北海道内の30町村・1団体で構成される北海道自治体情報システム協議会様では、行政システムの共同アウトソーシングを推進しています。各町村・団体の基幹業務システムをiDCに集約し、ITコスト削減や運用負担の軽減、行政サービスの向上などを図っていくのが狙いです。この取り組みをさらに加速すべく、同協議会様ではネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア「VMware Infrastructure 3」を新たに導入されました。iDCに設置されたサーバ群を仮想統合することで、リソースの有効活用や信頼性・可用性の向上を実現。行政システムのさらなる最適化に役立てています。

プロジェクトメンバー

北海道町村情報センター 池田 義博 氏

北海道町村情報センター
総務課 総括担当 主査

池田 義博 氏

北海道町村情報センター 小椋 哲也 氏

北海道町村情報センター
総務課 情報推進進化担当
主査

小椋 哲也 氏

中央コンピューター サービス株式会社 武田 光春 氏

中央コンピューター
サービス株式会社
ネットワーク
サービス事業部

武田 光春 氏

北海道自治体情報システム協議会

本 社 : 北海道札幌市北区北7条西1-1-2
設 立 : 1995年4月1日
U R L : http://www.j-center.com/
事業内容 : 市町村行政の情報化達成に寄与することを目的として1995年に設立。現在は30町村・1団体の会員団体(2008年4月1日現在)に対して、 総合行政システム「G-TAWN」を提供。また iDC+VMwareによる共同アウトソーシング事 業も推進している。

パートナー概要

中央コンピューターサービス株式会社

本 社 : 北海道標津郡中標津町北町2-22
設 立 : 1981年7月
資本金 : 4200万円
従業員数 : 50名
売 上 高 : 11億7000万円(2008年3月期)
U R L : http://www.ccs1981.jp/

基幹システムの共同利用で小規模自治体の情報化を支援

北海道自治体情報システム協議会は、前身である北海道行政システム共同利用会議を母体として1995年に設立された組織である。現在は30町村・1団体が参加しており、その所在地も道内14支庁のうち10支庁にまで広がっている。
同協議会の設立目的は、小規模自治体における情報化の推進にあった。現在では自治体・公共団体においてもIT化が重要課題となっているが、行政システムの 構築・運用は小規模自治体や地域住民にとって負担が大きい。同協議会 北海道町村情報センター 総務課 情報推進化担当 主査 小椋 也氏は、「たとえば、ある業務システムの改修費用を例に取ると、札幌市なら住民一人あたりの負担が50円程度で済むものが、1000人程度の自治体だと1 万円も掛かってしまいます」と説明する。しかも、最近では制度改正から実施までの期間が短期化し、一段と迅速なシステム対応が求められるようになった。各 自治体が単独でこうした取り組みを行うのは、現実問題としてかなり難しい。
そこで同協議会では、会員団体とも協力しながら、基幹業務システムの標準化・共同化を推進。各町村・団体に対して、総合行政システム「G-TAWN」を提 供している。これを利用することで、情報化コストの大幅削減が可能に。先のシステム改修の例で言えば「同じ作業に掛かる負担を、住民一人あたり80円程度 にまで引き下げられる」(小椋氏)という。
「また、標準化を進めると同時に、個別のニーズにも応えられるようにしています」と語るのは、同協議会 北海道町村情報センター 総務課 総括担当 主査 池田 義博氏。「たとえば、各団体の業務内容に合わせられるよう、帳票のレイアウトをカスタマイズするといったことも可能です」と続ける。

共同アウトソーシングを目指しiDCへの仮想統合に着手

こうした同協議会の活動を支えてきたのが、ITパートナーである中央コンピューターサービス株式会社(以下、CCS)である。CCS ネットワークサービス事業部の武田 光春部長は「各自治体が財政的な課題を抱えている中、低コストで効率的な行政サービスを提供できるよう支援していくのが我々の役目。協議会の皆様とも連携 し ながら、様々な施策を展開しています」と語る。
その一環として進められているのが、2006年度より着手したiDCへの共同アウトソーシング事業だ。従来は各自治体に設置されていたG-TAWNサーバ をiDCへ集約し、さらなる効率化を図るのが狙いである。「この取り組みのきっかけとなったのが、ターミナルサービスの導入でした」と小椋氏。以前は本庁 と支所・出張所間の通信事情が悪かったため、低速な回線でも業務に耐えられるターミナルサーバを導入して業務を行っていた。「この取り組みが成功したた め、通信事情が改善された現在なら、サーバそのものの集約もできるのではと考えたのです」(小椋氏)。
もっとも、この段階で一つの課題が生じていた。CCSと同協議会では、サーバリソースを効率的に利用する手段として、以前から仮想化技術に着目していた。しかし、当時のサーバスペックでは、期待したほどの集約効果を挙げられなかったのだ。
幸い性能問題については、クアッドコア インテル®Xeon®プロセッサーの登場によって解消。さらに、もう一つの切り札となったのが、ネットワールドが提供するサーバ仮想化ソフトウェア 「VMware Infrastructure 3」(以下、VMware)である。「クアッドコアXeonとVMwareの組み合わせなら、大量のサーバを効率よく集約できる。iDCでの仮想統合に向 けて、大きな弾みが付きました」と武田氏は語る。

