Dell PowerScale

更新日:2025/04/24
Dell PowerScale

大容量のNAS・ファイルサーバーと言えばこれ!

PowerScaleは主にファイルサーバー用途で使われるスケールアウト型NASです。非常に高い拡張性を持ち、どれだけノードが増えてもワンボリュームで管理することが可能です。HDDメインのアーカイブモデル、HDD+SSDのハイブリッドモデル、SSDオンリーのオールフラッシュモデルの3つに大別できます。

PowerScaleは旧Dell EMC IsilonのReブランドシリーズです。 スケールアウト型NASとしてノードの増設によって性能と容量を同時に向上させることができ、大容量NASとして非常に優れた性能を持っています。

従来:用途ごとにストレージを導入

PowerScaleの拡張方式は、コントローラーとディスクがセットになったノード単位で増設し性能と容量を同時に向上させる「スケールアウト」を採用しています。

ドライブを搭載しないアクセラレータノードもあり、パフォーマンスのみを向上させることも可能です。

ポイントここがすごい!PowerScaleのスケールアウト機能

スケールアウトの手順は、追加ノード(コントローラー)を接続し、ノード追加ボタンを押すだけ。
通常のストレージではコマンドやIPアドレス、Volumeの設定が必要となりますが、PowerScaleではその必要がありません。簡単にスケールアウト対応が可能です。新規ノードを追加すると、既存のクラスタ部のデータが自動的にリバランス(再配置)されます。

ここがすごい!PowerScaleのスケールアウト機能
増設時に各コンポーネントの設定変更が不要

PowerScaleはすべてのノードで単一のボリュームとして構成できるため、どこまで増設しても領域がわかれません。また増設時に発生するサーバーやクライアントのマウントポイント、アプリケーションの変更も不要です。

  • ノードを増設しても単一のボリュームで構成
  • 容量は自動的に各ノードへとリバランスされる
異なるモデルのノードもまとめてクラスタ化し自動階層化

同じPowerScaleシリーズであれば、モデルに関係なく同一クラスタに混在できます。もちろんワンボリュームでの管理が可能です。
使用頻度の少ないデータはオールフラッシュからアーカイブへ移動するなど、自動階層設定も可能です。

ノード障害に備えたファイル分散コピー ノード障害に備えたファイル分散コピー

データはPowerScaleの各ノードに均等に保存・パリティ付与されます。障害が発生した場合には故障したノードに格納されているデータをほかのノードへコピーし、さらにアクセス可能なノードへとユーザーを自動的に誘導。ノード障害が発生しても無停止でサービスの利用を続けることができます。

ポイントPowerScaleのファイル分散コピーのここがすごい!

  • パリティを複数個付与することで最大4ノードの同時障害にも対応
  • 何台までのディスク・ノード障害まで耐えられるようにするか、
    保護レベルを管理者側で設定可能
  • さらに特定のフォルダ/ファイルのみ保護レベルを変更することも可能

一般的なストレージの場合

コントローラー2つで冗長化していても、システム継続できるのはコントローラー1つの障害のみ。筐体側でエラーがあればシステム停止に…

一般的なストレージの場合

PowerScaleの場合

PowerScaleは複数のノードをクラスタ化し冗長化。
1ノード(筐体)が停止しても稼働です。

PowerScaleの場合

PowerScaleは、一般的な”HA”や”RAID”といった仕組みは利用しておらず、その代わりにクラスタ全体での保護レベルを指定するだけで自動的に冗長性が確保されるアーキテクチャになっています。一般的なストレージではコントローラー側でエラーが発生すればシステムが停止するのに対し、PowerScaleは1ノードまるごと停止してもシステムを稼働し続けることができます。

一般的なストレージの場合

一般的なストレージの場合

PowerScaleの場合

PowerScaleの場合

一般的なストレージの場合、クライアントごとに決められたノードにアクセスするため、アクセスが集中するとストレージに負荷がかかりパフォーマンスが下がりやすい。
PowerScaleなら、SmartConnect機能を介することで自動的にアクセスの少ないノードへとクライアントを誘導し、システムへかかる負荷を分散!高いパフォーマンスで効率よくアクセスすることができます。

