社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院(以下、済生会熊本病院)では、バックアップシステムの全面刷新を実施しました。同病院ではバックアップソフトを利用して各種システム群のバックアップを行ってきましたが、病院情報システムの大規模導入・更新に伴いバックアップ対象データが急激に増加。従来の運用のままでは、所定時間内に作業が終わらない可能性が生じてきました。そこで同病院では、こうした問題を解消すべく、ネットワールドが提供するストレージソリューション「EMC Avamar」を新たに導入。高度な重複除外機能を活かすことで、バックアップデータの容量を最大90%以上も削減。また、以前は16時間以上掛かっていたバックアップ時間を1時間以内に短縮するなど、大幅な業務効率化にも成功しています。

プロジェクトメンバー

内重 烈 氏

社会福祉法人 恩賜財団
済生会熊本病院
医療支援部 医療情報システム室
室長

内重 烈 氏

野口 忠祥 氏

社会福祉法人 恩賜財団
済生会熊本病院
医療支援部 医療情報システム室
主任

野口 忠祥 氏

社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院

所在地 : 熊本市近見5丁目3番1号
設 立 : 1935年9月16日
U R L : http://www.sk-kumamoto.jp/
事業内容 : 熊本市および周辺地域の医療を担う中核病院。急性期医療や高度先進医療を提供するほか、地域医療と予防医学、医療人材の育成にも積極的に取り組んでいる。「医療を通じて地域社会に貢献します」を病院理念として掲げている。

プロジェクトメンバー

岩永 俊保 氏

株式会社ブレス
代表取締役

岩永 俊保 氏

松尾 健司 氏

株式会社ブレス
システムソリューション部
部長

松尾 健司 氏

株式会社ブレス

所在地 : 熊本市京町本丁8-12
設 立 : 1995年9月1日
U R L : http://www.bress.co.jp/

地域医療の中核拠点として高度な医療サービスを提供

九州地方の文化・経済を担う中心都市として発展を続ける熊本市。その地域医療の中核的役割を担っているのが済生会熊本病院だ。同病院の特長としては、急性期医療と高度先進医療に力を注いでいる点が挙げられる。充実した救急・集中治療設備を用意すると同時に、専門の医療チームが24時間体制で対応。2010年には、救命救急センターに認定された。また、がん治療についても数多くの実績を積んでおり、2008年には地域がん診療連携拠点病院に認定されている。 
近年では医療分野においてもIT活用が欠かせなくなっている。そこで同病院でも、医療情報システム室が中心となって院内IT環境の整備に取り組んでいる。「ここ一年ほどの間に、集中治療系や手術系、救急外来など、様々な部門システムの更新・新規リリースを実施しました。2011年10月には、電子カルテシステムも新たに稼働させています」。と語るのは、済生会熊本病院 医療支援部 医療情報システム室 室長 内重 烈氏。同 主任 野口 忠祥氏も「院内で稼働するサーバ台数は200台以上にも達しますので、環境の改善や見える化にも積極的に取り組んでいます」と続ける。

バックアップ業務の抜本的な改善が課題に

新たに稼働した病院情報システムのためのサーバ環境は、VMwareによる仮想環境を本格的に取り入れた先進的なシステムである。「元々VMwareは、古いシステム群を集約してサーバルームのスペースを空けるために導入したもの。しかし実際に集約を行ってみると非常にメリットが大きい。そこで新規構築するシステムについても、ベンダーの協力が得られるものはできるだけ仮想化を行っています」と内重氏は語る。 
しかしその一方で、新たな課題も生じていた。病院情報システムの全面更新、新規構築に伴ってシステム規模が大幅に拡大したため、バックアップ業務に支障を来すおそれが生じたのだ。同病院のITパートナーであるブレスの岩永 俊保氏は、「以前は午前3時にシステムを止めてそこからバックアップを開始していたのですが、データ量の多い時には翌日の19時~20時くらいまで掛かるような状況でした。この上さらに新規のシステム群が加わるとなると、丸一日掛けてもバックアップが終わらない可能性がありました」と振り返る。 
従来のバックアップ業務ではバックアップソフトを使用し、一度本番ディスクから別のディスクにコピーしたものを、さらにテープに落とす運用を行っていた。ブレスの松尾 健司氏は「この運用のままで対応しようとすると、同様の環境を丸ごと追加するか、際限なくディスクを増設していくしかありません。これでは抜本的な解決にならないので、何か別の方法を取る必要があると考えました」と語る。 
こうした問題を解決するものとして注目されたのが、ネットワールドが提供するストレージソリューション「EMC Avamar」である。Avamarは重複データをブロックレベルで除外する機能を備えており、バックアップデータ容量の大幅削減と作業時間の短縮を実現することができる。VMwareとの連携機能も備えているため、同病院のような環境にはまさに最適のソリューションであった。 
「サーバ群を仮想統合した以上、バックアップについてもいずれ統合が必要と感じていました。Avamarの機能や効果についても事前に把握していましたから、非常にいい提案だと思いましたね。幸い、病院としても今回の投資に理解を示してくれましたので、導入を決断しました」と内重氏は語る。

