導入事例 株式会社測機システム
顧客企業のデータ保護を支援する「サイバープロテクトサービス」をAcronis Cyber Protect Cloud で実現
- Acronis
2023.03.24
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導入前までの経緯
- 顧客先においてPCの故障等により、重要な測量データ等の損失がしばしば発生している
- 主力事業の測量機器や測量CADの販売を補完する、新たなビジネスの柱を打ち立てたい
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導入後期待される効果
- Acronis Cyber Protect Cloudによるデータ保護+セキュリティサービスを新たに提供
- サブスク型サービスの提供により自社設備を持つことなく継続的な収入源を確保
プロジェクトメンバー
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株式会社測機システム
営業部 ICT推進課 課長
野原 修一 氏
沖縄県・那覇市に本社を置く測機システムは、計測・測量機器の販売やリース/レンタル事業を手掛ける企業である。同社では「安定した『はかる』を提供し社会・経済・環境の発展に貢献できる企業を目指します」の経営理念の下、土木・建設業や測量、設計、土地家屋調査士などの顧客に対し、幅広い領域にわたるソリューションを提供している。
測機システム 営業部 ICT推進課 課長 野原 修一氏は「製品販売はもちろんのこと、点検・修理などのアフターフォローまで自社内で完結できる総合力が当社の強み。持ち前の技術力と豊富な経験・ノウハウを活かし、多種多様なお客様ニーズにしっかりとお応えしています」と力強く語る。
こうした姿勢は業界でも高い支持を得ており、測量機器の販売・レンタル事業において約3割の県内シェアを獲得。中でも測量設計、土地家屋調査士などの分野については、県内事業者の約半数が同社の顧客となっているという。
このように躍進を続ける同社だが、ビジネス面での課題も抱えていた。それは顧客の重要業務データをいかにして守るかという点だ。野原氏は「近年では建設・測量業界においてもIT化が進んでおり、当社でも測量CADをはじめとする様々なソリューションをご提供しています。しかしその一方で、データ保護の重要性については、まだまだ認識が不十分な面があります」と語る。
たとえばある顧客では、定期的なデータコピーを行っていたものの、スケジューリングしていたはずのタスクがいつの間にか停止。その事を把握することが出来なかったために、有効なバックアップデータが数年前のものしか残っていないケースがあった。また、手動で外部メディアへの保管を行っていた別の顧客では、いざリストアの必要性が生じた際に、どれが最新版のデータか分からずに困ったケースがあったと言う。「土地家屋調査士の場合、過去に行った測量に関する紛争が発生した場合に、どんなプロセスを経て確定測量が行われたのか振り返るために、データを長期間にわたり保存しておく必要があります。しかし、データ保存先であるPCが故障するリスクをあまり強く感じておられないお客様が多い」と野原氏は続ける。
こうした問題を解決すべく、同社では2019年よりバックアップサービスの提供を開始。野原氏は「バックアップを確実に取得でき、データもきちんと管理できる体制が無いことがそもそもの原因です。とはいえ、本業で忙しいお客様にとっては、そこまで手が廻らないのが実情です。そこで、当社がしっかりとしたデータ保護の仕組みを提供しようと考えました」と語る。この取り組みは顧客からも好評を博し、3年間で20社以上の導入実績を獲得。「ただし、お客様が増えるに連れて、テナント管理をよりきめ細かく行いたいといったニーズも生じてきました。また、昨今では、サイバーセキュリティ対策も重要な課題ですので、サービスの内容をさらにもう一歩進化させたいと感じていました」と野原氏は振り返る。
こうした時に出会ったのが、ネットワールドが提供するAcronis社製SaaSプラットフォーム「AcronisCyber Protect Cloud」である。これは同社のようなサービス事業者向けのプロダクトであり、顧客向けのバックアップ/セキュリティサービスを簡単に構築することができる。
「前述のサービスで『Acronis Backup』を採用していた経緯もあり、ネットワールドのWebサイトでAcronis製品の情報収集を行っていたところ、Acronis Cyber Protect Cloudの存在を知りました。自社内にサーバーを立てたりしなくとも、お客様向けサービスが作れるのは非常に魅力的でしたね。しかもバックアップ機能に加えて、脆弱性管理やマルウェア/ランサムウェア対策などの機能も提供できます。そこで、2022年4月より、Acronis Cyber Protect Cloudをベースとした『サイバープロテクトサービス』を新たにリリースしました」と野原氏は説明する。
このサービスでは、「システムバックアップ」「Advancedマネージメントパック」「Advancedセキュリティパック」の3つのメニューを用意。顧客企業の状況やニーズに応じて、これらを自由に組み合わせることができる。野原氏はその特長を「まず、システムバックアップでは、『Acronis Cloud』へのクラウドバックアップが行える点が大きい。ご存じの通り沖縄は台風が多く、風水害でPCが破損したお客様もいらっしゃいます。こうした際にも重要データを保護できるのは、BCPの観点からも非常に重要です」と語る。また、Advancedマネージメントパックでは、PCのセキュリティ更新状況を確認することで、脆弱性が放置されるような事態を防止。さらに、Advancedセキュリティパックでは、より高度なマルウェア対策機能やPCの遠隔消去機能なども提供される。
加えてもう一つ見逃せないのが、リーズナブルな価格体系だ。野原氏は「当社のお客様は中小企業や個人事業主の方も多い。そこで基本料金を一拠点あたり2,000円とし、システムバックアップは1GBあたり22円から、またAdvancedマネージメントパック/セキュリティパックがそれぞれ380円/240円からと、最小限のご負担で導入頂けるようにしています」と語る。
サイバープロテクトサービスを早速導入し、その効果を実感している企業も多い。たとえばある顧客では、測量CAD用のPCが障害に見舞われたが、わずか半日ほどでバックアップから復旧することができた。「これがゼロからの再インストールとなると、リカバリーメディアやプロダクトキーを顧客先で探すところから始めることもあり、右往左往するようなケースも珍しくありません。復元に成功したお客様からも『業務を長時間止めずに済んで助かった』と安堵の声が聞かれました」と野原氏はにこやかに語る。人的・時間的リソースに限りのある中小企業や個人事業主にとっては、バックアップやセキュリティを同社に任せて、本業に集中できることも大きなメリットだ。同社のビジネスにとっても、AcronisCyber Protect Cloudを採用した意義は大きかったと野原氏。「当社の主力製品である測量機器や測量CADは、そうそう買い替えるものではありません。それだけに、継続的な収入が見込めるサブスク型のサービスを新たに立ち上げられたのは非常に良かった。セキュリティの話をきっかけに、新たな商談が生まれるケースもあります。もちろん、これだけのサービスを自前ですべて作るとなると大変ですが、Acronis Cyber Protect Cloudならその点も容易にクリアできます。テナントやユーザーの管理も統合コンソールから簡単に行えますので、当社社内での作業負担が大きく増えるようなこともありませんね」と満足げに語る。
同社では、今後もサイバープロテクトサービスをビジネスの新たな柱として育てていく考えだ。野原氏は「Acronis Cyber Protect CloudにはEDRなどの新機能も追加されていく予定と聞いています。当社としてもサービスの拡充を図り、お客様への貢献を果たしていきたい」と今後の抱負を述べた。