ストレージのリプレイス等でのデータ移行を行う場合、多くの懸案事項や手間のかかる作業に時間を取られがちです。データ移行はバックアップやレプリケーションを活用するのか、もしくは専用ソフトから移行するか検討する必要も…。
システムを停止できない場合、既存ノードと新ノードの一次的な並行運用も考えなくてはなりません。PowerScaleなら、既存のクラスタに新しいノードを追加すれば、追加したノードにデータが自動的にコピーされます。コピーが完了したら既存のノードを1台外し、外したノード内のデータが追加分のノードにコピーされたことを確認できたら次の1台を外す。これを繰り返していくだけでPowerScaleのデータ移行が完了。システムを停止する必要はありません。

一般的なストレージの一例


システム停止後に入替作業。作業のスケジュール調整や一時的なバックアップ領域などが必要…

一般的なストレージの一例

PowerScale

新しいノードを追加して、既存ノードを外していくだけ!

PowerScale
Smart AirGap

AirGapとは、外部から隔離されたネットワーク環境にクラスタを用意し、そこにデータをアーカイブする技術のことです。この機能とPowerScaleのレプリケーション機能、そしてRansomware Defenderを連携させることにより、セキュアにデータを隔離することができます。

連携機能できること
識別ユーザー名とIPアドレスで特定攻撃を検出し、リアルタイムでデータに対する防御措置を自動的に実行
保護リアルタイムにユーザーをロックアウト
検知ユーザー行動ベース、変更検知、
既知の拡張子による検知
ユーザー動作の異常検出、ファイルシステムへの脅威に対する警告およびユーザーを中断する自動アクションを実行
対応電子メールやsyslogによる検知、
スナップショットの自動作成
感染の検出時にPowerScale読み取り専用スナップショットを自動生成
復旧ファイルレベルでのトラッキングと
スナップショットによるデータのリストア
感染の影響を受けたファイルの回復時間を短縮

近年では、NIST(米国国立標準技術研究所)が提唱するサイバーセキュリティフレームワークに基づいたセキュリティ対策が求められています。PowerScaleはサイバーレジリエンスに対応。Superna社の Superna Eyeglass Ransomware Defenderと連携することによりサイバー攻撃から重要なデータを保護することができます。

Superna Eyeglass Ransomware Defenderは3rd party 製品です。別途ご購入ください。

Aシリーズはファイルサーバー・アーカイブ用途での利用が多く、コストパフォーマンスも良い売れ筋モデルです。
ファイルサーバー用途の中でも高パフォーマンスを求められる環境であればHシリーズ、AIや映像部政策、レンダリングといった高い処理能力が求めれる場合はFシリーズがおすすめです。

アクセラレータノードはお問い合わせください。
A300
A3000
H700
H7000
F210
F710
F910
A300A3000H700H7000F210F710F910
モデルアーカイブアーカイブハイブリッドハイブリッドオールフラッシュオールフラッシュオールフラッシュ
メモリ96GB96GB192GB384GB128GB512GB512GB
オプションI/Oポート
(ノードあたり各2ポート)
Front-End:
2×100GbE(QSFP28)
または25GbE (SFP28) x 2
Back-End:
InfiniBand接続 x 2、
または100GbE(QSFP28)×2
または25GbE (SFP28) x 2
Front-End:
25GbE(SFP28)
×2100 GbE (QSFP28) x 2

または25GbE (SFP28) x 2
Back-End:
InfiniBand接続 x 2
または100 GbE (QSFP28) x 2
または25GbE (SFP28) x 2
Front-End:
2×100GbE or
25GbE (SFP28) x 2
Back-End:
InfiniBand接続
または2 x 100 GbE(QSFP28)
または2 x 25GbE(SFP28)
Front-End:
2×100GbE(QSFP28)
または25GbE (SFP28) x 2
Back-End:
InfiniBand接続 x 2、

