導入事例 日揮ホールディングス株式会社
エンジニアリングVDIを支えるストレージ基盤にPure Storage FlashArray//X50を採用
大規模化する設計業務への対応を実現
- Pure Storage
2020.02.18
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導入前までの経緯
- プラント設計業務に用いられるVDI用ストレージの性 能改善が求められていた
- 社内で稼働するストレージ群の統合・集約化を推進し ていきたい
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導入後期待される効果
- アプリケーションのレスポンスやVDIイメージの展開 作業を大幅に短縮
- ストレージ容量を最大約1/18に削減し、リソースを有 効活用することが可能に
プロジェクトメンバー
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日揮グローバル
株式会社
オイル&ガス
プロジェクトカンパニー
プロジェクトマネジメント本部
ITマネジメント部
部長代行
井上 胤康 氏 -
日揮グローバル
株式会社
オイル&ガス
プロジェクトカンパニー
プロジェクトマネジメント本部
ITマネジメント部
エンジニアリング
インテグレーションチーム
シニアエンジニア
杉 修 氏 -
日揮ホールディングス
株式会社
デジタル統括部
アドミニストレーター
島村 光 氏 -
富士通エンジニアリングテクノロジーズ
株式会社
J-SYS事業本部
ICTインテグレーション部
第1チーム
テクニカルスペシャリスト
李 崇安 氏
1928年の創業以来、90年以上にわたり日本のエネルギー産業を支え続けてきた日揮グループ。 2019年10月には、日揮ホールディングス、日揮グローバル、日揮の3社からなる持株会社体制に移行し、さらなる成長を目指す取り組みを展開中だ。
「我々が所属する日揮グローバルでは、主に海外における各種プラント/施設のEPC(設計・調達・建設)事業を手がけています。
一つのプロジェクトにも100社以上のサプライヤーなどが関わるため、高度なプロジェクトマネジメント力が欠かせません。
また、近年ではプラントの大規模化も進んでい ますので、設計業務の効 率化にも力を入れています」と語るのは、日揮グローバルオイル&ガスプロジェクトカンパニープロジェクトマネジメント本部 I Tマネジメント部 部長代行 井上 胤康氏。
その一環として、2013年から進めているのが、エンジニアリングVDI(以下、eVDI)の活用だ。同エンジニアリングインテグレーションチーム 主務 杉 修氏 は「以前は個々のエンジニアに対し設計用ワークステーションを提供していたため、端末の管理や セットアップ作業に多くの工数を要していました。
しかし、eVDI導入後はこうした問題も解消し、効率的に業務が行えるようになっています」と語る。
しかし、プラントの大規模化やビジネスのグローバル化が進む中で、eVDIを支える基盤にもより高い能力が求められるようになった。そこで、今回同社では、インフラの環境改善に着手した。
今回の取り組みにおけるポイントの一つが、 eVDIを支えるストレージの強化である。「当社の設計業務の特徴として、それぞれのプロジェクトや部門ごとに使用するCADソフトやそのバージョ ンが異なる点が挙げられます。世界各国の設計拠点に迅速に環境を提供するためには、プロジェクト×部門×ソフトをいろいろな形で組み合わせたプールをeVDI上に準備しなくてはなりません。 レスポンスや計算処理の速さも必須ですので、高性能・大容量なストレージが必須なのです」と杉氏は語る。
従来の環境では、ストレージに起因する様々な課題も目に付くようになっていたとのこと。日揮 ホールディングス デジタル統括部 アドミニスト レーター 島村 光氏は 「HDDベースのストレージ を利用していたこともあり、VDIイメージの展開作業などにもそれなりの時間を要していました。また、アクセスが集中する朝の時間帯には、ブートストームも生じていました」と振り返る。
このような点をクリアする製品として新たに採用されたのが、ネットワールドが提供するPure Storage社製オールフラッシュ・ストレージ「Pure Storage FlashArray//X50」である。「他社製品との比較も行いましたが、性能や保守サービスなど多くの点でFlashArrayにアドバンテージがありました。実際に業務で使われているユーザー企業の満足度も高いので、これなら間違いないだろうと感じましたね」と島村氏は語る。また、杉氏も 「予算や用途に応じていくつかの導入パターンを用意するなど、ネットワールドのきめ細やかで迅速な提案も高く評価しました」と続ける。
実際の導入作業も、非常にスムーズに進んだとのこと。島村氏は「FlashArrayには、クラウドベー スの専用管理プラットフォーム『Pure1』が用意されており、各種の運用管理作業を効率的に行えます。画面もシンプルで分かりやすく、操作に迷うよ うなこともありません。これまで利用してきた様々なストレージ製品と比較しても、かなり短期間で導 入が行えた印象です」と語る。
その結果、FlashArrayによる新eVDI用ストレージ基盤は、2019年6月より無事本番稼働を開始。これにより、同社の業務にも数多くのメリットが生まれている。同社のITパートナーである富士通エンジニアリングテクノロジーズの李 崇安氏 は「まず一点目は、パフォーマンスの大幅な向上です。旧ストレージのレイテンシは平均約10 ~ 20msec程度でしたが、FlashArrayでは1msec以内に収まっています」と語る。
約10~20倍も性能がアップしたことで、課題と なっていたイメージ展開作業やブートストームの問題も解消。アプリケーションの動作速度も改善され、より快適に設計が行えるようになった。 FlashArrayのスナップショット機能も非常に高速で、クライアント約500台分のスナップショットをほぼ一瞬で完了。もちろん、リストアについても同様のスピードで行えるため、格段に安心感が高まったという。
「何か問題がある場合には、Pure1経由でアラー トの通知や助言を行ってもらえますので、普段は 本業に集中していられるのもありがたい。また、スマートフォンやタブレットから情報を確認できるのも便利ですね。以前は会社まで来ないと状況が分 かりませんでしたが、現在では移動中や外出先から手軽にチェックできます」と島村氏は語る。
加えて、もう一つ見逃せないのが、圧縮・重複 排除機能の効果である。現在ではストレージ容 量を最大約1/18に削減することに成功。李氏は 「リソースにもまだまだ余裕がありますので、社内で稼働する様々なストレージを統合するための 基盤としても、FlashArrayを活用していきたい」 と語る。
さらに、Pure Storage独自のサポートプログラム「Evergreen Storage」にも高い評価が寄せら れている。「設計業務の中核を担うストレージですから、これをリプレースする際には相当気を遣います。その点、Evergreen StorageのFree Every Threeを利用すれば、新しいコントローラーを定期的にもらうことができます。ネットワールド保守に加入すればアップグレード作業も含めて無償で行ってもらえます。面倒な手間を掛けることなく常に最新の環境を維持できるのは、非常に大きなメリットですね」と杉氏は語る。
ちなみにFlashArrayの導入後、同社では大型LNGプラント建設案件を受注。eVDIに掛かる負荷もより重くなることが予想されるが、ネットワールドの複数の提案の中から拡張性のある構成を選んだため、問題なく対応できる見込みとのことだ。
「LNGプラントなどは倍々のペースで大規模化している上に、一度プロジェクトが立ち上がったら速やかに設計環境を提供することが求められま す。こうしたスピード感に応えていく上でも、引き続き環境改善を推進していきたい」と展望を語る井上氏。その取り組みを、Pure Storageとネットワールドもしっかりと支えていく。
パートナー概要
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富士通エンジニアリング テクノロジーズ株式会社
本 社:神奈川県横浜市西区 みなとみらい3-6-3
U R L:https://www.fujitsu.com/ jp/fetec/