導入事例 ネットワンシステムズ株式会社
全社のビジネスを守るバックアップ/DR基盤を「Veritas NetBackup」で再構築
災害発生時の迅速な業務復旧に貢献
- Dell Technologies(Dell EMC)
- Veritas
2017.12.18
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設 立: 1988年2月1日
資本金: 122億7900万円
U R L: http://www.netone.co.jp/
業 種: 情報サービス業
事業概要: ネットワーク、クラウドを中心に多彩なサービス/ソリューションを展開するICT企業
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導入前までの経緯
- 手作業に頼ることなくDRサイト側での業務復旧が行える環境を構築すること
- ストレージリソースの有効活用や効率的な遠隔バックアップを実現すること
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導入後期待される効果
- 「Veritas NetBackup」を新たに導入し、迅速かつ確実な業務復旧を実現
- 「Dell EMC Data Domain」との連携でバックアップデータ容量の削減に成功
プロジェクトメンバー
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ネットワンシステムズ株式会社
経営企画本部
情報システム部
インフラ基盤チーム
エキスパート
古森 浩一 氏 -
ネットワンシステムズ株式会社
経営企画本部
情報システム部
インフラ基盤チーム
喜田 篤史 氏 -
ネットワンシステムズ株式会社
経営企画本部
情報システム部
インフラ基盤チーム
渡邉 満 氏
持ち前のネットワークインテグレーション力をコア・コンピタンスとして、多彩なICTソリューション/サービスを展開するネットワンシステムズ。近年ではパブリック/プライベートクラウド、オンプレミスの別を問わず、自在な情報活用を可能にする「クラウドシステム」の提供に力を注いでいる。
また、同社のビジネスの大きな特長となっているのが、顧客企業に提供する製品を自社内でも積極的に活用している点だ。同社 経営企画本部 情報システム部 インフラ基盤チーム エキスパート 古森 浩一氏は、その狙いを「お客様に最適なソリューションをお届けするためには、製品の長所や有効な活用法をしっかりと把握しておく必要があります。そこで、まず自社環境をショーケースとして利用し、経験やノウハウを蓄積するようにしているのです」と説明する。
そうした中、今回実施されたのが、事業活動の安心・安全を守るバックアップ/DR(災害対策)基盤の再構築だ。古森氏は取り組みの背景を「当社では数年前にバックアップ/DR基盤を構築し、重要な業務システム/データの保全に役立ててきました。しかし、当時導入したバックアップ製品のDR機能では、災害時の業務復旧にある程度の時間を要する点が課題となっていました。こうした状況を解消し、もっとスピーディかつシンプルに業務復旧が行える環境を実現したいと考えたのです」と明かす。
従来環境における具体的な課題点としては、まずバックアップ時に作成されるカタログ情報の問題が挙げられる。古森氏は「以前の製品にはカタログをDRサイト側にうまく転送してくれる仕組みがなかったため、DRサイト側でシステムを立ち上げる際に人手を必要とする作業がかなり多かった。RTO(Recovery Time Objective:目標復旧時間)を最小化するためには、もっと自動化を進めて手作業に頼らずとも済むようにしていかなくてはなりません」と振り返る。
また、同社 経営企画本部 情報システム部 インフラ基盤チーム 喜田 篤史氏も「もう一つの問題は、リストア時の手順が複雑で柔軟性に欠けていた点です。たとえば、アプリケーション開発チームから『障害原因を分析したいので、既存環境は残したまま別のESXiにリストアして欲しい』といった要望があっても、旧製品では一度サーバーを削除しないとリストアが行えず要望に応えられませんでした」と続ける。
加えて、今回のプロジェクトでは、バックアップ/DRの対象となるシステム群が大幅に増えることも大きな課題であった。「組織改変に伴って、お客様向けサービスを担当していたグループ会社が情報システム部門に統合されたため、社内の重要な基幹システム群だけでなく、サービス用のシステム群なども新たにバックアップ/DR対象に加わることになったのです」と古森氏。それだけに、数百台に及ぶ大規模バックアップ/DRを確実にこなせる信頼性の高さも重要なポイントになった。
こうした多岐にわたる要件をすべて満たすものとして新たに導入されたのが、ネットワールドが提供するエンタープライズ向けバックアップ・リカバリソリューション「Veritas NetBackup」であった。
NetBackupを採用した経緯について、喜田氏は「バックアップの要件からいくつかの製品比較をネットワールドとやり取りしまして、その結果、最も当社の要件にフィットしていたNetBackupを選定しました」と語る。
特に大きな決め手となったのが、NetBackupの「Auto Image Replication」機能だ。この機能を利用すれば、バックアップイメージとカタログ情報を一緒にDRサイトへ転送することが可能。これにより前述の課題を解消し、万一の被災時にも迅速・確実に業務復旧を行うことができる。また、リストア先のESXi 環境を任意に選択できる上に、仮想/物理環境のバックアップに両方対応していることも大きなポイントとなった。
さらに、もう一つ見逃せないのが、バックアップ/DR基盤用として導入されている重複排除バックアップストレージ「Dell EMC Data Domain」との連携だ。この製品には、重複排除処理の一部をバックアップサーバーに分散させることで処理の高速化を図る「DDBoost」機能が搭載されている。これを利用することで、バックアップデータ容量の削減やDRサイトへの効率的な遠隔転送を効果的に実現できる。
また、取得済みのバックアップデータと増分データを組み合わせて合成フルバックアップを作成する「NetBackup Accelerator」機能も導入されているため、将来的なデータ容量増大に対しても容易に対応することが可能だ。
バックアップ製品を豊富に取り扱うネットワールドとのパートナーシップを活かすことで、構築作業もスムーズに進展。同社 経営企画本部 情報システム部 インフラ基盤チーム 渡邉 満氏は「VMware vSphere基盤のバージョンアップ作業などには多少気を遣いましたが、バックアップ周りで苦労するような場面は特にありませんでしたね。Veritas NetBackupの使い勝手も良好で、対象が増えたからといって運用管理の手間が増えるようなこともありません」と語る。
NetBackupによる新バックアップ/DR基盤は、2017年7月より本番稼働を開始。これにより、同社の事業継続対策にも大きなメリットが生まれている。「カタログ情報をDRサイト側で保持できるようになったことで、業務復旧のスピードも大幅に短縮できることと見込んでいます。災害時には様々な混乱も予想されますので、復旧手順のシンプル化が図れたことは非常に大きい」と古森氏は語る。
また、以前はフルバックアップ、差分バックアップで別々だったジョブが一つで済むようになるなど、日頃の運用効率化にも役立っているとのこと。「業務の省力化や運用担当者の負担軽減も大きな課題ですので、今後は『NetBackup SelfService』機能の活用なども前向きに検討していきたい」と渡邉氏は語る。
さらに、その先に見据えているのは、顧客向けソリューションへの展開だ。「実体験を基にした提案が行えるのが当社の大きな強み。今後も様々な知見を積み重ね、お客様の課題解決に貢献していきたい」と古森氏は力強く語った。