済生会熊本病院 構成図

数TBのデータを確実にバックアップ運用の柔軟性も以前より向上

新たに構築されたバックアップ環境では、VMwareで仮想化された業務システム群のバックアップをAvamarエージェントで実施。また、ファイルサーバや病理検査画像管理システムなどのバックアップもNDMPを利用して行っている。これにより様々なシステムのバックアップ環境をシンプルに統合することに成功。数TBにも達するデータを、確実にバックアップできるようになった。 
AvamarでVMware環境のバックアップを行う場合には、各仮想サーバ上にそれぞれエージェントをインストールしてバックアップを行う方法と、エージェントを導入したプロキシサーバから各仮想サーバのイメージを丸ごとバックアップする方法の2種類が選べる。今回のプロジェクトでは、対象となる仮想サーバ数が非常に多いことから、前者の方法を選択してシステムの負荷軽減を図っている。 
「バックアップ運用が以前とは大きく変わってしまうため、お客様に慣れて頂く必要がある点が唯一のネックでした」と岩永氏。しかし、その一方で、業務改善につながった点も少なくない。「業務システムごとにバックアップの開始時間が異なるために、従来はスケジューリングに気を遣って運用設計を行う必要がありました。しかし、Avamarはこのような要件にも柔軟に対応できますので、作業負担はかなり軽減できましたね」と野口氏は語る。
ちなみに、先に触れた病理検査画像管理システムでは、1TBもの領域を確保して画像やドキュメントの保管を行っている。「こうした大容量データのバックアップをテープベースで行っていくのは現実的に不可能。Avamarへの移行はいわば必然だったとも言えます」(野口氏)

大幅な容量削減と劇的な時間短縮を 実現し現場から驚きの声も

Avamarを導入したことで、懸案であったデータ急増への対応、バックアップ時間短縮などの課題も解消できた。「Avamarの効果が最大限に発揮されているシステムでは、90%以上もの重複データを除外することに成功しています。バックアップ時間も劇的に短縮されており、長い時でも40~50分程度しか掛かりません」と松尾氏は力強く語る。 
こうした効果は、各業務部門のシステム管理担当者からも驚きを持って迎えられた。「こちらで設定を済ませて運用を引き継ぐと、業務部門側ではシステムのバックアップが数十秒程度で終わってしまう。『これで本当にバックアップできているのか』と現場の担当者から疑われる始末でした」と内重氏は苦笑する。中には「ちゃんとリストアできることを証明して欲しいとの要望もあった」(野口氏)とのこと。もちろん実際にリストア作業を行っても問題ないことが検証されている。 
「テープ媒体からのリストアには多くの時間と工数が掛かる上に、完全にリストアできないケースもあります。そうした不安が払拭されたことも、Avamar導入の大きなメリット」と岩永氏は語る。ソリューション提供を支援したネットワールドへの信頼も厚い。松尾氏は「ネットワールドは技術スタッフの人数が多く、スキルも高いので非常に助かっています。今後も技術/セールス活動の両面で、従来通りの支援をお願いしたい」とにこやかに語る。 
新たなバックアップ環境を実現した済生会熊本病院だが、今後はまだAvamarにつながっていないシステム群へも対象領域を拡大し、バックアップ業務のさらなる最適化・効率化を進めていく構えだ。 
「医師や看護師、技師などの医療従事者が、思う存分力を発揮できる環境を提供することが我々のミッション。今後もITの側面から、チーム医療の実現をしっかりと支えていきたい。また、それと同時に、コスト削減や病院経営の最適化にも貢献していきたいと思います」と抱負を語る内重氏。地域医療を支えるための取り組みは、これからもまだまだ続いていきそうだ。

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