導入事例 株式会社HBA
仮想デスクトップサービス「Hi-DaaS」のサービス基盤をHPE SimpliVityで刷新
HPE GreenLakeによる最適なIT投資を実現
- Hewlett Packard Enterprise
2021.02.16
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株式会社HBA
本社 :札幌市中央区北4条西7丁目1- 8
事業内容:システムインテグレーション、アウトソーシング、ソフトウェア開発など
総合的なITソリューションの提供
URL :https://www.hba.co.jp/
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導入前までの経緯
- VDI サービス「Hi- DaaS」のチューニングや運用管理に多くの工数が掛かる
- サービス基盤の増設や拡張に伴って余分なIT投資が発生してしまう
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導入後期待される効果
- HPE SimpliVityを新たに導入し、高性能かつシンプルなインフラ環境を実現
- HPE GreenLakeによる従量課金で、無駄のない最適なIT投資を実現
プロジェクトメンバー
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株式会社HBA
情報システム本部
営業推進部
部長
渋谷 功 氏 -
株式会社HBA
情報システム本部
企業システム
ソリューション部
エネルギー
ソリューション課
課長
柄多 聖司 氏 -
株式会社HBA
情報システム本部
SIソリューション部
課長代理
千葉 康弘 氏
札幌市に本社を置くHBAは、システムインテグレーション、アウトソーシング、ソフトウェア開発の3領域で事業を展開する先進IT企業である。同社 情報システム本部 営業推進部 部長 渋谷 功氏は「各種業務システムの構築から運用・保守、さらにはデータ入力や帳票の印刷・加工・配送に至るまで、多種多様なニーズにきめ細かくお応えできる総合力が当社の強み。民間企業や自治体など、数多くのお客様の事業活動をご支援しています」と語る。
そのビジネスの中枢を担うのが、自社データセンター「HBA-iDC」である。充実した設備を有する同データセンターは、北海道胆振東部地震で広域停電が発生した際にも稼働を継続。渋谷氏は「お客様の大事なデータをお守りすることが我々の使命です。当社がご提供するクラウドサービスも、この安全な施設で運用しています」と続ける。
その一つが、VDI(仮想デスクトップ)サービス「Hi-DaaS(ハイダース)」だ。同サービスは2013年のリリース以来、顧客のセキュリティ対策や働き方改革に大きく貢献してきた。さらに今回、同社では、Hi-DaaSのサービス基盤刷新に着手。情報システム本部 企業システムソリューション部 エネルギーソリューション課課長 柄多 聖司氏は、「最近ではVDIの適用領域も大きく拡がっており、通常のPCと同じように使いたいというご要望が増えています。しかし、旧環境では、そのためのチューニングなどに多くの工数が掛かっていたため、サービス基盤の性能や安定性をより高めたいと考えたのです」と説明する。
元々旧サービス基盤は、いわゆる3Tier構成で構築されていた。このため、運用管理や障害原因の切り分けなどに苦労する場面も多かったという。そこで同社では、先進的なインフラ環境をシンプルに実現できるハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下、HCI)製品の導入を決断。その結果採用されたのが、日本ヒューレット・パッカード(以下、HPE)の「HPE SimpliVity380 Gen10」(以下、SimpliVity)だ。
SimpliVityは、高い処理能力や耐障害性を備えていることに加え、高効率な圧縮・重複排除機能や高速バックアップなどの多彩な機能を備えている。さらに、今回の大きな決め手となったのが、HPE独自のコンサンプションソリューション「HPE GreenLakeフレックスキャパシティ」(以下、GreenLake)である。
「GreenLakeを利用すれば、オンプレミスで導入した機器をクラウドと同じように従量課金で使うことができます。これはHi-DaaSのようなサービスに非常にマッチした仕組みだと感じましたね。たとえば、サービス基盤を構築する際には、採算性などを考慮して最初はスモールスタートで始めるケースが多い。しかし、その後需要が拡大した場合には、ディスクなどのリソースを別途追加で調達します。すると、最初に調達した機器とリースのタイミングがずれてしまい、最終的にムダなコストが残ってしまう。その点、従量課金のGreenLakeなら、こうしたことが起きる心配はありません」と渋谷氏は語る。
インフラ構築面での工夫としては、SimpliVityの特長であるHCIコンピュートノードを活用している点が挙げられる。通常のHCI製品では、増設の際にHCIノード本体を追加する必要があるが、ディスク容量に余裕がある場合などは余剰な投資になりがちだ。その点、SimpliVityは、安価なIAサーバーをコンピューティング専用のノードとして組み合わせることで、コストを抑えつつ処理能力だけを高められる。同社でもこの利点を活かし、「HPE SimpliVity 380Gen 10」×5ノード+「HPE ProLiant DL360」×5ノードの構成で今回のサービス基盤を構築している。
「ディスクもSSD構成になりましたので、レスポンスも以前より格段に向上しました。面倒な手間を掛けなくとも性能が確保できるというのは、サービスを提供する立場としても大変助かります」と柄多氏は語る。これにより、動画やWeb会議などの重たいアプリケーションも、快適に動作することと期待されている。
また、運用管理の効率化にも大きく寄与。情報システム本部 SIソリューション部 課長代理千葉 康弘氏は「旧環境ではバックアップにも長い時間が掛かっており、朝方まで処理が終わらないケースもありました。その点、SimpliVityのバックアップ機能は非常に高速ですので、今後はこうした課題も解消できるものと期待しています」と語る。
SimpliVityはインフラ全体をVMware vCenterだけで統合管理できる上に、クラウドベースの運用監視プラットフォーム「HPE InfoSight」も用意されている。もし故障の予兆などが検知された場合は速やかに通報が行われるため、迅速な対応を取ることが可能だ。「以前はこちらから見に行かないとサーバーやストレージの状況を把握できませんでしたので、インフラの安定稼働を容易に維持できるようになったことは大きなメリットです」と千葉氏は続ける。
ちなみにHi-DaaSでは、多様なアプリケーションに対応するためにフルクローン方式を採用しているが、SimpliVityの圧縮・重複排除機能を活かすことで、十分な領域を確保できているとのことだ。
さらに、もう一つ見逃せないのが、今後のサービスの成長にもタイムリーに対応できるようになった点だ。「GreenLakeでは、あらかじめ余裕を持ったスペックで環境を構築しておき、必要になった時点でリソースを利用することができます。お客様のご要望に素早く対応する上で、こうした使い方ができることは非常にありがたい。通常のリースと違って、GreenLakeは保守サービスも含まれていますから、TCO削減にも役立ちます」と渋谷氏は語る。
今回の取り組みを支援したネットワールドへの評価も高い。渋谷氏は「当社がGreenLakeの採用を決めた時点では、まだまだ契約の詳細などが詰まっていませんでした。しかし、ネットワールドが前面に立ってメーカーと折衝してくれたおかげで、安心して導入できました」と満足げに語る。
コロナ禍への対応も大きな課題となる中、Hi-DaaSへの引き合いもますます増えることが予想される。SimpliVityとGreenLakeが活用される場面も、さらに拡がっていくことになりそうだ。