日本郵船グループのIT企業である郵船情報開発株式会社様(以下、郵船情報開発)では、グループ 企業のITインフラ構築・運用を数多く手がけています。社内にはそのための開発環境が大量に 存在していますが、VMwareによる仮想化を行うことで効率的な保存・活用を実現しています。 この開発環境を支えるストレージ基盤が更新時期を迎えたため、同社では新たな製品へのリプ レースに着手。高い性能と信頼性、運用管理性を備えつつ、コストパフォーマンスにも優れた製品の導入を図りました。これらの要件をすべて満たすものとして採用されたのが、ネットワールドが 提供するユニファイドストレージ「EMC VNXe」です。高い柔軟性を備えた新ストレージ基盤を 実現すると同時に、今後の顧客向けソリューションにおいてもVNXeを活用していく構えです。

プロジェクトメンバー

森住 和史 氏

郵船情報開発株式会社
システムサービスグループ
グループリーダー

森住 和史 氏

若江 潤一 氏

郵船情報開発株式会社
情報システム室

若江 潤一 氏

郵船情報開発株式会社


所在地 : 東京都港区西新橋3-23-5
設 立 : 1981年7月3日
U R L : http://www.yjk.co.jp/
事業内容 : 海運業、港湾事業者向けITソリューションを提供するシステムインテグレータ。長年にわたり培った経験と業務ノウハウを活かし、日本郵船グループ企業やその他の海運関連事業者に対して、トータルなITソリューションを提供している。

豊富な業務ノウハウを誇る海運ITのエキスパート

創業から120年を越える歴史を持ち、日本を代表する海運企業として知られる日本郵船。そのグループ企業の一員として、ITソリューション提供を手がけるのが郵船情報開発だ。同社では非船舶運航業者や海運貨物取扱事業者、港湾事業者など、海運に関わる企業向けの業務システムを数多く提供。この分野におけるリーディング・カンパニーとして活躍している。 
郵船情報開発 システムサービスグループグループリーダーの森住 和史氏は「日本郵船グループのIT企業の中でも、外販を担当しているのは当社のみ。グループ企業へのソリューション提供はもちろん、グループ外企業との取引も行っています」と説明する。 
国際海運ビジネスは明治時代から連綿と続くものだけに、業界固有の慣習や手続きも多い。いくらITに精通していても、それだけではシステムは作れないのだ。郵船情報開発 情報システム室の若江 潤一氏は「その点、当社には、日本郵船グループが長年にわたり培った経験と業務ノウハウがあります。これを活かすことで、お客様に対して最適なソリューション提供を行っています」と語る。

仮想化開発環境には低コストで高信頼のVNXeを採用

同社のソリューションの特長となっているのが、顧客企業のITインフラをトータルに手がけている点だ。「各種の業務システムに加えて、OA環境やネットワークなどの分野も網羅。構築・運用を支援するために、当社から人を派遣するケースもあります」と森住氏は語る。このため同社の社内には、顧客システムの開発環境が大量に保存されている。システムの改修やアップグレード作業などを行う際には、この環境を利用して検証やテストなどを行うのだ。 
もっとも、こうした開発環境を、すべて物理システムで保有するのは非常に負担が重い。そこで同社では比較的早くからVMwareを導入し、開発環境の仮想化を進めてきた。「開発環境はお客様システムの数だけ存在しますから、仮想サーバ数は非常に多いですね。普段は動かしていないものも含めれば、約200サーバくらいはあります」と若江氏は語る。 
これだけ大量の開発環境を保存するとなると、ストレージにも相当な能力が求められる。とはいえ、頻繁にアクセスが発生するようなシステムではないため、高額なハイエンドストレージを適用するのは難しい面もあった。しかも同社では、社内でノウハウを積んだ製品を顧客向けソリューションでも活用している。導入費用の嵩むハイエンドストレージは、こうした後々の用途でも積極的には利用しにくかった。
もちろん、重要な開発環境を保存する以上、高い信頼性・可用性は必須の条件である。しかし同時に、コストパフォーマンスにも優れたストレージが求められたのだ。 
従来はネットワールドが提供するネットワークストレージ「EMC CLARiX AX100」を活用し、このような条件をクリアしてきた。しかし、これも導入から4年が過ぎ、そろそろリプレースのタイミングを迎えようとしていた。そこで同社では、AX100に代わる新たなストレージ製品の選定に着手。その結果選ばれたのが、同じEMCのユニファイドストレージ「EMC VNXe」(以下、VNXe)である。 
森住氏はその理由を「これまでAX100を運用してきて、EMC製品の信頼性を高く評価したことが一つです。普通は5年も使っているとディスク故障などの障害は避けられないものですが、EMC製品に関してはほとんどトラブルが無かった。しかもVNXeはユニファイドストレージですから、iSCSIとNFS/CIFSの両方を使えます。また、優れた機能を揃えた製品でありながら、価格が非常に手頃だった点も決め手となりました」と語る。

