されます。以前は時間を掛けて一台ずつ個別に設定作業を行う必要がありましたが、今ではタグを一つ指定するだけですから、非常に楽になりましたね」と加藤氏は満足げに語る。
加えて、もう一つ大きいのが、圧縮・重複排除機能によるデータ容量削減だ。「現在では、元データの約1/10程度の容量に収まっています。最初は4TBモデルのDataDomainで足りるか少々不安でしたが、全く問題ありませんね。リソースの有効活用やIT投資の最適化という面でも、大きな成果が上がっています」と中島氏は語る。ちなみにVeeamは、一部の重複排除機能をバックアップサーバー側でも行う「DD Boost(Data Domain Boost)」にも対応しているため、大量データの転送も効率よく短時間で行うことが可能だ。
今後は、別のツールを利用しているCIFS領域のバックアップもVeeamに統合すると共に、クラウドを利用したDR(災害対策)環境の構築なども検討していく考えだ。中島氏は「これからの企業にとっては、デジタル・トランスフォーメーションへの対応も重要なテーマ。データはまさにその中核ですから、きちんと保護・活用できる仕組みが不可欠です。今後もより最適な環境を目指していきますので、ネットワールドと富士ソフトの提案にも大いに期待しています」と展望を述べた。
パートナー概要
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富士ソフト株式会社
両国オフィス:東京都墨田区緑1-26-11
本社:神奈川県横浜市中区桜木町1-1
事業内容:独立系ITソリューションベンダー。vExpertを始めとするICTインフラへ高い知見を持った技術者集団が、導入から保守・運用までトータルでサポートします。
URL:https://www.fsi.co.jp/