または100GbE(QSFP28)×2

または25GbE (SFP28) x 2
Front-End:
デュアルポート25G NIC
(SFP+/SFP28)
Back-End:
10Gまたは25G接続をサポートする
デュアル ポート25G NIC (SFP+/SFP28)
40Gまたは100G接続をサポートする
デュアル ポート100G NIC (QSFP+/QSFP28)
Front-End:
10Gまたは25G接続をサポートする
デュアル ポート25G NIC (SFP+/SFP28)
40Gまたは100G接続をサポートする
デュアル ポート100G NIC
またはデュアルポート200G (QSFP56)
Back-End:
40Gまたは100G接続をサポートする
デュアル
ポート100G NIC (QSFP+/SFP28)
またはデュアルポート200G (QSFP56)
Front-End:
10Gまたは25G接続をサポートする
デュアル ポート25G NIC (SFP+/SFP28)
40Gまたは100G接続をサポートする
デュアル ポート100G NIC
Back-End:
InfiniBand接続 x 2、
または40Gあるいは100G接続をサポートする
デュアル ポート100G NIC (QSFP+/QSFP28)
Disk Type2TB SATA
4TB SATA
8TB SATA
12TB SATA
16TB SATA
12TB SATA
16TB SATA
20TB SATA
2TB SATA
4TB SATA
8TB SATA
12TB SATA
16TB SATA
20TB SATA
12TB SATA
16TB SATA
20TB SATA
1.92TB SSD
3.84TB SSD
7.68TB SSD
15.36TB SSD
3.84TB SSD
7.68TB SSD
15.36TB SSD
30.72TB SSD
3.84TB SSD
7.68TB SSD
15.36TB SSD
30.72TB SSD
Disk本数
(ノードあたり)
6080608041024
搭載容量
(ノードあたり)
120TB
240TB
480TB
720TB
960TB
960TB
1280TB
1.6PB
120TB
240TB
480TB
720TB
960TB
1.2PB
960TB7.7TB
15TB
31TB
61TB
38TB
77TB
154TB
307TB
92TB
184TB
368TB
737TB

PowerScaleのハードウェアは、オールフラッシュモデルのFシリーズとハイブリッド・アーカイブモデルのH・Aシリーズで筐体が大きく異なります。
オールフラッシュノードは1U1台ですが、H・Aシリーズはシャーシモデルとなります。

ハードウェア背面図は現物と仕様が異なる場合がございます。詳細については別途お問合せください。

前面

PowerScaleF210はPowerEdgeベースのハードウェアで1U1台ノードです。 前面にはSSDが4つ搭載されており、インライン重複排除・圧縮に対応しています。

PowerScale F210前面

背面

PowerScale F210背面

前面

シャーシモデルは4Uのモジュラ型のハードウェアとなっており、シャーシ当たり4ノード搭載できます。ノード当たりにDrive Sledが5つ搭載され、SSDまたはHDDが搭載されます。

PowerScale シャーシモデル前面

背面

背面には4台のコントローラーが搭載されており、電源はノードペア間で冗長化されています。
※増設の際は2ノード単位での増設が必須となります。

PowerScale シャーシモデル背面

ポイントiDRACとは?

iDRACとは、PowerEdgeサーバのリモート管理をするためにハードウェアに組み込まれた管理ツールのことです。 物理的にサーバーにアクセスすることなく、リモートでの設定変更が可能です。 PowerScaleは厳密にはサーバではありませんが、PowerEdgeをベースとしてハードウェアが開発されているためiDRACが搭載されています。

question
だから背面がPowerEdgeに似てるんだね!
PowerScaleリモート体感ハンズオンセミナー

『PowerScaleの基礎概要』と『OneFSの運用基礎』がWEBで受講いただえます。

PowerScaleのライセンス体系は大きく分けて3種類。用途に応じて3つのバンドルライセンスからご選択いただけます。

PowerScaleのライセンス体系は大きく分けて3種類。用途に応じて適切なバンドルライセンスをご選択ください。個別ライセンスをバラで購入することも可能ですが、割高になるため基本的にはバンドルライセンスを推奨します。

機能対応一覧バンドルライセンス個別
ライセンス
Enterprise
Advanced
Bundle
Enterprise
Bundle
Base
Bundle
性能監視/
ファイルシス
テム分析
InsightIQ
スナップ
ショット
SnapshotIQ
負荷分散
機能
SmartConnect
Advanced
クオータ
管理
SmartQuotas
レプリケーションSyncIQ
自動階層化SmartPools
ポスト
プロセス
重複排除
SmartDedupe
*⑴
●*⑵
データ
改ざん防止
SmartLock●*⑵
⑴ ポストプロセス方式で重複排除するための追加ライセンス。インライン重複排除はPowerScaleに標準搭載されているため個別ライセンスは不要です。
⑵ バンドルライセンスに含まれないため、個別ライセンスを追加購入ください。
Enterprise Advanced BundleEnterprise BundleBase Bundle
おすすめ
用途
レプリケーションや自動階層機能で
PowerScaleの使い方を多様化
クオータ管理機能でユーザーや
ディレクトリ管理を便利に
基本的なNAS用途での利用に
動画:3分でわかる!?Dell PowerScale

PowerScaleの各種ライセンスが動画で分かる!

