導入事例 株式会社きくや美粧堂
Pure Storageを新たに導入しOracle DB基盤の性能改善に成功
インフラの長期安定稼働にも寄与
- Pure Storage
2018.01.18
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創 業: 1948年1月
資本金: 4300万円
U R L: http://www.kikuya-bisyodo.co.jp/
業 種: 卸売業
事業概要: 理美容室向け毛髪化粧品、美容機器などの専門商社。サロン様向けエデュケーションセミナーやヘアショー、カットコンテスト、イベントも手がける
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導入前までの経緯
- ビジネスの中核を担うOracle DB基盤用ストレージの性能問題を解消すること
- 将来にわたって安心して活用できる高性能・高信頼なITインフラを実現すること
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導入後期待される効果
- 月次更新処理の時間を従来の約1/4に短縮。システムのレスポンスも大幅に向上
- 充実したサポートと高度な運用管理機能によりストレージの長期安定稼働が可能に
プロジェクトメンバー
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株式会社きくや美粧堂
執行役員
業務推進部 部長
兼 経営戦略室 --室長
畠山 勇樹 氏 -
東芝ソリューション
販売株式会社
ビジネス
ソリューション事業部
パッケージソリューション営業第2部
伊藤 貴裕 氏
東京都・渋谷区に本社を置く きくや美粧堂は、理美容室向け毛髪化粧品や各種美容機 器などを取り扱う総合美容ディーラーである。 同社執行役員 業務推進部 部長 兼 経営戦略室 室長 畠山 勇樹氏は「当社では美容商材の販売に加えて、カットコンテストやヘアショウなどのイベントも全国で開催。また、各種のセミナーやコンサルティングも実施し、理美容室様の経営をトータルにご支援しています」と説明する。
さらに、同社のビジネスの大きな特長となっているのが、社内業務や顧客向けサービスにITをフル活用している点だ。畠山氏は「商品の受発注や予約管理システム、CRMなどのサービスを無償で各理美容室様にご提供しているほか、カットの予約や商品購入などが手軽に行えるスマホアプリなども開発しています。また、物流倉庫でも最先端の仕組みを導入し、業務の効率化とスピードアップを図っています」と続ける。
美容ディーラー業界でも、これほど徹底的なIT化を進めている企業は他に類を見ない。その取り組みは着実に実を結び、過去10年にわたって業績を伸ばし続けているという。
しかし、その一方で、解決すべき課題もあったとのこと。畠山氏は「事業の成長に伴って、基幹DB用ストレージへの負荷が増大。これにより、月次更新処理の時間が伸びるなど、様々な問題が生じていました」と振り返る。そこで今回同社では、DB基盤を支えるストレージの 性能改善に取り組むこととなった。
Oracleで構築された今回のDB基盤は、同社 のビジネスを支える非常に重要な役割を担っている。「受発注や出荷/在庫管理、請求/支払など、社内の基幹業務は全てこのOracleDB基盤で処理されていますし、先に触れたスマホアプリなどの新サービスもどんどん増えて います。また、今後はビッグデータの利活用と いった取り組みも視野に入れていますので、DB基盤用ストレージの高速化が急務でした」 と畠山氏は語る。
こうしたニーズに応えられる製品として、新たに採用されたのが、ネットワールドが提案するオールフラッシュストレージ「Pure Storage FlashArray//M10」である。同社のITパートナーである東芝ソリューション販売の伊藤 貴裕 氏は「当初はハイブリッドストレージによるご提案を検討したのですが、事前検証を行った結果、お客様の性能要求を満たせないことが判明しました。そこで、インフラ製品に強いネットワールドに相談したところ、優れた製品があると紹介を受けたのがPure Storageです。早速こちらも検証してみましたが、オールフラッシュストレージだけにパフォーマンスは十分。 また、高額なハイエンド製品と違ってコストパフォーマンスも高く、導入・運用費用を抑えつつ 高性能・高信頼なストレージ環境を実現できます。これならお客様の課題を解決できると考 え、ご提案に踏み切りました」と経緯を語る。
以前からオールフラッシュ・ストレージへの関心を深めていた畠山氏にとっても、Pure Storage の機能や性能は高く評価できるものであった。 「システムによっては大量のトランザクションが発生しますので、リードもライトも高速というのは大きな魅力でしたね。また、筐体内のパーツがモジュール単位で管理されており、個別に交換・拡張できるアーキテクチャにも先進性を感じました。当社では更なるサービス展開なども見据えているだけに、業務に影響を与えること なく無停止で保守作業や増設が行えることは非常に重要です」と畠山氏は語る。
こうして刷新された新ストレージ環境は、2017年5月より本番稼働を開始。具体的な製品としては、「Pure Storage FlashArray//M10」の5TB モデルが採用されている。これにより、Oracle DB基盤の性能は大幅に向上。これまで抱えていた課題を、効果的に解消することができた。
「たとえば、先に触れた月次更新処理で言えば、従来の約1/4程度に処理時間を短縮できました。サーバー内蔵ディスクを用いていた旧環境では、処理がなかなか終わらず他のジョブに影響が生じるケースもありました。しかしPure Storageに変えてからは、全くこうした問題も起きていません」と畠山氏は満足げに語る。
加えて、オンライン作業のレスポンスも格段 に向上。同社では、数多くのメーカーの商品を取り扱っており、総アイテム数は実に約30万 SKU(最小管理単位)にも上るという。このため、以前は商品データ検索などの作業に多少の待ち時間が発生していたが、現在では即座に反応が返ってくるようになった。
「物流拠点や営業担当者の生産性を少しでも高めていくことが、我々IT部門に課せられたミッションです。Pure Storageでムダな待ち時間を省けるようになったことは、こうした面での効果も大きい。また、役員向けの日次レポートなども、従来の半分程度の時間で出力できるようになりました」と畠山氏は続ける。
また、Pure Storageには高度なインライン圧 縮・重複排除機能が標準搭載されているため、 導入したリソースを効率よく使用することもできる。こちらの効果についても、大きな期待が掛けられているとのことだ。
さらに、もう一つ見逃せないのが、Pure Storageの充実したサポートだ。「3年ごとに最 新のコントローラーが無償提供されるプログラム『Forever Flash』が用意されていますから、構築したシステムを長期間にわたって安心して使い続けられます。また、クラウドから管理・監視や予兆検知が行なえるサービス『Pure1 Manage』を利用することで、日頃の運用管理も手間を掛けることなく行なえます。ネットワー ルドと東芝ソリューション販売には、非常にいい製品を提案してもらったと満足しています」 と畠山氏はにこやかに語る。シンプロビジョニングやレプリケーションなどの機能についても、今後のニーズに応じて活用を検討していき たいとのことだ。
今回の成果を高く評価した同社では、他の業務システムへもPure Storageの活用を進めていく考えだ。「既存のストレージはバックアップ用途に廻し、本番環境は全てオールフラッシュ化していきたい。こうした取り組みを通して、よりビジネスに貢献できるIT環境を目指したいですね」と畠山氏は展望を語る。
また伊藤氏も「DB基盤の高速化に大きな効 果があることが実証できましたので、当社でもこの経験を今後のソリューション提供に活かしていきたい。ネットワールドにも、引き続き今回同様の提案や支援を期待しています」と述べた。