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京都大学 学術情報メディアセンター
利用者にバーチャルマシンと意識させないダブルOS環境を、VMwareをベースに開発
詳細な資料はこちらから (PDF:1.09MB)
これまで何人ものノーベル賞受賞者を輩出している京都大学は、学術情報メディアセンターのシステム全面更新に伴い、バーチャルマシン環境を選択。そこで導入されたのが、VMware Workstation3.0です。Windowsマシン内にUNIX環境を構築することにより、UNIX専用マシンを用意する必要もなく、コスト削減に貢献。また、ユーザも利用する環境を自由に選択でき、情報環境の利便性向上にも一役買っています。
パソコンの高性能化によりVMware上のUNIXでOKと確信。
京都大学学術情報メディアセンターは、先端的な情報メディア環境を、学生や院生、教職員に提供している。1997年4月に設置された同センターは、4部門に分かれ、情報処理教育用のシステム環境提供、高度な外国語教育の支援、ビデオ等の教材作成、リアルタイム遠隔講義を実施。今回、システムの全面更新により、5年間の利用を前提に、PC1300台、アカウント数70,000の新システムが構築された。その際、バーチャルマシン導入が決定され、ソフトウェアは、入札によりVMware Workstation3.0が選ばれた。この間の経緯について情報処理教育の北村先生は次のように語る。
「旧システムでは、Windowsは9割以上の利用率だが、UNIXは試験前のみ。とはいえ各教室からUNIXが必要という声も強く、また、高校で情報処理教育が始まることから、大学ではUNIXのプログラミング教育が必要となるでしょう。したがって新システムはWindowsだけにはできませんでした。」
また、運用管理室の丸山先生は、「いまのPCは非常に速く、十分な演算速度を得られるため、VMware上でUNIXを動作させれば、UNIX専用の計算サーバは不要になると考えました。」
しかし、VMware Workstation2.0を使ってみた丸山先生は、様々な不安を覚えたという。
「まず、VMwareの設計を学生が自由に変更できる危険性。また、再インストールの際のディスクイメージ一斉配信で、VMwareはどう動くのかという不安。また、ネットワークに対する安定度、グラフィックス速度、USBやDVDへの対応等。しかし、こうした不安も、ネットワールドの協力や、なによりVersion3.0が登場したことにより、すべて解消されました。確かに導入時には、色々な問題がでてきましたが、VMwareのホームページに十分なFAQがでていましたので、それらを参照すれば、ほとんどが解決できました。」
ファイルサーバとの接続にVMwareを活用。
「導入にあたっては、ホストOSをWindowsにするのか、Linuxにするのか悩みました。 予算の関係で、ファイルサーバの容量は6TBしか確保できません。冗長化としてミラーリング構成をとっているので、実質3TB。 これを約3万のユーザで利用すると、一人100MBという非常に厳しい容量です。そこで今回は、学生たちにリムーバブルデバイスを持ち歩いてもらうことも可能にしました。そのためにUSB接続が必須となり、またDVDも使いたいという声もあり、ドライバその他の安定性を考えて、ホストOSはWindowsに決定しました。」
ホストOSにWindowsを選択したことにより、今度はUNIXのファイルサーバとの接続という新たな悩みが発生した。だが、ここでVMwareが大きく貢献することになる。
「ファイルサーバはHP-UX11i。このUNIXがどうやってWindowsに対し利用者のホームディレクトリを提供するか、いろんな方式を検討しました。マイクロソフトのService for UNIXを利用しようとしましたが、アカウント数が3万となると対応は難しい。また、ファイルサーバ上にSambaを入れたらどうか。しかし1300台を3万ユーザが利用している状況を考えると、単一サーバ上のSambaが果たして安定稼働するのか。そこで考えたのが、各端末にVMwareを導入しているのだから、その中でSambaを動かして、NFSとSMBの変換をしたらどうかという仕組みです。これを構築してみると、実際、極めてうまく稼動しています。パフォーマンスはなんら問題もなくトラブルもありません。VMwareを、UNIXとWindowsの中継点として使う。新しい活用法を発見した感じですね。」
サスペンド機能を活用して、快適なUNIX環境を維持。
VMwareの導入にあたっては、それぞれの端末が、利用者にはWindowsやLinuxだけが動いているよう見えるよう工夫が必要だったという。
「実は、Windowsしか使えない学生のPCに突然Linuxが出てくると、動転してしまうんです。そこで、裏ではLinuxが動いているけれど、画面ではWindowsだけが動いているように見える仕組みを開発しました。学生がログインすると、通常のWindows起動画面が現れます。次にキーを押すとWindowsかLinuxを選ぶボックスが表示されます。この時、どちらを選択しても、それぞれの環境がフルスクリーン表示されますが、Windowsを選択しても、すでにVMwareは動作し、裏でLinuxが起動している。つまり利用者は、自分が使いたい環境だけを動かしているように見えるわけですね。この一連の流れをスムーズにするために、VMwareのサスペンド&レジューム機能が非常に役立ちました。Linuxを使うために、いちいちVMwareを起動し、Linuxを立ち上げていては時間がかかり過ぎます。そこでサスペンド&レジューム機能を起動時に織り込むことによって、その時間を省略することができました。利用者はログインすれば、すぐにLinuxを使えるわけで、バーチャル環境だということも意識してないでしょうね。」
今後も学生・教官に広く使ってもらうために、情報基盤整備をはじめ、教育環境の支援を図る学術情報メディアセンター。だからこそ、VMwareへの期待も大きい。
「教育機関は大量導入が前提です。Windowsは一斉配信がメジャーになってきて、それに関連したツール類が揃ってきました。したがってこれからは、Windows内のVMwareの中のゲストOSの設定を管理するツール。これが必要になってくるでしょうね。ネットワールドには、ぜひお願いしたいです。」
大量のPC環境、複数のOSが前提となる教育機関から、コスト削減、運用の容易さをもたらすソリューションとして注目を集めているVMware。その期待に応えるために、よりいっそうの進化が求められているのである。
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