導入事例 九州工業大学
NetApp AFF C250+Proxmox で教育研究用仮想化基盤を再構築
性能向上とコスト削減の両立に成功
- NetApp
- Proxmox
2026.03.26
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導入前までの経緯
- 学内仮想化基盤の用途変更に伴い、インフラ環境のさらなる強化が必要に
- ハードウェアやソフトウェアの費用が高騰し所定の予算内に収まらない
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導入後期待される効果
- 高性能オールフラッシュ・ストレージの活用でパフォーマンスを大幅に向上
- 仮想化プラットフォームに「Proxmox」を採用することでコスト削減に成功
プロジェクトメンバー
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国立大学法人 九州工業大学
情報統括本部
情報基盤センター 副センター長
ICT利活用教育研究基盤運用室長
教授
林 豊洋 氏 -
三井情報株式会社
イノベーション推進部
第一技術室
田辺 悠太 氏
明治40年(1909年)に設立された私立明治専門学校を起源とし、一世紀以上にわたり日本の技術人材の育成に邁進してきた九州工業大学。現在も「九州工業大学は、わが国の産業発展のため、品格と創造性を有する人材を育成します。」の基本理念の下、最先端の教育研究活動を展開している。
テクノロジーを専門とする工業大学だけに、学内の情報インフラ整備にも抜かりはない。九州工業大学 情報基盤センター 副センター長 教授林 豊洋氏は「本学の情報基盤センターは情報システム・ネットワーク・セキュリティ等を研究課題とする部門であり、今後の情報化やDXについての企画・戦略立案を担っています。学内の教育研究システムやネットワークに関しても、各教員の専門的な知見を活かしつつ環境整備を推進。その時点で最新のテクノロジーやコンセプトを取り入れるようにしています」と語る。
その同大学において今回実施されたのが、学内の教育研究活動を下支えする仮想化基盤のリプレースである。元々同大学では、学内の講義室に教育用端末を設置しており、日々の講義などに利用していた。この端末を動かすための各種サービスや、Learning Management System(以下、LMS)などのシステムを収容するのが本仮想化基盤の役割であった。「しかし本学では、コロナ禍をきっかけに端末の廃止を決定。その代わりに、学生の個人持ちPCによるBYOD方式へ移行しました。これに伴い、本仮想化基盤も以前とは違う役割を受け持つことになったのです」と林氏は説明する。
まずその一つが、LMS関連システムの集約だ。林氏は「本学も多くの大学と同じく『Moodle』をLMSに利用していますが、旧環境では容量不足の関係で一部のMoodle関連サーバーやデータを本仮想化基盤とは別の環境に置いていました。新仮想化基盤では、こうしたものをすべて集約し、全学向けの教育サービスはすべてここから提供するようにしたいと考えました」と続ける。
さらにもう一つの新たな役割が、学内に散在している教育研究データの一元管理である。「教員が保有する教育研究データは貴重な資産ですので、これをきちんと保存・管理しなくてはなりません。また昨今では、データレイクに蓄積したデータをBIツールやAIで分析・活用する動きが進んでいますが、こうした取り組みを進めていく上でも、まずはデータを集めておかなくてはなりません」と林氏は語る。
しかし、この新仮想化基盤の導入を阻む大きな壁となったのが「コスト」である。「コロナ禍以降、ハードウェアやソフトウェアのライセンス費用が著しく高騰しました。旧環境で利用していたハイパーコンバージド・インフラストラクチャー(以下、HCI)製品も、値上がりでとても今回の予算に収まりません。とはいえ、新たな用途に適用するためには性能・容量をアップさせる必要がありますので、困り果ててしまいました」と林氏は明かす。
そこでこの難題を解決する立役者となったのが、ネットワールドが提供するNetApp社製オールフラッシュ・ストレージ「NetApp AFF C250」、並びにオープンソースソフトウェアを基盤とする仮想化プラットフォーム「Proxmox」であった。
新仮想化基盤をNetApp+Proxmoxで構築することになった経緯について、林氏は「旧HCI製品に代わるハイパーバイザーをいろいろ探す中で、候補として浮かび上がってきたのがProxmoxでした。実際に学内で動かしてみたところ、十分実用に耐えそうとの感触も掴めました。とはいえ、本番環境の構築や管理については、やはり専門のSIerの手を借りる必要があります。そこで本学でも検証を行うことを条件に、新仮想化基盤の調達を行うことにしました」と振り返る。
もっとも国内でもまだまだProxmoxの導入事例は限られるだけに、提案に二の足を踏むベンダーが多かったとのこと。こうした中、敢然と手を挙げたのが三井情報だ。同社の田辺 悠太氏は「当社社内でも懸念の声はありましたが、Proxmoxの主要機能を一通り検証したところ、特に問題となるような点は見られませんでした。これならお客様のご期待にも応えられると考え、ご提案に踏み切ることにしました」と語る。その中でもポイントとなったのがストレージだ。田辺氏は「学内の教育研究を支えるインフラですから、まずは高い性能と信頼性が不可欠です。また、Proxmoxについて調査を進めていたところ、iSCSIよりNFSで使った方が安定することが分かりました。高性能・高信頼なNFSストレージとなれば、これはもう経験的にもNetAppを選ぶのがベストです。しかもNetAppのOSである『ONTAP』は高い堅牢性と安全性を兼ね備えており、当社の導入実績でもインシデントを起こしたことがありません。また、NetAppでは、Proxmoxの正式サポートも行っています。こうした理由から、NetAppをご提案することとしました」と続ける。なお事前検証においては、ネットワールドも100Gbpsスイッチの貸し出し支援を行っている。
同大学でも、この三井情報の提案を高く評価。林氏は「NetApp製品は以前から本学でも利用していましたので、安心して利用できます。また、予算が限られる中で、オールフラッシュ・ストレージのNetApp AFF C250を提案してもらえたのも大変ありがたかった」と語る。旧環境からの移行作業についても、性能問題もなくスケジュール通りに実施できたとのことだ。
こうして導入された新仮想化基盤は、2025年3月末より本番稼働を開始。Moodle関連サーバーを中心に、100台以上の仮想マシンが稼働している。NetApp AFF C250も、インフラの性能向上に大きく貢献。林氏は「とにかくとんでもなく速いストレージという印象ですね。約200~300MB/sものスループットが出ていますし、仮想マシンの立ち上げも極めてスピーディです。おかげで、性能面での心配はしなくとも済むようになりました」と満足感を示す。
さらに見逃せないのが投資対効果を大幅に高められた点だ。林氏は「前回調達時と同等の予算であるにも関わらず、性能・容量を大きくアップさせることができました。これもあえて3Tierに回帰したからこそ。IT製品の高騰や予算不足に悩む大学・教育機関にとって、NetApp+Proxmoxは非常に有力な選択肢になり得ると考えます」と力強く語る。
本プロジェクトを支援した三井情報でも、今回得られた知見を今後のソリューション提供に活かしていく考えだ。「動作も安定していますので、企業利用の検討も可能です。仮想化基盤の更新でお悩みであれば、ぜひ一度ご相談を頂きたいですね」と田辺氏は述べた。
パートナー概要
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三井情報株式会社
本 社 :東京都港区愛宕2-5-1
URL:https://www.mki.co.jp/
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