システムインテグレーション事業を手がける株式会社シーエーシー様(以下、CAC)では、知識集約型企業として一段の進化を図るため、自社業務基盤の革新に取り組んでいます。社員がいつでも・どこでも業務を行える環境の構築もその施策のひとつ。これを実現するためのインフラとして導入されたのが、ネットワールドが提供する仮想デスクトップ基盤「VMware View」です。社員が日常業務で使用するデスクトップ環境を仮想環境上に統合。また、今回のプロジェクトで得た経験やノウハウも活かし、顧客企業向けのDaaS(Desktop as a Service)ソリューションも展開していく予定です。

プロジェクトメンバー

平瀬 謙次 氏

株式会社シーエーシー
サービスビジネスユニット
サービスビジネス第七部
マネジャー

平瀬 謙次 氏

齋藤 学 氏

株式会社シーエーシー
事業改革本部

齋藤 学 氏

株式会社シーエーシー

所在地 : 東京都中央区日本橋箱崎町24-1
設 置 : 1966年8月8日
資本金 : 37億円204万円(2011年12月末現在)
売上高 : 388億8278万円(2011年12月期:連結)
従業員数 : 1305名(2011年12月末現在)
U R L : http//www.cac.co.jp/
概  要 : 業種別ソリューション、運用管理ソリューション、ITインフラソリューションの3領域でビジネスを展開するシステムインテグレータ。企画・コンサルティングから設計・構築、導入後の保守運用に至るまで、トータルなサービスを提供している。

業務基盤革新のためのインフラとしてデスクトップ仮想化に注目

日本初の独立系ソフトウェア専門企業として、1966年に設立されたCAC。40年以上の歴史を誇る金融業界向けや医薬業界向けソリューションなど、顧客の業界における特有の業務知識・ノウハウを有する人材を擁し、業界固有のニーズに的確に対応し顧客のビジネスを支えるサービスを展開している。また、特定業種・業務向けのソリューションだけでなく、運用管理やITインフラなどのソリューションもトータルに提供できるのが同社の強みだ。持ち前の専門業務知識、総合力、高い技術力を活かし、顧客企業の高度化するニーズにしっかりと応え続けている。
その同社が現在、知識集約型企業として一段の進化を図るために取り組んでいるのが、自社業務基盤の革新である。CAC 事業改革本部の齋藤 学氏は「当社では現在、開発・運用モデルの高度化など、さまざまな中期的課題への取り組みを進めていますが、そのひとつに業務基盤の革新があります。狙いは、技術者たちの知的創造活動がより効果的かつ効率的に行われるようにしたいというところにあります」と説明する。
その目的の実現のために必要だとCACが考えたのが、時間や場所、デバイスの制約を受けることなく、いつでも業務が行える環境だった。そうした環境があれば、プロジェクトやタスクチームで必要に応じて同じスペースに集まって密なコミュニケーションをとることができ、社外有識者などとの業務上の連携も図りやすくなる。そのような環境の構築について検討する過程で目を付けたのが、仮想デスクトップの導入であった。

高い性能と信頼性を評価し「VMware View」を採用

仮想デスクトップを導入する利点としては、まず場所や時間、端末に縛られない業務環境が実現できる点が挙げられる。しかも自分のノートPCなどを持ち歩くのと異なり、セキュリティリスクを軽減することも可能だ。 
市場には様々なソリューションが提供されているが、同社ではネットワールドが提供するデスクトップ仮想化基盤「VMware View」を採用。CAC サービスビジネスユニットサービスビジネス第七部 マネジャー 平瀬 謙次氏は、その理由を「日々の業務を支える重要な基盤ですから、まず初めに重視したのが信頼性・可用性です。また、モバイルなどの低帯域な環境できちんと動作することも大きなポイントでした」と語る。 
プラットフォームにVMware vSphereを採用するVMware Viewは、その特長である冗長化や運用自動化などのメリットをそのまま活かすことができる。また、仮想デスクトップの転送プロトコルとして採用されているPCoIPは、テキストや画像、動画などを高速に転送することが可能だ。
「実際に動作検証も行いましたが、PCoIPのレスポンスは非常にスピーディ。物理PCと比較してもまったく遜色のない環境が実現できます。また、他のソリューションと比較してコスト面でも有利だったため、新たな業務インフラとして採用することを決めました」(平瀬氏)。 
同社では2011年末よりトライアル導入を開始し、実運用に向けた検証や確認作業に着手。ここでユニークなのは、システムの使い勝手を高めるための取り組みに、現場の技術者が自発的に参加したことだ。 
「VMware Viewの基本機能だけだと、個々の技術者の業務に完全にはフィットしきれない部分も出てきます。そこで、こうした課題を解消するために、様々なツールを社内で作成して配布しました。すると開発者の方からも、自分が作成したツールを提供してくれるようになったのです」と平瀬氏は振り返る。 
その結果、スマホ用アプリ開発者向けの画面解像度・画質変更ツールや、VMware View上で簡単に英語キーボードに切り替えられるツールなど、開発生産性や利便性の向上に役立つツールが続々と揃い始めた。まさに先進SI企業ならではのエピソードだが、こうした取り組みが後述する今後のビジネス展開にも大きく寄与することになる。

