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更新日:2023-10-02
Level 1 バックアップを最初に学ぶ人が読む記事
第1章 バックアップの基礎

第2節 これだけは覚えて!「RTO」と「RPO」

第1節では企業におけるデータ損失のリスクとバックアップの重要性がよくわかりましたね。
では次に、バックアップしたデータを復旧する際に考えるべき「RTO」と「RPO」について学びましょう!

データを戻すための考え方「RPO」と「RTO」

バックアップ博士
バックアップの必要性はわかってくれたかね。
ではもう少し深く考えよう。
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城宝 守
深く…ですか?
バックアップ博士
うむ。
バックアップは有事の際、データを取り戻すために行っているものなんじゃ。
つまりデータが戻らなければ意味がない。
そこで 「どの時点まで戻したいのか?今すぐに戻さなければいけないのか?」を考えなければいけないんじゃ。
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城宝 守
はあ…
バックアップ博士
つまりRPORTOの考え方じゃ。
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RPOは「どの時点まで」のデータを復旧させるかの目標値

RPOとは

RPO(Recovery Point Objective)とは、障害発生時、過去の「どの時点まで」のデータを復旧させるかの目標値である。例えば更新頻度の少ないシステムでは、障害発生の24時間前までのデータ(RPO =1日)で復旧できれば支障ないこともある。逆に24時間365日連続的にサービスを提供する通販サイトでは、復旧時に停止直前までのデータ(RPO =0秒)が求められる。

RPO=1日

24時間前までのデータで復旧すれば大丈夫

RPO1sec
RPO=0秒

停止直前までのデータがなければ大損失!

RPO0sec
バックアップ博士
それと同時に考えなければいけないのがRTOじゃ。
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RTOは「どのくらいの時間で(いつまでに)」復旧させるかの目標値

RTOとは

RTO(Recovery Time Objective)とは、障害発生時「どのくらいの時間で(いつまでに)」 復旧させるかを定めた目標値である。
言い換えると、RTO は「システム停止やサービス中断が許される時間」とも言える。

RTO
バックアップ博士
そうじゃ、冗長化の話もしておこう。
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事業継続のための超常識、冗長化

冗長化とは

例えば、通販サイトで障害が起きたとしよう。
平均で1時間に100万円の利益を出す通販サイトの場合には、復旧までの時間が長ければ長いほど損失は大きくなる。こんな場合には冗長化といって同じサイトを2つ用意し、「障害が起きた際にもう1つのサーバーで動かす」ということも考えなければいけない。

平常時

WebサーバーAでhttps:// www.△△△.comを表示

everytime
障害発生時

WebサーバーBでhttps:// www.△△△.comを表示

failure

利益損失を最小限にとどめるために…

バックアップ博士
このように、RTOは「いつまでに復旧するのか」の目標値を考えて設定するんじゃ。
これもやはり、RTOが短いほど、そのコストは高くなる。

つまりRTOもRPOも利益損失を最小限にとどめるためには、契約(SLA:Service Level Agreement など)で定められたペナルティや提供しているサービスの状況を考えて定めておくことが必要じゃな。
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SLA
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城宝 守
RPOやRTOのことはなんとなくわかりました。
簡単に言うと「データをどこの時点まで戻すか?どのぐらいの時間をかけて戻すか?」を考えればいいんですよね。
バックアップ博士
そうじゃ!
よくできたな。
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城宝 守
でもそれはどうやって実現するのですか?
お客様の要件で5分前に戻したい!とか決められるものですか?
バックアップ博士
では次にどうやってその要件を実現するか?
第3節「バックアップの方法」を見ていこう!
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