越智建設株式会社

設   立 : 2010年8月
所在地 : 東京都練馬区東大泉 2-34-5
U R L : http://www.toeilab.co.jp/ ※東映ラボ・テック
    http://www.toei.co.jp/studio/digitalcenter/ ※東映デジタルセンター
事業概要 : デジタルコンテンツのデータ管理およびデータプロセッシングを主なサービスとする

導入前までの経緯

  • 業務用4Kビデオカメラの普及により、映画やテレビ番組の撮影データの大容量化が加速し、バックアップの問題に直面していた。
  • LTO-5およびLTO-6のデータ・カートリッジに撮影データを保存していたが、5時間分のデータをバックアップするのに丸一日が費やされていた

導入後期待される効果

  • IBM TS1150の採用により、データ・カートリッジ1巻あたりの容量がLTO-6比で4倍の10TBに増加、4Kの撮影データも丸ごと収めて顧客に納品することが可能となる
  • データ転送レートも最大360MB/秒に高速化したことにより、バックアップ作業時間を従来の半分以下に短縮できる。

プロジェクトメンバー

東映ラボ・テック株式会社 根岸 誠 氏

東映ラボ・テック株式会社
取締役
スーパーバイザー

根岸 誠 氏

東映デジタルラボ株式会社 土田 仁 氏

東映デジタルラボ株式会社
ポスプロ事業部
システムグループ長
システム インテグレーター

土田 仁 氏

4Kによるデータ大容量化でバックアップ作業が煩雑化

東映は2010年に東京撮影所内に東映デジタルセンターを開設。さらに、グループ会社の東映ラボ・テック株式会社の子会社として、撮影素材のデータ管理やポストプロセッシングサービスなどのデジタル業務を担う東映デジタルラボ株式会社を設立した。
この東映デジタルラボが直面している最大の課題が、4K撮影の増加に伴うデータの大容量化への対応である。一部の業務用の4Kビデオカメラは毎秒240MBの速度でデータを生成するため、例えば延べ5時間分の撮影では4TBを超える。こうした大容量の撮影データが日々、持ち込まれてくるのである。東映ラボ・テックの取締役でありスーパーバイザーを務める根岸誠氏は語る。
「映像制作会社から持ち込まれた撮影データは一次的に編集仕上げ用の専用サーバに取り込んで処理するのですが、同じサーバ上で長期保管まで行っていたのではストレージ容量がいくらあっても足りません。そこで必須となるのが別メディアへのバックアップ/アーカイブであり、私たちはLTO- 5およびLTO-6のデータ・カートリッジを利用していたのですが、この作業が現場での重い負担となっていました」
東映デジタルラボ ポスプロ事業部 システムグループ長の土田仁氏が補足する。
「LTO-6のデータ・カートリッジは1巻あたり2. 5TBの容量しかなく、加えてバックアップには1TBあたり1時間以上を要します。容量とスピードの両面においてLTO-6の能力は限界に来ており、作業を煩雑化させるボトルネックとなっていました」
こうした課題を抱えていた東映デジタルラボの目に止まったのが、LTO-6テープ比4倍の10TBの大容量、最大360MB/秒のデータ転送レートを実現する、IBMエンタープライズ・テープ・ドライブ「IBM TS1150」と「IBM3592 JDデータ・カートリッジ」である。

大容量と高速性を備えたIBMエンタープライズ・テープ・ドライブ

東映デジタルラボではこの新たなテープ・ドライブの導入に向けた検討を開始した。
とはいえ、「スペックどおりの性能が汎用的なサーバやネットワークとの組み合わせのもとで出るのかどうか。技術者として鵜呑みにはできませんでした」と土田氏は振り返る。
そこでIBMは、IBM東京ラボラトリー内に実証環境を用意し、実際の性能を体験・確認してもらう提案を行った。そして同ラボを訪れた根岸氏と土田氏は「カタログスペックに偽りのない360MB/秒のパフォーマンスが常時発揮されることを確認できました。もちろん、これならいけると判断しました」と語る。
加えてIBMとネットワールドは、実際に導入されたCisco Unifi ed Computing System(UCS)C220 M3ラックサーバに2台のTS1150テープ・ドライブをファイバー・チャネル接続した構成で、さまざまな運用パターンでのパフォーマンス検証を実施し、期待通りの性能を出せることを事前に確認している。

煩雑なバックアップ作業を軽減本来業務に専念することが可能に

データ・カートリッジ1巻あたり10TBのキャパシティがあれば、大容量の4K映像データでも10時間分以上を記録することができる。これにより通常の映画やテレビ番組であれば、撮影データを丸ごと1巻にバックアップすることも可能となる。
「デジタル化によってデータの管理主体があいまいになりつつあるのですが、本来はフイルムやビデオテープと同様に、生素材である撮影データはお客様側で保管・管理するのが業界の慣例です。我々としても編集仕上げ作業が完了した後、バックアップデータをテープで納品したいという思いを持っています。撮影データが1巻で収まるようになれば、お客様も我々も管理が非常にシンプルになります」(根岸氏)
さらに、バックアップ作業の効率化に向けても大きな期待が寄せられている。
「LTO-6では160MB/秒だったデータ転送レートが2倍以上の360MB/秒に高速化されることで、バックアップ時間は従来の半分以下に短縮されます。またTS1150のファイルシステムであるLTFSのオペレーションも非常に簡単で、GUI 画面からドラッグ&ドロップ操作でコピーを行うことができます。煩雑だったバックアップ作業の負荷が大幅に軽減され、社内のスタッフは本来の業務である編集仕上げサービスや新たなアプリケーション開発のために、より多くの時間を割くことができます」(土田氏)
もっとも、東映デジタルラボにはまだ大きな課題が残っている。「バックアップデータをIBM3592 JDデータ・カートリッジで納品する」という新サービスの普及に向けたビジネスモデルの確立である。
「お客様にそのメリットを納得していただけるサービスメニューに仕立てなくてはなりません。同時に我々にとっても、将来的なシステム拡張も見据えた上で採算がとれることが重要な要件となります。現在、テレビ番組制作会社の一部のお客様に先行的にサービスを提供しつつ、東映ラボ・テックの営業部門とも連携しながら事業面での設計にあたっているところです」と根岸氏は語る。
また、顧客側にはまだTS1150テープ・ドライブが普及していないため、バックアップテープからデータを読み出す際には東映デジタルラボのシステムを利用する必要があり、そのための環境整備も急がれる。
「新サービスに合わせてコンテンツ/メディア管理のシステムを構築し、公開準備を進めています。これにより『いつ撮影した、どの素材が、どのデータ・カートリッジに記録したか』を一発で検索できます」(土田氏)
テープ・バックアップの概念を変えるTS1150テープ・ドライブという強力な武器を得たことで、東映デジタルラボのビジネスはさらに大きく拡大しつつある。

東映デジタルラボ 構成図

お客様の決断を後押ししたネットワールドの検証支援

今回のプロジェクトを支援したネットワールドは、国内で唯一、IBMとシスコシステムズのVAD(Value Added Distributor)に認定されており、両社の技術や製品に精通する強みを生かして技術支援や導入支援、パートナー向け研修なども開催している。また検証施設の「GARAGE」や「PI C」を積極的に開放して、エンドユーザに提供する前の事前検証をサポートし、構築の労力低減と品質向上を支援している。
本件についても、IBM東京ラボラトリーでの実機確認と機能検証、およびネットワールドGARAGEでのパフォーマンス検証の結果が、お客様の決断を後押ししたと言えよう。

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