クライアント環境の標準化とユーザの利便性を両立

数段階にわたるトライアルで充分な手応えを得た同社では、2012年7月より本格的な社内展開をスタート。VMware Viewではデスクトップイメージを構成する際に、個々のユーザごとに専用のデスクトップ環境を構成する「フルクローン」と、共通化されたマスタと差分で構成する「リンククローン」の2つの方式が選べるが、今回のプロジェクトでは後者が採用されている。 
「マスタのメンテナンスが容易ということもありますが、それ以外に開発者向けの環境をできるだけ標準化したいとの理由もありました。従来は開発者のPCごとに環境が異なっており、コストや運用管理負担の増大を招いていました。リンククローンで標準化を図れば、こうした点の解消にもつながります」と齋藤氏は説明する。 
ただしリンククローンでは、全員が共通で使用するマスタ部分へのI/O負荷が集中する。そこで同社では、ネットワールドが提供する「EMC VNX」をストレージとして採用。マスタ領域を高速なSSDに、ユーザー領域を安価なSASディスクに配置することで、性能要件とコスト要件の両立を果たしている。 
今回は標準的なデスクトップ環境として、Windows 7+Office 2007+IE 8という構成が用意されているが、部門やユーザによってはこれ以外の構成を望む場合もある。「たとえば間接部門の一部からはOffice 2003を使いたいという要望がありました」と平瀬氏。そこで活用されているのが、VMware Viewが提供するアプリケーション仮想化機能「ThinApp」だ。これはOSやアプリケーション、データなどをカプセル化してユーザに配信する機能。作成されたEXEファイルはOSに依存しないため、旧OS用のアプリケーションなども仮想デスクトップ上で利用できる。同社でも特定ユーザのみが使用するアプリケーションなどをThinAppで配信し、利便性向上に役立てている。 
また今回のプロジェクトでは、500ユーザ分の環境を「1ポッド」とし、ポッド単位で簡単に移動などが行えるようにしている。これにより、コストや要件に合わせて最適なデータセンターを選んだりすることが可能だ。 
さらに、もう一つ見逃せないのがバックアップである。開発者の業務データは会社にとっても大事な資産だけに、BCPの面からもより確実な保全が求められる。そこで、Amazon Web Serviceに運用機能を組み合わせた同社製クラウドサービスを活用し、各ユーザの仮想デスクトップ環境をクラウド上にバックアップする仕組みを構築。万一の大規模災害などの際にも、確実に業務を継続できる環境を実現している。

シーエーシー 構成図

社内への適用に加え顧客向けサービスも視野に

VMware Viewの導入によって先進的な業務環境を実現した同社だが、さらに注目されるのが、こうした先進的な取り組みをショーケースとして、顧客企業向けのサービスも展開していくという点だ。「先にも触れた通り、本プロジェクトには多くの技術者が参加し、ツールの開発やノウハウの蓄積を行っています。こうした経験と当社の様々なソリューションを組み合わせ、他社にない付加価値を備えた仮想デスクトップソリューションをご提供していきたい」と平瀬氏は力強く語る。 
もちろん、社内における活用も、まだまだこれからが本番だ。齋藤氏は「VMware Viewを利用しているユーザからも、いつでも・どこでも快適に業務が行えると好評です。とはいえ、知識集約型企業を支える業務基盤を実現する上で、やるべきことはまだまだ多い。今後も機能や使い勝手の改善を図り、より良いサービスに育て上げていきたい」と抱負を語る。 
ネットワールドの支援に対する期待も大きい。「ネットワールドのサポートの質やレスポンスの速さについては、日頃から高く評価しています。今回のプロジェクトでも、VMwareViewの豊富な導入経験を活かし、当社固有の問題を解決すべくアドバイスをもらいました。今後お客様向けビジネスの展開においても、より強固なパートナーシップを発揮頂き協業していきたい」と平瀬氏は語った。

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