郵船情報開発 構成図

初級者でも簡単に使える日本語管理GUIが決め手

同社では、2 0 1 1 年5月に2 Uタイプの「VNXe3100」を導入。AX100上で管理されていた大量の開発環境を移行すると同時に、機能・性能に関する徹底的な検証作業にも取り組んだ。そこでまず高く評価したのが、VNXeに標準で付属するストレージ管理ソフト「 Unisphere(ユニスフィア)」である。 
このツールは、ハードウェアの状態やリソースの使用状況などをGUI画面で分かりやすく管理できるというもの。ボリューム作成やVMWare用のストレージ設定なども、ウィザードを利用して行うことができる。高度な専門知識がないユーザでも、簡単にストレージを使いこなすことができるのだ。 
「GUIベースの管理ツールが提供されるストレージ自体は珍しくありません。しかし実際に使ってみると、オマケ的な機能しか付いておらず、細かい設定にはコマンドラインが必須という製品も多いのです。その点、Unisphereは非常によくできており、これだけでほとんどの作業が完結できます」と森住氏は語る。 
同社の顧客企業の中には、専任の情報システム管理者を置くことが難しい中堅・中小企業も少なくない。しかし、VNXeであれば、そうした企業でも容易にVMware用の共有ストレージ環境を構築できる。森住氏は「この価格帯のストレージ製品で、これほど充実した管理ツールを備えている製品は他にない」と言い切る。 
社内システムの運用管理を担当する若江氏も「システム管理者にとって、運用管理の効率化・省力化は大きな課題。これを実現していく上では、Unisphereのようなツールが用意されていることが非常に重要です」と語る。

大容量で安価なNL-SASディスクでも高い性能を発揮顧客むけソリューションでの活用も

VNXeのパフォーマンスに対しても、高い評価が与えられている。VNXeは高速なSASディスクと安価なNL-SASディスクの両方を搭載できるが、今回同社ではあえてNL-SASディスクを選択。それでも充分な性能を確保することができた。 
「VNXeに格納されている開発環境は、最もI/O負荷が高いものでも、ピーク時のIOPS値が300IOPS程度。こうした用途であれば、NL-SASディスクで全く性能的に問題はありません。また、NL-SASディスクを利用することで、費用対効果も大きく向上しています」(森住氏)。 
検証作業の課程では、VNXeが搭載する大容量キャッシュもかなり性能向上に効いていると感じたという。「現実問題として、速いディスクを載せたからと言って、それほど高速化は体感できないもの。それよりもむしろ大事なのは、キャッシュも含めたシステム全体としての性能です」と森住氏。ブロックアクセスのプロトコルがFCからiSCSIに変わったため、同社では素の状態のVMware環境を構築して転送効率を計測してみた。その結果、最大で180MB/s程度の性能が得られたとのこと。「これもキャッシュによる効果が大きいという印象ですね」と森住氏は続ける。 
VMware環境をユニファイドストレージ上で構築する場合、製品によってはNFSとiSCSIでかなり性能に差が出てしまうケースもある。しかしこの点についても、VNXeでは、NFSとiSCSIでほとんど違いが出なかったという。 
VNXeによって、新たな開発環境用ストレージ基盤を実現した同社だが、先にも触れた通り顧客企業向けのソリューションでも積極的にVNXeを活用していく構えだ。そこでは、シン・プロビジョニングや重複除外/圧縮などの機能も有効に利用されることになる。「今回のプロジェクトは既存のシステム群が対象ですが、今後は海運業界においても、クラウドなどの新技術への関心が高まるはず。幅広いソリューションを持つネットワールドの提案と支援にも大いに期待しています」と森住氏は語った。

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