導入事例 市川市
バックアップ業務の運用改善を目指してCommVault SimpanaとNetApp FAS3250を導入
大幅な時間短縮と運用管理の自動化に成功
- Commvault
- NetApp
2014.11.06
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面 積 : 56.39k㎡
人 口 : 471,922人(2014年7月末現在)
U R L : http://www.city.ichikawa.lg.jp/
業 種 : 自治体
自治体概要 : 千葉県北西部に位置する地方自治体。
文教・住宅都市として発展してきた歴史を持つ。
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導入前までの経緯
- 庁内の仮想化基盤とファイルサーバのバックアップ業務を効率化すること。
- 今後のシステム増強にも対応できる高性能ストレージ基盤を構築すること。
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導入後期待される効果
- フルバックアップの時間を2週間→3日に短縮。仮想サーバ単位でのバックアップ/リストアも可能に。
- NetAppのFlash Pool機能を利用することで、ストレージ性能を約15倍に向上。
プロジェクトメンバー
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市川市
企画部
情報システム課
主幹
泊 修一 氏 -
市川市
企画部
情報システム課
副主幹
浅生 浩克 氏 -
市川市
企画部
情報システム課
岡 雅人 氏 -
株式会社大崎コンピュータ
エンヂニアリング
第2情報通信SS統轄部
基盤技術部 第3課
主任
小田 太一 氏 -
株式会社大崎コンピュータ
エンヂニアリング
市川支店
主任
秋山 興介 氏
2014年に市政施行80周年を迎える千葉県・市川市。江戸川を隔てて東京都と相対する同市は、古くから文教・住宅都市として栄えてきた歴史を誇る。また、長い伝統を持つ一方で、先進ICTの導入に取り組んでいるのも同市の大きな特徴だ。企画部 情報システム課 主幹 泊 修一氏は「数年前から庁内業務サーバの仮想化を進めており、省エネ/省スペース化やコスト削減に役立てています。近年では行政サービスとICTインフラが密接に関連していますので、システムやネットワークの安定稼動にも細心の注意を払っています」と語る。
とはいえ、システムを活用する中では、様々な課題も生じていた。その中で特に問題になっていたのが、増え続ける業務データへの対応である。「仮想サーバの台数が年々増加している上に、ファイルサーバに蓄積される業務データの容量も増える一方。これによりバックアップ業務の工数や時間がどんどん増え続けていたのです」と説
するのは、企画部 情報システム課 副主幹 浅生 浩克氏。また、企画部 情報システム課 岡 雅人氏も「東日本大震災を契機として、自治体にとってもBCP強化が大きな課題となっています。当市としても、重要業務データの確実かつ効率的な保全を実現する仕組み作りが急務でした」と続ける。
従来の環境においては、仮想化基盤用とファイルサーバ用に2台のストレージを導入。ストレージのSnapshot機能を利用して1次バックアップを取得すると共に、バックアップソフトウェアを利用して磁気テープへのフルバックアップを行っていた。ところがバックアップ対象のデータ容量があまりに大きいため、フルバックアップに2週間近く掛かるような状況だったのである。
同市ではこのような課題を解消すべく、バックアップ運用の改善を目的とした入札を実施。その結果、採用された製品が、ネットワールドが提供するCommVault社のデータ統合管理ツール「Si mpana」、並びにNetApp社のネットワークストレージ「NetApp FAS3250」であった。
今回導入されたSimpanaは、データ保護、アーカイブ、レプリケーションなどの多彩な機能を単一のプラットフォームで実現する製品である。複数のツールを利用して行っていた業務をシンプルに統合できる上に、各種ストレージ製品との柔軟な連携機能も備わっている。
システム構築を担当した大崎コンピュータエンヂニアリングの秋山 興介氏は、「Simpana」には高度な重複排除機能に加えて、重複排除後の差分ブロックのみを転送する『DASH Copy』、重複排除技術を利用して高速に合成フルバックアップを作成する『DASH Full 』など、様々な機能が備わっています。これらを利用することで、お客様の課題を効果的に解消することができます」と語る。また、同 小田 太一氏も「Simpanaは、仮想化基盤に採用されているVMwareや、NetAppストレージとの親和性も非常に高い。各製品の機能を組み合わせれば、幅広いソリューションをご提供できます」と説明する。
今回新たに構築されたシステムでは、これまで2台の装置を利用していたストレージを「NetApp FAS3250」に統合。まず仮想化基盤のバックアップについては、Si mpanaのIntelliSnapとNetAppのSnapshot機能を連携させて日次バックアップを取得。さらにVMwareのバックアップ用APIである「vStorage API for Data Protection」と連携させて、磁気テープへの週次バックアップを行っている。
従来は仮想環境のバックアップにNDMPを利用していたため、不要な仮想サーバまで含めて丸ごとバックアップしなくてはならなかった。このためバックアップ容量の増大や、仮想サーバ単位でのリストアが行えないなどの問題を抱えていた。しかし現在では、仮想サーバ単位でのバックアップ/リストアが行える上に、バックアップ元以外の他のストレージへリストアすることも可能になっている。
また、ファイルサーバのバックアップについては、1次バックアップをSnapshotで取得。その後の2次バックアップをSimpanaの重複排除+DASH Full機能によるD2Dバックアップで実施し、さらに磁気テープへのバックアップを行う運用に変更している。この効果は非常に大きく、これまで約2週間を要していたフルバックアップが約3日間で完了。しかも、D2Dバックアップまでなら、わずか12時間しか掛かってない。
「重複排除+DASH Fullの時間短縮効果はまさに絶大。データ容量の削減効果も大きく、重複排除率は実に約76%にも達します。現在では2世代分のバックアップ実容量31.40TBが、7.62TBに収まっています」と小田氏は力強く語る。
こうした環境が実現できたことで、BCP面での課題も無事解消。泊氏は「万一の事態が生じた際にも、重要な業務データが確実に、かつ迅速に復旧できるというのは、我々にとっても大きな安心材料」とにこやかに語る。
Simpanaの機能は、運用管理の効率化という面でも役立っている。たとえば従来はストレージ側のSnapshot機能とバックアップソフトの連携が行えなかったため、時間をずらしてジョブを走らせるなどの工夫が必要であった。しかし、現在ではSnapshotからテープバックアップまですべての作業をSi mpana上で一元管理できるため、バックアップ運用の自動化、省力化が図れている。
また、Net Appの機能を利用したシステム性能向上も実現。「今回からSSD をキャッシュとして利用する『Flash Pool』機能を導入していますが、性能は以前に比べて約15倍向上。レスポンスやファイルアクセスが高速化されたおかげで、より快適にシステムを利用できるようになりました」と岡氏は語る。
ネットワールドの支援に対しても、「幅広い分野の製品を紹介してもらえるので、お客様に最適なソリューションを提供する上で非常に助かりました」( 秋山氏) 、「技術力の高さもネットワールドの強み。導入・構築時にも手厚い技術サポートが受けられるのは、他のディストリビュータとの大きな違いですね」(小田氏)と高い評価が寄せられている。
バックアップ運用の課題を無事解消した市川市だが、将来に向けた様々な検討も行われている。麻生氏は「今後は庁内の他課のシステムが仮想化基盤に集約されるケースも増えると考えられますので、Si mpanaのマルチテナント機能なども活用し、より安全・安心な情報インフラを目指していきたい」と抱負を語った。
パートナー概要
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本 社 : 東京都品川区大崎1-11-2
市川支店 : 千葉県市川市南八幡4-2-5
設 立 : 1954年1月
資本金 : 9,000万円
U R L : http://www.oce.co.jp/