高信頼性・高可用性を評価しVMwareを仮想化インフラに採用

サーバ仮想化のインフラにVMwareを選んだ理由を、武田氏は「自治体の基幹業務を支えるシステムだけに、信頼性・可用性への要求は非常に高い。他の仮 想化ソフトウェアを使ったテストも行いましたが、サポートや機能面での不安が残りました。その点、VMwareはネットワールドの手厚い支援が受けられる 上に、『VMware VMotion』や『VMware DRS』『VMware HA』などの機能も利用できます。こうした点を高く評価して、今回のシステムに採用しました」と説明する。
VMotionは実行中の仮想サーバを物理サーバ間で移動する機能を、DRSはリソースの動的割り当て機能を、HAは物理サーバ障害時に別のサーバ上で自 動的にコールドリスタートを行う機能をそれぞれ提供する。これらの機能を利用することで、業務がピークの時期でもシステムの負荷分散を図ることが可能。ま た、万一物理サーバがダウンした際にも、早期に復旧し、業務を継続することができる。
物理サーバから仮想環境への移行については、専用の移行ツールである「VMware Converter」を活用。VMware ConverterがサポートしていないLinuxサーバも、ネットワー ルドが提供するPlateSpin社のコンバートツール「PlateSpin PowerConvert」を利用して移行を行った。現在は5台のVMware ESXのサーバ上で50台以上の仮想サーバが稼働し、各ESXのピーク時の平均負荷率は70%とCPU性能を充分に活用しているが、性能や信頼性の問題は まったくないとのことだ。武田氏は「設計、構築時にはネットワールドのサポートも大いに役立ちました。VMwareのみならず、ストレージやネットワーク などトータルに支援してくれたので、非常にありがたかったですね」と満足げに語る。

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ITコストを20%以上削減 他自治体への展開も視野に

iDC+VMwareによる新基幹システムは、2008年4月より本稼働を開始。先陣を切って移行した別海町、むかわ町など4町村に続き、今後も各会員団 体が移行していく予定だ。 新システムのメリットとしては、まず導入目的でもあったコスト削減が挙げられる。庁内にサーバがなくなったことで、システム運用管理に掛かる人的コストが 激減。「ある町の事業評価の例では、運用に掛かる人件費が従来の1.2人工から0.3人工へと1/4に削減できました」と小椋氏は力強く語る。また、シス テムコストそのものも大 幅に減った。一般的なリース期間の5年スパンで計算すると、従来と比較して約20%以上もコストが下がるとのこと。このため、基幹システム用に導入した サーバのリース契約が切れる前に、あえて新システムへの移行を図る自治体もあるという。「トータルで考えれば、結局その方が安くつく」(池田氏)からであ る。
また、もう一つのメリットは、システムの信頼性・安定性向上だ。従来は二重化されていなかったシステムにも、VMotionやDRS、HAなどの機能が適 用されるため、インフラ全体の可用性が飛躍的に向上した。「しかも、現在は業務上重要なデータをiDCと各町村の両方で保持しているため、大規模自然災害 があった際などにも、行政サービスを継続できます」と池田氏は語る。また、仮想化を行ったことで、電力消費量やCO2排出量削減などの効果も挙がっている という。
「こうした実績を踏まえて、今後もiDC+VMwareへの仮想統合を積極的に進めていきます。また、基幹業務以外の業務でも仮想統合を活用し、会員団体 へのサービス向上を図っていきたい」と池田氏。小椋氏も「今回構築したインフラは、ネットワークさえあれば全国どこからでも利用できます。将来的には、北 海道以外の自治体の方々にもサービスをご提供していければ」と抱負を語る。同協議会の今後の展開が非常に楽しみである。

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