クラウドネイティブの公式定義


サトル:「なぜ、CNCFは欠かせない存在なの?」

 


クラフ:「『クラウドネイティブとは何か?』については、非常に多くの記事が出ていて色々な解釈がなされているんだ。ある意味、バズワード化しているけれども、CNCFは各言語におけるクラウドネイティブの公式定義をしているんだ」


サトル:「へえ、すごいんだね。日本語ではクラウドネイティブはどう定義されているの?」

 


クラフ:「正式には『CNCF Cloud Native Definition v1.0日本語版』
https://github.com/cncf/toc/blob/main/DEFINITION.md)を参照してほしいんだけど、ポイントを抜粋すると以下のような内容だと理解してもらえたらうれしいな 」


■クラウドネイティブ日本語版の抜粋ポイント

あらゆる環境において、スケーラブルなアプリケーションを構築および実行するための能力を組織にもたらします。代表例に、コンテナ、マイクロサービス、イミュータブルインフラストラクチャ、および宣言型APIがあり、回復性、管理力、および可観測性のある疎結合システムを実現します。


サトル:「あ、定義の中にコンテナが出てきたね。でも、『マイクロサービス』『宣言型API』とか聞きなれない言葉も紹介されている……」


クラフ:「パブリッククラウドやプライベートクラウドといった環境で、回復性や管理力があるアプリケーションを開発するということは、これまでも追い求められてきたことなんだ。ただ、今までとは異なる手法、具体的にはマイクロサービスや宣言型APIなどの新しいアプローチで実現しようというのが、クラウドネイティブの重要なポイントの1つだよ 」


クラウドネイティブへの道を示す「The Cloud Native Trail Map」

 

クラフ:「CNCFでは、企業や官公庁、公共機関などにおけるシステムのクラウドネイティブ化を推進するプロジェクトを展開しているんだ」

 


サトル:「具体的にクラウドネイティブ化はどうすれば実現できるの?」


ディア:「クラウドネイティブの推進では、看板に書かれているような『クラウドネイティブへの道(The Cloud Native Trail Map)』を示しているらしいよ」

 


クラフ:「その通り! Trail Mapでは、1~10までのプロセスが示されていて、最初のプロセスがコンテナなんだよ」

サトル:「クラウドネイティブな技術ってたくさんあるんだね。そうした技術を使うと、どんな良いことが起きるのかな?」

 


クラフ:「企業が収益を上げるためには、お客様にサービスを提供するためのビジネスのスピードを重視する必要があるんじゃないかな。競合他社と差別化を図るためにも市場のニーズを敏感にキャッチして、より速く、より良いサービスを提供することが重要だよね」

 


ディア:「確かに! 企業間の競争がどんどん激しくなってくると、勝つためにはビジネスのスピードをより求めるようになるよね」


クラフ:「このスピードを実現するため、従来の方法ではなくクラウドネイティブが採用されつつある。そして、コンテナは、事業の収益向上や業務効率化を図る上で重要な技術として注目されているんだ」

 


サトル:「なるほど。コンテナを知るには、クラウドネイティブ、CNCFについても理解することが重要なんだね」

■第0章まとめ

ビジネスで必要されているものは、市場の変化に対応できるスピード。
クラウドネイティブな技術を利用して、ビジネスに競争力をつけることが重要となっている。

クラウドネイティブな技術を推進している「CNCF」という、クラウドネイティブのデファクトスタンダードの団体がある。CNCFがクラウドネイティブという言葉の定義をしている。

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