主な機能一覧

InsightIQ
InsightIQ

最大144ノードのクラスタを一元管理できる管理・分析ツール。Web GUIで現在のシステムの状況を簡単かつ多面的に把握。

SnapshotIQ
SnapshotIQ

スナップショットを取得し任意の時点にデータを復元。クラスタへの影響を最小限にし効率的かつ柔軟なスナップショットを取得。

SmartConnect Advanced
SmartConnect Advanced

負荷分散機能。ユーザーのアクセス負荷を各ノードに効率的に分散し、システムのパフォーマンスを向上。

SmartQuotas
SmartQuotas

ディレクトリやユーザーグループ単位で使用ディスク容量を管理。利用データの閾値はオンラインで簡単に変更。

SyncIQ
SyncIQ

レプリケーション機能。異なるモデル間の転送にも対応できるため、容量単価を抑えたモデルをデータの複製先に利用することも。

SmartPools
SmartPools

世代やスペックの異なるモデルも1ボリュームで自動階層化。

SmartDedupe
ASmartDedupe

ポストプロセス重複排除。保存後に重複排除するためシステムへの影響が少ない。

SmartLock
SmartLock

WORM機能。設定期間のデータ改変を防止。悪意のあるデータ変更や削除はもちろん、偶発的なトラブルの抑止にも。

PowerScaleはDell Technologiesストレージの中では比較的ハイエンドよりの製品ですが、それを補って余りある多くのメリットがあります。特にその拡張性と冗長性の高さから、データが年々増え続ける環境、業務停止が許されない環境においてはうってつけです。

下記構成は2025年3月時点の定価です。詳しい金額はお問い合わせください。

スケールアウトでシームレスに拡張!

PowerScaleではOneFSと呼ばれるOS、クラスタシステムを使用し、ボリュームサイズ制限などを意識せずに容易に管理可能です。またOneFSでは独自保護システム(RAID等ではない)を採用し、ノード(筐体)間でのデータ保護が可能です。

スケールアウトでシームレスに拡張!

価格例

モデルPowerScaleA300
参考定価¥159,466,335
ディスクSSD 800GB
HDD 2TB ×15
ノード数6
実行容量125.9TB
NICバックエンド:2×25GbE
バックエンドスイッチ:S5232F ×2
フロントエンド:2×25GbE
ライセンスEnterprise Advanced Bundle
保守Prosupport Plus4時間ミッションクリティカル 5年

ポイントPowerScaleはノード単位で買える?

PowerScaleのスケールアウトは、PowerScaleであれば異なるモデルを混在して自動階層化も可能です。ただし、各モデルによってクラスタを構成するための最小ノード数は異なります。
初めに複数ノード混在させるときは各モデルごとにクラスタを構成するための最低台数(Fシリーズは3ノード、その他シャーシモデルは4ノード)で構成しておき、増設する場合は1ノード単位で可能。

モデルタイプモデル名最小ノード購入数1シャーシあたりの
最大ノード搭載数
初期導入時増設時
オールフラッシュF210311
F710311
F910311
ハイブリッドH700424
H7000424
アーカイブA300424
A3000424
アクセラレータB100/P10011
ハード
映像編集/メディア/医療業界への導入実績多数

3DCGアニメーション制作用ストレージをDell EMC lsilonで全面刷新
性能・容量不足の解消と運用効率化に成功

PowerScaleはこんなお客様におすすめです
データが年々増え続けて
ファイルサーバーの管理が大変
データが年々増え続けてファイルサーバーの管理が大変
頻繁にストレージ内のデータにアクセス
頻繁にストレージ内のデータにアクセス
業務停止できない重要なシステム
業務停止できない重要なシステム
ファイルサーバーのデータ移行が大変
ファイルサーバーのデータ移行が大変

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