導入事例 光華女子学園
Citrix XenDesktop/XenAppとNutanixで全学VDI基盤を構築
柔軟で効率的な教育環境を実現
- Citrix
- Nutanix
2017.05.23
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設 立: 1939年9月15日
U R L: http://gakuen.koka.ac.jp/
業 種: 文 教
事業概要: 真宗大谷派の宗門学園として、幼稚園、小中高校、女子大学・短期大学、大学院を展開する。
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導入前までの経緯
- キャンパス内で利用する物理PCの運用管理に多くの時間と工数を費やしていた
- 大量の仮想デスクトップを快適に動作させられる高性能・高信頼インフラの実現
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導入後期待される効果
- PC教室や教職員用の端末をVDI化し、運用効率化とセキュリティ強化に成功
- ログイン時間を以前の約1/10に短縮。今後の拡張にも柔軟な対応が可能に
プロジェクトメンバー
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学校法人 光華女子学園
情報システム部
藤原 加織 氏 -
学校法人 光華女子学園
情報システム部
正木 文統 氏
真宗大谷派の宗門学園として、仏教精神に基づく女子教育の実践に取り組む光華女子学 園。校名として掲げられた「光華」は、経典「仏 説観無量寿経」の一節「其光如華又似星月」に由来するもの。校訓である「真実心」も、他者を思いやる仏の慈悲の心を表している。同学園で は、こうした理念に基づく教育を通して、幅広 い教養と豊かな人間性を身に付けた女性を世に送り出すことを目指しているのである。
その同学園において今回実施されたのが、学内クライアントの仮想デスクトップ(VDI)化プロジェクトだ。情報システム部の正木文統氏は、 取り組みの背景を「本学では570台程の端末を PC教室などに配置し、学生への教育に用いています。しかし従来は通常の物理PCを利用していたため、OS/アプリのアップデート作業などに多くの手間と工数が掛かる、先生方の要望にもなかなかタイムリーに応えられないなど、 様々な問題が生じていたのです」と振り返る。
各端末は普段から講義などに活用されているため、保守作業のための時間を確保するのも容易ではなかったとのこと。情報システム部の藤原加織氏は「新年度に向けたPC教室の準備なども、春休み中の限られた期間に急いで行う必要がありました。また、当部門では少人数で業務にあたっていますので、ウイルス対応などのイレギュラーな事象が発生すると本来の業務にも支障が生じていました」と振り返る。
こうした課題を解消すべく学内PCのVDI化に着手した同学園だが、実は以前にも一部学科を対象としたVDI基盤を構築したことがあった。しかし、特定学科のみの利用では費用対効果が良くない、操作方法が分かりにくい、物理PCと比較してレスポンスが遅いなどの理由から、導入後数年で運用を終了している。
こうした経緯があるにも関わらず、今回のプロジェクトに踏み切った裏側には、一つの確固たる成算があった。それはハイパーコンバージドインフラ製品「Nutanix」の存在である。
「本学では2014年にサーバー仮想化基盤用のハードウェアを更新したのですが、この時に選んだのがNutanixでした。高い性能を備えている上に、運用管理も容易というのが最大の決め手。今回もNutanixを利用すれば、狙い通りの全学VDI基盤を実現できるのではと考えました」と正木氏。藤原氏も「サーバー仮想化基盤を移行した際には、ラック1本分で想定していた環境が丸ごとNutanix×3ノードに収まってしまいました。これほど便利な製品があったのかと、かなり驚かされましたね」と振り返る。
今回のVDI化プロジェクトでは、学生用端末の中の5 0台と、教職員用端末6 0台が対象となった。もし不具合があった際には、大学の業務や教育・研究活動にも影響が出かねないだけに、同学園では綿密な事前検証も実施。その結果も良好だったことから、「Nutanix NX-1000シリーズ」×3ノードの追加導入に踏み切った。
また、デスクトップ仮想化ソフトウェアには、「Citrix XenDesktop/XenApp」を採用。正木氏は「XenDeskt op/XenAppは、無償で利用できるNutanixのハイパーバイザー『Nutanix AHV』に対応していますので、VDI化のコストを最小限に抑えられます。また、多彩な運用管理機能や柔軟なポリシー設定機能を備えている点も大きなポイントとなりました」と説明する。
新たなVDI基盤を構築する上では、ネットワールドのサービス・サポートも大いに貢献。正木氏は「Citrix製品のハンズオンセミナーに参加したところ、操作説明などだけでなく、事前検証で培った貴重な情報やノウハウまで提供してもらえました。これだけの知見があるのなら、安心して導入に取り組めると感じましたね。実際の構築作業でも、ポリシーをどう当てるかで悩む場面があったのですが、ネットワールドの支援のおかげで迅速に問題を解決できました」と満足げに語る。
新システムでの工夫点としては、それぞれのユーザーに合わせてデスクトップの提供方法を変えている点が挙げられる。まず教員用の30台については、多種多様なソフトウェアを利用することからフルクローン方式を採用。また職員用の30台はXenDesktopのMCS(MachineCreationServices)機能とXenAppを組み合わせ、イメージ作成・管理の手間を省きつつ、必要なアプリケーションを利用できるようにしている。加えて、学生用の50台はすべてMCSで一律の環境を提供し、運用管理の効率化・省力化を図っている。
ちなみに教員用のフルクローン端末については、Nutanixのクローン機能を活用し、デスクトップ作成の迅速化と容量削減を実現。正木氏はその効果を「1時間半は掛かるだろうと思った展開作業が、30分くらいで終わってしまったのにはびっくりしましたね。おかげで作業効率も上がりました」と高く評価する。ハイパーコンバージドならではの強みも存分に発揮されており、従来であれば約1週間掛かっていたインフラ構築作業を半日ほどで完了。このため諸事情で遅れ気味だったスケジュールも一気に取り戻せたとのことだ。
今回導入された全学VDI基盤は、2017年の新年度より本稼動を開始。藤原氏はその効果を「まず大きいのが、大量のデスクトップを効率的に管理できるようになった点です。端末はPC教室以外の様々な場所にも設置されていますので、保守作業などを行う際には、キャンパス内をあちこち移動しなくてはなりませんでした。その点現在では、手間を掛けることなくサーバー側で一括管理が行えます」と語る。
また、Nutanixも期待通りの性能・信頼性を発揮。正木氏は「ログイン時間が以前の約1/10に短縮されるなど、大幅な性能向上を実現。前の講義の時間が押した際にも、すぐに次の講義を始められます。信頼性・可用性も高く、仮想サーバー用も含め全くトラブルはありません。また、Nutanixの運用管理ツール『Prism』も、直感的な操作が可能なので大変助かっていますね」とにこやかに語る。
さらにこの他にも、新たな業務ニーズへのスピーディな対応や学内セキュリティの強化、TCO削減など多くの成果が上がっているとのこと。同学園ではこのメリットをさらに拡げるべく、今後VDI化対象の台数を600~650台程度まで増やしていく予定だ。そこではNutanixの優れた拡張性も大いに活かされることになる。