今回のシステム構築を担当したのは、同社のITパートナーである日本情報通信株式会社(以下、日本情報通信)だ。「複数のベンダに提案を依頼しましたが、ネットワールドと日本情報通信の提案が一番当社に適していました」と茂木氏は語る。
特に決め手となったのが、導入に際しての支援体制だ。「いくら技術的な問題がないと言っても、実業務に適用するのは今回が初めて。一台の物理サーバにどれくらいの仮想サーバを集約できるのか、信頼性は大丈夫かなど、不安な点も少なくありませんでした」と内野氏は振り返る。そこで日本情報通信では、自社所有の検証環境を提供するなど、万全の体制で導入をバックアップ。日本情報通信 法人営業部 製造営業部 板垣慶一氏は、「お客様ニーズのしっかりと把握し、導入作業をスムーズに進めることに注力しました」と語る。また豊富な構築実績やユーザーへの教育体制など、ネットワールドのサポートに対しても高い評価が寄せられた。
構築作業には2006年7月に着手。10月に開発用環境を社内に公開し、12月より本番稼働を開始した。現在は3台の物理サーバ上で「VMware ESX Server」を動かすと共に、仮想マシンのサーバ間移行を可能にする「VMware VMotion」、システムリソースの動的割り当てを実現する「VMware DRS」、高可用性ソリューション「VMware HA」なども活用している。
「VMotionとDRSを組みあわせれば、3台のサーバ負荷を自動的に平準化できます。特に管理者側で意識しなくとも、自律的な運用が実現できました」と鑓田氏は満足げに語る。本稼働当初は本番用/開発用でリソースプールを分けていたが、VMotion+DRSの効果が期待以上に大きかったことから、現在では一つのリソースプールを共有しているとのことだ。
また、信頼性についての不安も解消。内野氏は「開発環境を稼働させて以来、ずっと安定稼働を続けてくれています。万一に備えてHAも導入してありますので、信頼性や可用性への懸念は払拭できました」と語る。
大幅なコスト削減に成功システム品質の向上にも寄与
VMwareを導入したことで、様々なメリットがもたらされた。まず一点目はサーバコストの削減だ。「現状でも約3割のコストが削減できていますが、最終的には5割程度まで減らせると見込んでいます」と茂木氏。鑓田氏も「ミドルウェアによっては、ライセンスが物理CPU単位での課金に。これによるコスト削減はもちろん、ライセンス管理も楽になりました」と続ける。
また、運用管理の効率化にも大きく貢献している。従来はサーバが必要になった場合、ハードウェアの調達やOSのインストール、設定作業などを個別に行わなくてはならなかった。しかし現在では、VMwareのテンプレート機能を利用して、簡単に環境を構築することができる。テストを行う際なども、クローン機能を利用することで大幅な期間短縮が実現できた。「クローン機能を使えば、本番環境と同じ環境を利用したテストなども行えます。期間短縮だけでなく、システム品質の向上にも役立っていますね」(鑓田氏)。
同社の取り組みの特徴として、将来を見据えて環境を構築している点が挙げられる。「先にも述べた通り、安定運用を実現するためには、システムの標準化を進めていくことが重要です。VMwareによる仮想環境は、そのための基盤として非常に有効だと考えています」と内野氏は力強く語る。今後は物理サーバの集約をさらに推進していくと同時に、ディザスタリカバリなどの用途にもVMwareを活用していくとのことである。

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