導入事例 澁谷工業株式会社
社内仮想化基盤用ストレージをNetApp ASA C250 で刷新
性能向上とセキュリティ強化を実現
- NetApp
2025.02.25
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導入前までの経緯
- 社内仮想化基盤用ストレージの容量が逼迫し性能も限界に達しつつある
- ランサムウェア攻撃などへの備えをさらに強化する必要がある
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導入後期待される効果
- 高性能オールフラッシュストレージを安価に導入することに成功
- データ保護機能の活用でより安心・安全なインフラ環境を実現
プロジェクトメンバー
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澁谷工業株式会社
情報・知的財産本部
経営情報システム部部長
松江 克泰 氏 -
澁谷工業株式会社
情報・知的財産本部
経営情報システム部主任
三﨑 北斗 氏 -
三谷産業株式会社
情報システム事業部
北陸システム部
担当課長
奥野 弘之 氏 -
三谷産業株式会社
情報システム事業部
北陸営業統括部
産業営業部 産業営業第一課
町田 喜子 氏
石川県・金沢市に本社を置く澁谷工業は、パッケージングプラント、メカトロシステム、農業設備などの分野でビジネスを展開する産業機器メーカーだ。特に、飲料や調味料などの液体を充填するボトリングシステムでは国内トップシェアを獲得しており、グローバルでも高いシェアを誇っている。また、ここで培われたコア技術を元に、新たな事業分野へも積極的に進出。現在では包装設備や製薬設備、半導体製造設備、医療機器、再生医療システムなど、幅広いフィールドでビジネスを推進している。同社では創業100周年を翌年に控える2030年6月期に売上2000億円の達成を掲げるなど、さらなる躍進を目指していく構えだ。
その同社の事業活動をIT面から下支えしているのが、経営情報システム部である。澁谷工業 情報・知的財産本部 経営情報システム部 部長 松江 克泰氏は「部署名に『経営』と入っている通り、当部門では業務プロセスそのものの設計・構築・見直しも担っています。当社の主力事業は受注生産型ですので、市場やお客様ニーズの変化に素早く対応できなくてはなりません。そこで『一気通貫ものづくりDX』というコンセプトの下、予実原価管理の高度化やデータ利活用の促進など、様々な取り組みを進めています」と語る。
その同社において今回実施されたのが、社内仮想化基盤向けストレージの再構築プロジェクトだ。松江氏は「元々、この仮想化基盤は、社内で製作する部品や装置の図面を管理するために構築したものです。その後、ファイルサーバー、グループウェアなどの情報系システムや、基幹業務システムのサブシステムも集約。現在では当社のビジネスに欠かせない重要な役割を担っています」と説明する。
もっとも、旧ストレージは導入から既に7年が経過しており、様々な課題も目に付くようになっていた。澁谷工業 情報・知的財産本部 経営情報システム部主任 三﨑 北斗氏は「データ量の増加によって空き容量が逼迫していた上に、HDDベースのストレージであったため、パフォーマンス面でもそろそろ限界に達しつつありました」と振り返る。このような点を解消すべく、同社では次期ストレージの選定に着手。ここでの具体的な要件としては、まずオールフラッシュストレージであることが挙げられる。三﨑氏は「SSDの価格も安くなっていますので、高性能なオールフラッシュストレージを選ぶことで環境改善を図りたいと考えました」と語る。加えてもう一つ重要なポイントが、ランサムウェアなどの脅威に対応するためのセキュリティ機能だ。松江氏は「セキュリティ対策については当社でもEDRの導入やネットワークセキュリティの強化など様々な対策を行っていますが、ストレージについても適切な手を打っておくことが必要と考えました」と語る。その結果、新たに導入されたのがネットワールドが提供するNetApp社製オールフラッシュストレージ「NetApp ASA C250」であった。
今回のプロジェクトを担当した三谷産業の奥野 弘之氏は、NetApp ASA C250の提案理由を「お客様のニーズにマッチした製品を探す中で、自信を持ってお勧めできると感じたのがNetApp ASA C250でした。オールフラッシュストレージでありながら、SAN専用とすることでコストも抑えられています。しかもそれだけでなく、ランサムウェア対策に役立つ様々なデータ保護機能まで有しています」と語る。
NetAppのストレージOSである「ONTAP」は多彩なデータ保護機能を提供しているが、NetApp ASAC250では、スケジューリングされた一定期間内は管理者であっても絶対に削除できないスナップショットを作成する「Tamperproof Snapshot」、SnapshotやSnapMirrorの削除コマンドを実行する際に複数管理者の承認を必要とする「Multi-Admin Verification」の2つの機能によって、ランサムウェアによる攻撃を受けた際にバックアップデータを確実に保護することができる。このことは、今回の新ストレージ選定を左右する重要なポイントとなった。「実は直前まで別の製品に決まりかけていたのですが、NetApp ASA C250の提案を受けて考えを改めました。ランサムウェア対策を含め、当社が求める要件をすべて満たしている上に、価格的にもリーズナブルです。これを選ばない手はないと思いましたね」と松江氏はにこやかに語る。
こうしてNetApp ASA C250の採用を決めた同社では、2024年6月より移行作業に着手。わずか1ヶ月後の7月に本番稼働を開始している。ちなみに同社では、長年にわたり社内業務システムの内製化を行っており、ハイレベルな技術力を有していることから、旧環境からの移行作業もすべて自前で行っている。「仮想サーバーの移行はVMwareの『Storage vMotion』機能で行いましたがファイルサーバーの容量が非常に大きいため、当初は移行に2ヶ月程度掛かると予想していました。しかし、受け側となるNetApp ASA C250のパフォーマンスが非常に高いため、実際には2~3週間程度で移行作業を終えられました」と三﨑氏は語る。
これにより、社内仮想化基盤にも様々なメリットが生まれている。まずストレージ性能強化により各種業務システムのレスポンスが改善され、業務の快適さが向上。また、システムの安定性も大きく改善され、以前はトラブル発生時にストレージの問題を疑うことが多かったが、現在ではそのような懸念がほぼなくなったという。さらに、圧縮・重複排除機能の効果も大きく、仮想マシン内には図面等が多いファイルサーバ用途も含まれる中、1. 9:1の削減率を達成しているとのことだ。加えて懸案であったセキュリティ対策についても、さらなる弾みを付けることができた。「万一脅威に侵入された際にも、データを書き換えられる心配がないということは、ビジネス上も大きな安心感につながります。また、承認をより厳格化したことで、管理者の操作ミスによる誤消去なども防げます」と松江氏は満足感を示す。ちなみに同社では、DR(災害対策)システムも構築しており、NetAppのSnapMirror機能による遠隔レプリケーションを日次で行っている。これにより、大規模自然災害等が発生した場合も、速やかに災対サイト側で業務を復旧することが可能だ。
本プロジェクトを支援したネットワールドへの評価も高い。三谷産業の町田 喜子氏は「今回は技術面、情報面の両面で大変手厚くご支援いただきましたので、当社としても盤石の体制でご提案に臨めました」と語る。
このように大きな成果を収めた同社だが、今後も引き続き環境改善に取り組んでいく考えだ。松江氏は「長らく内製化を基本としてシステムを作り上げてきましたが、良いものは積極的に取り入れたい。その取り組みを通して、業務プロセスの改善に寄与していければと思います」と将来の展望を語った。
パートナー概要
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三谷産業株式会社
本 社:石川県金沢市玉川町1-5
URL:https://www.mitani.co.jp/
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