導入事例 国立大学法人 三重大学
Arcserve® UDP Applianceを導入し、学内仮想化基盤のバックアップを刷新
大幅な時間短縮と運用改善に成功
- Arcserve
2019.05.09
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所 在 地: 三重県津市栗真町屋町1577
設 置: 1949年5月31日
学部・学科: 5学部・6研究科
U R L: https://www.mie-u.ac.jp/
業 種: 教育・文教
事業概要: 三重県における研究教育の中核を担う国立大学。環境問題にも意欲的に取り組んでいる。
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導入前までの経緯
- 従来のバックアップ製品では毎週一回フルバックアップを取る必要があった
- 年々加速するシステム/データ容量増大への対応を図ること
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導入後期待される効果
- 増分バックアップだけで運用を廻せるようになり、処理時間も1/20以下に短縮
- 圧縮・重複排除機能の活用により、データ容量を最大80%削減することに成功
プロジェクトメンバー
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国立大学法人 三重大学
学術情報部
情報・図書館チーム
情報基盤室
係長
一丸 直人 氏 -
国立大学法人 三重大学
学術情報部
情報・図書館チーム
情報基盤室
主任
牧野 和人 氏 -
国立大学法人 三重大学
学術情報部
情報・図書館チーム
情報基盤室
チーム員
村岡 正貴 氏 -
株式会社ニッセイコム
中部支社
中部システム本部
システム第二部 第二課
課長代理
諏訪 隆夫 氏 -
株式会社ニッセイコム
中部支社
中部営業本部
営業第一部 第二課
主任
池尾 俊典 氏
鈴鹿山脈・布引山地と伊勢湾の豊かな自然環境に恵まれた三重大学。「三重の力を世界へ:地域に根ざし、世界に誇れる独自性豊かな教育・研究成果を生み出す~人と自然の調和・共生の中で~」を基本的な目標として掲げる同大学では、次世代のリーダーとなるグローバル人材の育成や、独創的で自由な発想に基づく研究活動を進めている。また「世界に誇れる環境先進大学」の実現を目指し、ISO14001認証取得や3R(Reduce/Reuse/Recycle)活動などの取り組みも展開。環境コミュニケーション大賞を9回受賞するなど、外部機関・団体からも高く評価されている。
その同大学の業務運営をITの側面から下支えしているのが、学術情報部 情報・図書館チーム 情報基盤室だ。係長の一丸 直人氏は「人事・給与・財務会計や教務システムなど、事務方の業務に欠かせない各種基幹システムの安定稼働維持が当部門の第一のミッション。約2000名の教職員が日々利用する重要なインフラですので、信頼性・安定性の確保には細心の注意を払っています」と語る。
そうした取り組みの一環として今回実施されたのが、バックアップシステムの改善だ。同大学では各種の業務サーバーを仮想化基盤上に集約しているが、近年ではシステム/データ容量が年々増大。これに伴って、バックアップ業務にも様々な課題が生じていたという。
同大学のバックアップ業務では、まず本番システムからバックアップ用ストレージへのD2D(Disk to Disk)バックアップを行い、その後さらにテープ装置へのD2T(Disk to Tape)バックアップを行うという2段階の運用を行っている。学術情報部 情報・図書館チーム 情報基盤室 主任牧野 和人氏は、旧環境での課題を「特に問題だったのがD2Dバックアップです。以前利用していたバックアップ製品は増分バックアップ機能を備えていたものの、週に一度は必ずフルバックアップを取る必要がありました。この結果、ネットワーク帯域への負担が非常に重くなる、バックアップ時間も相当延びてしまうなど、いろいろな支障が生じていたのです」と振り返る。
