導入事例 我孫子市
1000台以上のVDI環境の共有ストレージとしてPure Storage FlashArray を新規導入
15倍のデータ削減効果を獲得し、10年間の運用コストも大幅低減
- Pure Storage
2022.09.28
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所在地:所在地:千葉県我孫子市我孫子1858番地
URL:https://www.city.abiko.chiba.jp/index.html
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導入前までの経緯
- 職員の利用するデスクトップ環境として物理PCを利用 しており、一部でシンクライアントも利用していた
- 運用フェーズでストレージ環境をアップグレードする際の 手間やコストを極力抑えたかった
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導入後期待される効果
- 1000台以上のVDI導入と併せて高性能かつ安心・安全な 共有ストレージ環境を構築
- ピュア・ストレージの保守サポート・プログラムで、後継 モデルへの継続的なアップグレードを実現
プロジェクトメンバー
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我孫子市 企画総務部 行政管理課
情報システム係 係長
沖 哲也 氏
2020年に市制施行50周年を迎えた千葉県我孫子市は、2022年4月から将来都市像“未来につなぐ心やすらぐ水辺のまち我・孫・子”を目指す第四次総合計画をスタートさせ、住民が安全・安心に暮らし続けることができるまちづくりを進めている。
我孫子市では2012年から、ICT環境の構築・運用を10年間、一括して外部のITパートナー企業に任せる包括業務委託契約に移行し、契約満了後の2022年1月からもインフラ部分については引き続き、10年間の長期契約を維持することを決定した。その背景について、企画総務部行政管理課情報システム係係長の沖哲也氏は次のように説明する。「市のICT環境を刷新する大々的なプロジェクトは担当職員の負担も非常に大きく、5年ごとの入れ替えでは運用開始から2~3年後にまた次の更改に向けた設計に着手しなければなりません。一方インフラ周りは一度きちんとしたものを構築してしまえば、そう簡単に変える必要はありません。そこで10年間の契約にして職員の手間を削減し、コスト面でもスケールメリットを出したいと考えました」。
そして同市が、2022年1月から始まる新たな10年間の包括業務委託契約の中で大きく変えたいと考えていたのが、職員の利用するデスクトップ環境だった。「今までは物理PCが中心で、一部ではシンクライアントも使用していました。それを今回は全てVDIに移行しようと考えました。規模としては1000台以上で、共有ストレージとして利用するストレージ製品も新たに導入する必要があります。複数のIT事業者に声を掛け、価格で選定を行う入札ではなく、提案内容を総合的に勘案してITパートナー企業を選ぶプロポーザルを実施することにしました」。
沖氏は2019年から複数のIT事業者にRF(I情報提供依頼書)を提示するなどして情報収集を開始し、実際のプロポーザルに臨んだ。
「プロポーザルでは、我々から導入する製品について“この機種にしてください”といった指示を出すことはありません。提示するのはあくまで要件で、それらを理解し、我々の現在の利用環境も十分に踏まえた上でどんな提案をしてくれるのかが、長いお付き合いをするITパートナー企業の選定条件となります」。
そして最終的に選ばれたのが、VDI環境の共有ストレージとしてピュア・ストレージ製品を利用する大崎コンピュータエンヂニアリングの提案で、共有ストレージ環境を構築するに当たっては、3社の企業チームでプロジェクトに臨んだ。大崎コンピュータエンヂニアリングが窓口となり、多様なストレージ製品を取り扱うディストリビュータとしてのネットワールドが、検証環境の提供やデモンストレーションの講師を務め、ピュア・ストレージから製品を調達するという流れだ。
今回導入したピュア・ストレージ製品について、沖氏はプロポーザル以前から自身でもネットなどを通じてどんな特徴や機能を持っている製品なのかを調べていたという。
「1000台を超えるVDI環境の共有ストレージとして利用するものなので、基本的な要件として、高いパフォーマンスを維持できることや高可用性、安定性に優れていること、データ圧縮や重複排除の機能によって高いデータ削減効果が期待できること、10年間の運用コストを最適化できるサポートメニューが提供されていることなどを満たしている必要がありました。こうした我々の要件を全て把握し、考慮した上で提案してもらったストレージが、ピュア・ストレージ製品だったということです」。
全庁のインフラ再構築プロジェクトは2020年にスタートし、2021年末にカットオーバーを迎えた。2022年1月から1000台以上のVDI環境を含む新たなインフラが稼働を始めている。
今回VDI環境の共有ストレージとして採用されたピュア・ストレージ製品は、オールフラッシュ・ストレージの「FlashArray//X20R3」2台で、稼働開始から現時点で約6か月が経過しているが、沖氏は今のところ、何の問題も発生していないと話す。
「チューニングしなければならないところはまだ少しありますが、ストレージがボトルネックになってI/Oスピードが遅くなっているという状況は皆無です。またFlashArrayは非常に高いデータ削減効果が得られる製品とのことで、データ圧縮・重複排除の機能により、当初の想定を大きく超えるデータ削減効果を提供してくれるものでした」。
FlashArrayの利用を始めるに当たり、我孫子市では約7倍のデータ削減効果を見込んでいたが、稼働開始後に実測したところ、実に15倍ものデータ削減効果を獲得できていることが分かったという。
「データの集約率が高いということは、新しいストレージを追加しなくても数多くのサーバーを立てられるということでもあります。稼働状況についても、ピュア・ストレージのクラウドベースの管理ツール(Pure1)を利用して監視してもらっているので、現状でストレージ環境についての心配要素は1つもありません」。
また今回、ピュア・ストレージが提供する保守サポートのサブスクリプション・プログラム「EvergreenStorage」を採用したことで、我孫子市は10年間にわたる包括業務委託契約の中でもストレージのリプレイスコストや手間を気にする必要が一切無くなった。EvergreenStorageは、後継モデルへの継続的なアップグレードを提供することで10年以上の長期利用を可能にするものだ。
さらにもう1点、沖氏が高く評価しているのが、ピュア・ストレージ独自のPurityActiveCluster機能によりアクティブ/アクティブのクラスタ構成を実現することで、高い可用性と安定性を担保できることだ。
「2台のFlashArrayでアクティブ/アクティブのクラスタ構成を採ることができれば、万一片方に障害が起きた場合でも、ダウンタイムを発生させることなく稼働を移行することができます。これも他社の提案には無い非常に魅力的な要素の1つでした」。
今後の新たな取り組みとしては、今年度から市の教育委員会でも、インフラなどを包括的に調達できないかという検討が始まるという。
「今回のプロジェクトでは、ネットワールドが大崎コンピュータエンヂニアリングに検証機を提供して提案内容の数値的な裏付けを支援してくれたり、製品出荷時の初期設定を担ったりしてくれたことで、提案通りのクオリティのVDI環境を納品してもらうことができました。2024年に教育委員会主導のプロポーザルを実施する予定ですが、その際には改めて今回お手伝いしてもらった企業チームにも必ず声を掛けさせてもらいたいと思います」。
パートナー概要
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株式会社大崎コンピュータエンヂニアリング
本 社:東京都品川区大崎1丁目11番2号
URL:https://www.oce.co.jp/
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