冗長化と可用性
壊れてもシステムに影響を与えない・・そんなことできるんですか?
ここで一度、企業向けストレージの代表的な構造を見てみよう。
これはあるストレージの背面の写真じゃな。
これを見て、何か気づくことはあるかね?
あっ!2つずつあるパーツが多いですね。
その通り!
このように同じ役割のパーツが2つずつあれば、一方が壊れても
もう一方が動き続けることができるので、システムに与える影響を
最小限にすることができる。これを「冗長化」や「多重化」と言うんじゃ。
後はドライブの障害対策として「RAID」という技術が使われることが多い。
これは後ほど詳しく説明するが、とにかく 企業向けのストレージは
少し壊れてもシステムに与える影響が少なく、データも守られる

というのを覚えておいてほしい。
なるほど。冗長化って、僕が会社を休んだ時に、
同じチームの人が代わりにお客さんにメールの返信を
してくれるようなイメージですね!
ここで「可用性」についても触れておこう。可用性というのは、
機器やシステムが「正常に稼働し、使用できる」度合いのことじゃ。
当然、障害やメンテナンスで停止している間は使用できない。
また特定の期間のうち、何パーセント使用できるかの割合を 稼働率 という。
さて問題じゃ、企業向けストレージの稼働率はどれくらいじゃと思う?
企業向けだからきっとすごいパーセンテージなんでしょうね!
99%とか?
ふむ、では逆に99%の稼働率ということは、
1年間でどれくらいの時間停止するか考えてみよう。
稼働率の計算
1日を秒になおすと:60 × 60 × 24 = 86400秒
1年で:86400秒 × 365日 = 31536000秒

そのうち1%が停止時間ということは、
31536000秒 × 0.01
= 315360秒
= 87.6時間
= 3日15時間36分
1年のうち3日以上停止しちゃうんですね・・・。
そうなんじゃ。稼働率99%というのは、企業向けのシステムにおいては、
それほど高い値ではないということが分かる。
銀行のシステムが3日も止まったら・・・大騒ぎじゃのう?

これが各稼働率における年間停止時間じゃ。
99.999%でファイブ・ナイン、
99.9999%でシックス・ナイン、
なんて言われておる。
今、企業で主要なシステムに利用される
ストレージだと、ファイブ・ナインや
シックス・ナイン以上の稼働率を
うたっているものが一般的じゃ。

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