仮想化基盤上で稼働するサーバーの台数は約100台にものぼるため、従来はジョブの組み合わせを工夫するなどして運用していた。しかし、フルバックアップの際には時間的な余裕も無く、スケジューリングに苦労することもしばしばだったという。さらに「旧バックアップ製品は同時に2セッションしか稼働させられなかったため、3つ目のジョブを動かそうとすると、どちらかが終わるまで待つ必要がありました。その結果、予定通りに作業が開始できない、終わらないという悪循環を招いていました」と続ける。
こうした課題を解消すべく導入されたのが、ネットワールドが提供するバックアップ・アプライアンス製品「Arcserve UDP Appliance」(以下UDPA)である。牧野氏は製品選定のポイントを「まず、障害時の原因切り分け作業などが不要のアプライアンス製品であるということが一つ。さらに、UDPAの増分バックアップ機能は、以前のようなフルバックアップ作業が不要で、増分だけで運用が行えます。また、バックアップ対象の台数、容量に関わらずライセンスが利用できることも採用の決め手となりました」と説明する。
導入を担当したニッセイコムの諏訪 隆夫氏も、UDPAを「日本向けのローカライズやサポートがしっかりしている上に、使い勝手も非常に優れています。また、今回は高速化を図るためにネットワークを10Gbpsに強化していますが、光/メタル両方の増設カードが用意されている点も良かったですね。製品のセットアップも容易に行えるため、構築作業もスムーズに進みました」と高く評価する。同大学では2018年12月より、ニッセイコムの構築により第三世代となる新仮想化基盤を稼働させているが、UDPAもこれに先立ち2018年10月より本番稼働を開始している。
「各種の操作がすべてGUIベースで行えますので、高度な専門知識を持たない担当者でも運用できます。ジョブにエラーが発生した場合なども一目で全体像が確認できますから、大変扱いやすい製品という印象ですね」と語るのは、学術情報部 情報・図書館チーム 情報基盤室 チーム員 村岡 正貴氏。現在は4人の担当者が交代で運用を行っているが、快適に業務ができていると続ける。
ちなみに、旧バックアップ製品もアプライアンス型の製品だったが、予想外の挙動を示したり、バージョンアップでトラブルが生じたりと、運用に苦労する場面も多かったという。しかし、UDPAを導入してからは、こうした問題も無く安定的に運用できているとのことだ。
UDPAの導入効果は、定量的な数値としても示されている。従来は2時間程度掛かっていたD2Dバックアップが5分程度で完了するなど、処理時間を1/2 0以下に短縮。以前のようにジョブのスケジューリングに悩む必要もなくなり、運用にもかなり余裕を持てるようになった。さらにもう一つ見逃せないのが、圧縮・重複排除機能によるデータ削減効果だ。同一のOSイメージが大量に存在する大規模仮想化基盤ということもあり、最大約80%もの容量削減に成功している。「本番業務に影響を与えることなく、粛々とデータ保護を行うのがバックアップに課せられた使命ですから、これほどの改善を果たせたことは大きな成果ですね」と一丸氏は語る。
また、ニッセイコムの池尾 俊典氏も「今回の取り組みでは、ネットワールドの支援も大いに役立ちました。技術的なサポートはもちろん、メーカーとは異なる視点で様々な情報を提供してくれるのがネットワールドの良さ。他のお客様へのバックアップ提案にも今回の経験を活かしていきたいと考えていますので、引き続き同様の支援をお願いしたい」と語る。
バックアップにまつわる課題を無事解消した同大学だが、今後も引き続きITインフラの環境改善に取り組んでいく考えだ。一丸氏は「近年では業務のIT化もどんどん加速していますので、我々情報基盤室にも新たな分野へのチャレンジが求められます。そうした取り組みを推進すると同時に、大学の円滑な業務運営を支える基盤として、UDPAの活用も進めていきたい」と展望を述べた。
パートナー概要
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株式会社ニッセイコム
本 社:東京都品川区大井1-47-1
中部支社:愛知県名古屋市中区錦2-5-12
設 立:1974年2月
資本金:3億円
U R L:https://www.nisseicom.co.jp/