導入事例 ハーゲンダッツ ジャパン株式会社
VDIの環境改善を契機にHPE SimpliVityを導入
インフラの課題をトータルに解消すると同時に運用管理の効率化やBCP強化も実現
- Hewlett Packard Enterprise
2020.12.14
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ハーゲンダッツ ジャパン株式会社
本 社 :東京都目黒区上目黒2-1-1
事業内容:アイスクリーム等乳製品、氷菓及び菓子その他食料品の製造・販売
U R L :https://www.haagen-dazs.co.jp
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導入前までの経緯
- VDI用に導入したNAS製品の安定性が低くトラブルに悩まされていた
- バックアップに長い時間を要しており、災害対策面でも改善の余地があった
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導入後期待される効果
- HPE SimpliVityを新たに導入しシステムの信頼性・耐障害性を大幅に改善
- 30分毎にバックアップを取得することが可能に。業務復旧作業の自動化も実現
プロジェクトメンバー
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ハーゲンダッツジャパン株式会社
情報システム部
マネージャー
竹下 新一 氏 -
株式会社ネットブレインズ
ITS事業部
ITサービス営業部
主任
川村 賢司 氏
1961年にアメリカ・ニューヨークで誕生して以来、世界50ヵ国以上で愛されているハーゲンダッツ。日本の市場で、多彩なアイスクリームの製造・販売を行っているのがハーゲンダッツジャパンだ。厳選された材料とこだわりの製法で作られる同社のアイスクリームは、日本市場においても圧倒的な支持を獲得している 加えて、先進ITの活用を積極的に行っているのも、同社の大きな特長だ。その一環として、2013年にVDIの全社導入を実施。会議室や出張先の拠点など、いつでも・どこでも仕事ができる環境を実現した。これにより、今回のコロナ禍においても、業務にそれほど大きな影響は生じなかったという。
ただし、VDIの運用を続ける中では、様々な課題にも直面した。中でも大きかったのがパフォーマンス不足だ。プロモーション用の動画データがスムーズに再生できないなどの事態が生じたため、同社では2018年にVDI基盤の刷新を断行。とはいえ、これですべての問題がクリアできたわけではなかったという。同社 情報システム部 マネージャー 竹下 新一氏は「ユーザープロファイル領域やフォルダリダイレクト領域を別のNAS製品に移し替えたのですが、この製品の安定性が低かった上に、いくつか解決すべき課題もあったのです」と明かす。
いくらパフォーマンス不足を解消できても、こうした状況のままでは不安が残る。そこで、新たに白羽の矢が立てられたのが、ネットワールドが提供する日本ヒューレット・パッカード社製ハイパーコンバージド・インフラストラクチャ(以下HCI)製品「HPE SimpliVity380 Gen10」(以下、SimpliVity)であった。
今回、SimpliVityが着目されたのは、ITインフラが抱える様々な課題をトータルに解消できると考えられたからだ。竹下氏は「たとえばその一つが、ファイルサーバーです。旧ファイルサーバーは容量が限界に近付きつつあったことに加え、バックアップにも長い時間が掛かっていました。金曜の深夜零時から週次のフルバックアップを走らせるのですが、遅いときには翌週月曜の昼間まで終わらなかったほどです」と説明する。また同社では、万一の事態に備えてバックアップデータを遠隔地に転送しているが、それを復旧する場合にも長い時間が掛かることが懸念されていた。
「その点、SimpliVityには高速なバックアップ/リストア機能が標準で備わっている上に、災害時の復旧作業を自動化するツール『HPESimpliVityRapidDRソフトウェア』(以下、RapidDR)も用意されています。さらに、社内で稼働する他の業務サーバーもSimpliVityにまとめてしまえば、インフラのシンプル化やコスト削減も図れます」と語るのは、今回のプロジェクトを担当したネットブレインズの川村賢司氏。VDI基盤で既に馴染みのあるVMwarevCenterに運用を統一できる点も、大きなメリットとなると考えたと続ける。
同社でもこの提案を高く評価。竹下氏は「私自身もSimpliVityの機能をチェックしてみましたが、非常に良い製品だと感じましたね。特に目を引いたのが、バックアップ機能を利用してもCPUやメモリなどへの負荷が最小限に抑えられる点です。これなら、社員が日中に作業しているデータもしっかりと保護できます。さらに、インライン圧縮・重複排除機能も備わっていますので、限られたリソースを最大限に活用できます」と語る。実際に評価機を用いた事前検証も行ったが、そこでの手応えも十分だったとのこと。これにより、同社ではSimpliVityの導入を決断した。
SimpliVityによる新仮想化基盤は、2020年4月より本番稼働を開始。システム構築面での工夫としては、東京に2ノード、大阪の災害対策用サイトに1ノードのSimpliVityを設置している点が挙げられる。「大阪側のSimpliVityは、万一の事態に備えるための待機系システムになります。こちらには予備のVDI 環境も用意されていますので、災害などが発生した場合も問題なく業務を継続できます」と竹下氏は説明する。本番環境を2ノード構成とすることで、導入コストも抑えられたとのことだ。
現在は既存業務サーバー群の移行が着々と進められており、2020年秋頃に作業を完了する予定だ。「本社側に個別に残っていたサーバーはほとんど集約されますので、インフラ環境自体もこれまでより相当シンプルになりますね」と竹下氏は語る。
加えて、旧環境で課題となっていたVDIの安定性・信頼性についても、無事改善することに成功。「VDIは日々の業務で必ず利用するものですから、我々情報システム部門としてもできるだけ安定的なサービスを社員に提供したい。その点、Si mpli Vi t yを導入したことで、以前のようなトラブルに悩まされることもなくなりました」と竹下氏は語る。
さらに、容量不足の問題を抱えていたファイルサーバーについても、インライン圧縮・重複排除機能が威力を発揮。バックアップデータの容量を約99. 3%削減するなど、非常に大きな成果が上がっている。「ストレージの容量自体も以前より増えていますので、しばらく心配はありません。もし、今後リソースが不足した場合も、SimpliVityは容易に増設や拡張が行えますので安心です」と竹下氏は語る。
今回導入されたSimpliVityは、データ保護やBCP強化の面でも大きな効果を発揮している。以前は日次でバックアップ/遠隔転送を行っていたため、最短でも前日のデータにしか戻せなかった。「これに対し現在では、ローカルバックアップを30分ごとに取得すると同時に、1時間に1回災害対策サイトへ遠隔転送しています。また、RapidDRを活用することで、災害時の業務復旧時間も従来の約3時間から約30分へと劇的に短縮することができました」と竹下氏は語る。
こうしたSimpliVityの長所を高く評価した同社では、その後サプライチェーン・マネジメント系のシステムへの採用も決定している。
「ハーゲンダッツ ジャパン様の課題解決に貢献できたことは、当社にとっても大きな成果。ネットワールドの手厚い支援にも大いに感謝しています。今後は他のお客様に対しても、積極的にSimpliVityをご提案していきたいですね」と川村氏は語る。
また竹下氏も、今後の抱負を「社員がストレスを感じることなく仕事ができる環境を提供することが、我々に課せられた最大のミッションです。今後も社員に喜ばれる環境を目指して、引き続き環境改善を進めていきたいと考えています」と述べた。
パートナー概要
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株式会社ネットブレインズ
本 社 :東京都中央区明石町6-22
U R L :https://www.netbrains.co.jp/