ジグザ株式会社

ジグザ株式会社
本 社:東京都千代田区飯田橋3 -7-12
事業内容:AI・IoTなどのITテクノロジーを活用した新規事業開発、業務改革の実現。IT技術を事業に活用するためのコンサルティングなど
U R L:https://www.ziggxa.jpn.com/

導入前までの経緯

  • 手術時に使用するガーゼなどの異物を確実に発見できるようにすること
  • 画像解析やディープラーニング処理を高速に行える環境を構築すること

導入後期待される効果

  • AI技術を用いた体腔内異物検知アプリケーションの研究に成功
  • IBM PowerSystem AC922を活用した、高性能・高信頼データ処理基盤を実現

プロジェクトメンバー

ジグザ株式会社 櫛田 氏

ジグザ株式会社
代表取締役

櫛田 和洋 氏

高度なAI技術をフル活用し医用画像の異物検知に挑む

製造業、流通業や金融業など、あらゆる産業分野で活用が進むAI技術。
業務効率化や新たなビジネス創出を可能にするキーテクノロジーとして、多くの企業から高い関心を集めている。その中でも、特に有望視されている活用領域の一つが医療である。
たとえば、患者の診断や治療を行う際には、レントゲンやCT/MRIなど様々な画像診断装置が用いられる。従来は、放射線医師などの専門家が、こうした医用画像の読影を行うのが一般的であった。しかし、大量の画像をチェックするとなると、医師にも大きな負担が掛かる上に、見落としなどのリスクも懸念される。その点、AI技術を利用すれば、医師の負担を減らしつつ、高精度で効率の良い診断が行えるようになる。
こうしたメリットに着目し、長崎県の中核医療機関である長崎大学病院と共同で、AIによる医用画像解析の研究に踏み切ったのがジグザである。RPAやAIのエキスパート企業である同社では、持ち前の技術力と豊富な知見を活かして多彩なソリューションを提供。中でもAI分野においては、画像解析や文章解析を強みとしており、EC企業や証券会社など、様々な企業で同社の技術が役立てられている。
同社 代表取締役櫛田 和洋氏は、取り組みの概要を「画像解析技術やディープラーニング技術を用いて、レントゲン画像内の異物検知が行えるかどうかを確認するのが今回の研究の目的。結論から述べれば、非常に大きな成果が得られました」と語る。

IBM PowerSystem AC922を解析処理のインフラに採用

今回のような研究が行われる背景として、患者の安心・安全をいかに確保するかという点がある。
たとえば手術の際には、止血用ガーゼなどの異物を患者の体内にいれるケースがある。もちろん、手術後にはすべて取り出すが、もし異物が残ったまま退院してしまうようなことがあると、医療事故にもつながりかねない。
「こうした点については、長崎大学病院様でも細心の注意を払っており、ミスを防ぐための様々な工夫を行っています。今回のレントゲン画像もその一つで、手術後に医師が必ずチェックして異物を確認するようにしています。しかし、十数時間にも及ぶような手術となると相当な疲労もありますし、血管とガーゼが見極めにくくなっている場合なども考えられます。リスクが100%ゼロであるとは言い切れない以上、万全の上にも万全を期すための方法として、画像解析やディープラーニングに目を付けたわけです」と櫛田氏は説明する。
具体的な研究の内容としては、まず教師データとなる1500枚の学習用サンプル画像を用意。さらに、画像解析では画像のサイズや明度、白黒反転、エッジ検出、またディープラーニングではバッチサイズや学習階層などのパラメータを適宜変更しながら、最も高い認識精度が得られる組み合わせを探っていった。「中には、異物かそうでないのか判別しにくいものも出てきますが、こうした場合には安全が最優先ですので、異物と判定するようにしています」と櫛田氏は続ける。
加えて、今回の研究では、こうした解析処理を走らせるためのインフラも大きな課題となった。高精度な解析を短時間で行うためには、インフラ側にも極めて高いパフォーマンスが求められる。そこで、今回利用されたのが、ネットワールドが提供するエンタープライズAI向けサーバー「IBM PowerSys-tem AC922」(以下、PowerSystem AC922)である。

ジグザ株式会社 IBM PowerSystem導入事例

卓越した高性能が威力を発揮 ネットワールドの支援も貢献

画像解析やディープラーニング向けの環境を、一般的なx86サーバーなどで構築することももちろん可能である。
しかし、大量データの高速処理を行うとなると、問題となる点も少なくない。たとえば、ディープラーニングでは計算にGPUを用いるケースも多いが、この際のCPU-GPU間のデータ転送帯域が大きなボトルネックとなる。その点、PowerSystem AC922は、CPU-GPU間を150GB/sの広帯域を誇るNVLink2.0で接続するため、x86サーバー比で最大5.6倍の高速データ転送を行うことが可能だ。
「もう一つのポイントとなるのが、メモリ容量の問題です。特に今回のような高精細画像の解析を行う場合は、メモリ不足によって処理が追いつかなくなることもあります」と櫛田氏。PowerSystem AC922は、Watson Machine Learning Community EditionのLarge Model Supportなどの機能を用いて、システムメモリとGPUメモリを効率的に連動させることができるため、こうした問題を回避することもできる。加えて、プロセッサーについても、従来製品の約2倍の処理能力を誇る最新のPOWER9プロセッサーを搭載。「Dockerコンテナ環境との親和性も高く、様々なアプリケーション実行環境を柔軟に構築できる点も大きなメリットですね」と櫛田氏は語る。これらのアドバンテージが高く評価され、今回の研究への採用に至ったわけだ。
なお、実際の研究設備については、ネットワールドの検証施設「PIC」(Pre Integration Center)内に設置された「AIセンター」のPowerSystem AC922を利用している。「研究のためだけに機器を購入するのはなかなか難しいので、AIセンターの設備を利用できたのは大変ありがたかった。VPN接続も行えますので、今回のような機密性の高いデータも安心して取り扱えます」と櫛田氏。ちなみに、このAIセンターのPowerSystem AC922、ネットワールドのパートナー企業であれば各種の支援も含めて無償で利用することが可能だ。

体内異物の高精度検出に成功  今後の医療の発展にも大きく寄与

冒頭にも触れた通り、今回の研究は大きな成果を生むことに成功。櫛田氏は「十分に異物を判別できるとの手応えが得られており、今後教師データを追加すればさらに精度を上げることも可能と思われます。研究に参加頂いた先生方からも、今後、研究を重ねていけば実務でも使える可能性があるとのご評価を頂いています」と力強く語る。
PowerSystem AC922の性能も、期待通りだったとのこと。「ハイスペックPCとの比較も行いましたが、PowerSystem ACC922の方が約20~40倍も高速でした。短時間で処理が終えられれば、画像をどれくらいのサイズに分割するか、パラメータの組み合わせをどうするかといった試行錯誤を何度も繰り返せます。AI活用ではこの手の作業がつきものですので、非常に強力な武器になりますね」と櫛田氏は続ける。今回の研究は、より安心・安全な医療の実現に向けても、大きな意義を持つものと言えそうだ。

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