導入事例 株式会社ピーチ・ジョン
情報系システム用仮想化基盤を「Dell EMC VxRail」でシンプルに刷新
性能向上と運用効率化に成功
- Dell Technologies(Dell EMC)
2017.01.19
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設 立: 1994年6月1日
資本金: 9000万円
U R L: http://www.peachjohn.co.jp/
業 種: 通信販売業
会社概要: ワコールグループの一員として、女性用下着やルームウェア等の通信販売及び直営店販売を手がける。
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導入前までの経緯
- 情報系業務システムを収容する仮想化基盤の最適化を推進すること
- 業務システムの集約率向上とパフォーマンスの強化を図ること
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導入後期待される効果
- Dell EMC VxRailを新たに採用し、シンプルで効率的なインフラ環境を実現
- マーケティング系システムも新基盤に統合。I/O性能は従来の3倍以上に向上
プロジェクトメンバー
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株式会社
ピーチ・ジョン
情報システム部
部長
前田 浩一 氏 -
株式会社
ピーチ・ジョン
情報システム部
湯田 知之 氏 -
兼松エレクトロニクス株式会社
第二ソリューション営業本部
第三営業部 第二課
千速 瑶平 氏
ランジェリー通販のリーディング・カンパニー として、数多くの女性ファンを獲得している ピーチ・ジョン。近年では、ルームウェア/イン ナーやアウター、ファッション雑貨など、幅広い分野に商品ラインナップを拡大。さらには国内約40店舗、海外約10店舗の店舗網も展開するなど、目覚しい成長を続けている。
顧客への最適なサービス提供を実現するために、同社では先進ICTの活用も意欲的に推進。情報システム部 部長 前田 浩一氏は「新たなビジネスニーズへの即応を果たしていくことが、全社の情報インフラを一手に預かる当部門の役割。現場部門の声を丹念に拾うと共に、積極的な提案も心がけています」と説明する。
そうした取り組みが実を結んだサービスの一つが、同社が展開する「eGift 」だ。これは同社の店舗で利用できる電子ギフトサービス。スマートフォン/SNSでメッセージとギフトカードを贈ることで、スマートな形で女性用下着などのアイテムをプレゼントすることができる。
また、こうした新しいサービスを生み出す一方、同部門では事業を支えるインフラ環境の改善にも力を注いでいる。その一環として、今回グループウェアなどの業務システム群を収容する情報系仮想化基盤の再構築に着手。情報システム部 湯田 知之氏は「当社では東日本大震 災以降、主要業務システムの仮想化を進めてきました。その基盤が更新時期を迎えたため、これを機にもっと環境をシンプルにしていきたいと考えたのです」と語る。
既存の仮想化基盤は、数台の物理サーバーとiSCSI接続の外付けストレージなどで構成されており、ハーフラックほどのスペースを使っていた。搭載機器からの放熱量も多く、冷却に苦労することもあったという。「せっかくインフラを入れ替えるわけですから、これと同じ規模感になってしまったのでは意味がありません。もっとコンパクトで、なおかつ運用管理の手間も掛からないようにしたかった」と湯田氏は語る。
こうした要件を満たせるソリューションとし て選ばれたのが、ネットワールドが提供するハイパーコンバージド・インフラストラクチャー「Dell EMC VxRail」だ。湯田氏は製品選定の理由を「最も気に入ったのが、2Uサイズの筐体にサーバー、ストレージ、ハイパーバイザー、ネットワークなどのコンポーネントがすべて集約されている点です。最近では、他にも様々なコンバージド製品が登場していますが、当社の要件を満たそうとすると、結局もっと多くのスペースが必要になってしまう。その点VxRailなら、全ての機能を完全に2Uサイズに納めることができます」と説明する。
また、今回のソリューション提供を担当した兼松エレクトロニクスの千速 瑶平氏も「信頼 性・安定性の高さも大きな決め手になりましたね。VxRail は、VMwareとEMCが共同開発して生まれたソリューションですから、製品品質の面でもサポートの面でも安心感が高いです」と語る。
さらにもう一つのポイントが、性能や容量面でのアドバンテージだ。前田氏は「別のサーバーで稼動していたマーケティング系システムもそろそろ更新の検討を迫られていたのですが、VxRailはこちらの収容も余裕で可能だという。それなら、コスト削減も図れますので、当社の新しいインフラにピッタリだと感じましたね」と語る。
「Dell EMC VxRail 60」による新たな仮想化基盤は、2016年8月より段階的に本番稼動を開始。事前の検証作業などが不要というコンバージドのメリットにより、導入作業も非常にスムーズに進んだという。
「個別の製品を組み合わせてシステムを構築するとなると、不具合が生じた際の原因切り分けなどに手間が掛かりがちです。その点、今回はVxRail廻りで苦労させられるようなことは全くありませんでしたね。旧仮想化基盤からの移行も、既存ストレージを接続してそのままコピーする形で行えましたので、実質2~3日程度しか掛かっていません」と湯田氏。また、千速氏も「初期設定などもメニューの指示に従うだけで簡単に終わりますし、ネットワーク設計で悩んだりする心配もありません。お客様にとっても、我々SIerにとっても、構築時のトラブルを最小限にできるソリューションだと感じました」と続ける。
同社では、以前から「VMware vCenter」による集中管理を行っていたため、運用業務も従来と変わりなく安定稼動を実現できているとのこと。ちなみにVxRail には専用管理ツール 「VxRail Manager」も搭載されているため、こちらを利用して運用管理業務の効率化を図ることも可能だ。「当部門は少数精鋭で業務に取り組んでいますから、インフラのお守りに手が掛からないのは助かります」と前田氏は語る。
さらに見逃せないのが、インフラ性能の大幅改善を果たした点だ。「VxRailには、サーバー内蔵ディスクのプール化とSSDのキャッシュ利用を可能にする『VMware Virtual SAN』が搭載されていますが、その効果は非常に大きく、システムのI /O性能は従来の3倍以上にアップしています」と湯田氏は語る。
この結果、現場のユーザーに対しても快適な業務環境を提供することが可能に。前田氏は「マーケティング系システムの性能も向上し、 新たなキャンペーンの企画・立案業務などもより効率的に行えるようになりました。通販事業を手がける当社にとって、このメリットは非常に大きいですね」と力強く語る。
VxRailによる新仮想化基盤へ移行したことで、懸案であったラックスペースの問題も解消。 前田氏は「これまでは、新しいことに取り組もうにもラックに余裕がない状況でしたので、環境をスッキリさせられたのは大変良かった」と満足げに語る。
今回の取り組みを支援したネットワールドのサービス・サポートも高く評価。実は構築時に、新たに導入したCiscoスイッチの設定に悩む場面があったが、これもネットワールドのネットワーク部隊の支援によって迅速に解決している。「当社では、最新テクノロジーの導入にも積極的に取り組んでいきたいと考えています。ぜひ今後も、情報提供や支援をお願いしたいですね」と湯田氏は期待を語る。
今後に向けた抱負を「VxRailは増設・拡張も柔軟に行えますので、新たな要求にも迅速に対応できます。『ユーザーへの最適なサービス提供』が我々の使命ですから、今後もビジネスの成長にしっかりと貢献してきたい」と語る前田氏。ネットワールドと兼松エレクトロニクスも、その取り組みを力強く下支えしていく。