導入事例 福岡ひびき信用金庫
Pure Storage FlashArray //X10を導入しOracle DB用ストレージ基盤を構築
大幅な性能向上とリソース有効活用に成功
- Pure Storage
2021.03.02
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導入前までの経緯
- 仮想化基盤とOracle DBで同じストレージを利用しており、性能面で不安がある
- 限られた社内の人的リソースをDXに向けた高付加価 値業務にシフトしたい
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導入後期待される効果
- 夜間バッチの処理時間を従来の半分に短縮するなど 大幅な性能向上を実現
- Evergreen Storage/Pure1の活用で更新作業や 運用管理に伴う負担を軽減
プロジェクトメンバー
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福岡ひびき信用金庫
システム部
部長
吉田 篤史 氏
北九州市に本店を置く福岡ひびき信用金庫は、福岡県一円と山口県下関市、大分県中津市を事業エリアとする信用金庫である。「地域社会の繁栄ある未来を希い、地域とともに歩みます」「健全経営と独自性発揮でお客様の要請に応えます」「知性を磨き、創意と工夫をもって活力ある信用金庫を築きます」の3つの経営理念の下、地域密着の充実した金融サービスを展開。1924 年の創業以来、約一世紀にわたって地域の経済や暮らしを支え続けてきた。
加えて同金庫では、先進ITの利活用にも意欲的に取り組んでいる。「各種の業務システムについてはVMware vSphereによる仮想化基盤への統合を行っているほか、社内クライアントのVDI(仮想デスクトップ)化なども実施しています」と語るのは、福岡ひびき信用金庫 システム部部長 吉田 篤史氏。ここで見逃せないのが、ITインフラの構築・運用を自社で内製化している点だ。ニーズに合った環境を自ら創り上げることで、I T 投資の最適化や業務生産性向上に役立てているのである。
自社のビジネスに有用と判断すれば、最新テクノロジーの導入にも果敢に挑戦。また、その一方で、インフラの継続的な改善にも取り組んでいる。そうした取り組みの一環として今回実施されたのが、新たなストレージ基盤の導入である。
今回の導入対象となったストレージ基盤は、社内の情報系システムで利用されるOracle DB向けの環境だ。吉田氏は取り組みの背景を「大小含めると約150の情報系システムがこのOracle DBを利用しています。夜間バッチ処理などもありますので、ストレージに掛かる負荷もそれなりに重い。従来はOracleDBと仮想化基盤で同じストレージを使っていましたが、仮想化基盤側にもI/O 要求の厳しいVDIなどが載っています。性能劣化などの問題が起きてからでは遅いので、Oracle DBについては別のストレージに分けた方がいいだろうと考えたのです」と説明する。
新たなストレージ製品の選定にあたっては、金融機関の業務に欠かせない高い信頼性・可用性を備えていること、大量のデータを高速に処理できるパフォーマンスなどが要件として掲げられた。さらに、もう一つ重要なポイントが、環境構築や導入後の運用管理が容易に行える製品であるということだ。
「ストレージに限った話ではありませんが、内製化を行っている関係上、あまり操作が複雑な製品は好ましくありません。自社の要員だけでも簡単に扱えるものを選びたいと考えました」と吉田氏は語る。
こうした要求に応えられる製品として採用されたのが、ネットワールドが提供するPure Storage 社製オールフラッシュ・ストレージ「Pure Storage FlashArray//X 10R2」(以下、FlashArray)であった。
「何か良いストレージ製品はないかと探していた時に、FlashArrayの紹介を受けたのがきっかけです。高性能なオールフラッシュ・ストレージであることに加えて、管理画面もシンプルで分かりやすい。これなら十分、自前で構築・運用が行えると判断し、導入を決めました」と吉田氏は振り返る。 FlashArrayによる新ストレージ基盤は2020年3月より本稼働を開始しているが、実際の導入・構築作業も、非常にスムーズだったとのこと。「細かな設定やチューニングなどを行う必要がありませんので、わずか1日でセットアップは完了。これまでに導入した他のストレージ製品と比較しても、非常に導入は容易でしたね」と吉田氏は続ける。
また、もう一つのポイントとなったのが、Pure Storage独自のサポートプログラム「Evergreen Storage」である。これを利用すれば、3年ごとに新しいコントローラが無償で提供されるほか、ネットワールド保守に加入すればアップグレード作業も無償で実施できる。「Oracle DBは物理環境で構築していますので、従来型のストレージ製品だと更新時にいろいろな作業が発生します。その点、FlashArrayであれば、面倒なメンテナンス作業に煩わされたり、時間と手間を掛けてリプレース作業を行ったりすることもなくなります」と吉田氏は語る。
アプリケーションレベルでの保護が可能なスナップショット機能を備えていることも、大きなアドバンテージだったとのこと。吉田氏は「当金庫ではインフラの構築・運用だけでなく、各種の業務システム開発も社内で行っています。開発業務では手戻りが発生するケースもありますが、こうした際に簡単に元に戻せるのは大変便利ですね」と語る。
FlashArrayを導入したことで、懸案であったパフォーマンスについても、大きな改善効果が生まれている。「たとえば、以前は約4時間程度掛かっていたバッチ処理が、現在では約2時間と半分に短縮されています。サーバーなども同時に入れ替えていますので、その効果もあるとは思いますが、今後システムの負荷がさらに高まったとしても余裕を持って対応できます」と吉田氏は語る。圧縮・重複排除機能の効果も大きく、約8 . 8倍の圧縮・重複排除率を達成。これだけリソースを有効に活用できれば、容量不足に悩まされるような心配もない。
さらに、クラウドベースの運用監視プラットフォーム「Pure1」も、効率的な運用管理の実現に大きく貢献。「導入以来ずっと安定稼働してくれているおかげで、それほど頻繁にFlash Arrayの状況を確認することはありませんが、性能や容量の情報を見たい際などに簡単にチェックできる仕組みがあるのは良いですね。トレーニングを受けないと扱えないようなストレージ製品も多いですが、FlashArrayなら誰にでも使えます。運用管理の属人化を排せるのは、内製化を進めていく上でも大きなメリットです」と吉田氏は語る。
ちなみに、Pure1には、VMware環境の性能情報などもまとめて管理できる「VM Analytics」機能も備わっている。仮想化基盤用のストレージとして利用する際には、こうした機能も大いに役立ってくれることだろう。
「我々情シス部門には、今後のDXを下支えする使命も課せられています。それだけに、限られた社内の人的リソースをできるだけインフラのお守りから解放し、より付加価値の高い業務へとシフトさせていきたい。そうした面でも、FlashArrayの導入効果は大きい」と語る吉田氏。今後は他の業務システムでの活用も、前向きに検討していきたいとのことだ。
パートナー概要
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本 社:福岡県福岡市中央区天神1-12-20
U R L:https://www.qtnet.co.jp/