Linuxのサポート体制

Linuxの実力は広く認められ、コスト削減の切り札のように言われることも少なくありません。ところが日本企業での導入はLinuxに対するスキルの不足が影響してまだまだ黎明期にあり、ビジネス利用への不安の声も聞こえてくることもあります。手厚いベンダーサポートあるいはSIer様によるサポートが一般的であるところから、商用Linuxディストリビューターのサポートだけでは不安を感じる面もあるようですが、現在ではシステムベンダーやSIer様がLinuxシステムのサポートに本腰を入れ始めており、今後Linuxの企業導入率が向上していけばさらにLinuxサポート体制は強化されることが見込めるのも事実です。

Linuxの導入コスト

オープンソース・ソフトウェア(OSS)ベースなのでOS自体のライセンスが安く、クライアントごとに必要なCAL(Client Access License)も不要、ベンダーの都合によるバージョンアップも強要されず、低価格のIAサーバ上で動作するなどといった理由から、Linuxは導入コストが安上がりになるというメリットが強調されることが多かったのは事実です。しかし、オープンソースであるLinuxをサーバOSとして使う際には、ライブラリやシェルなどの組み込みが必須で、業者があらかじめOSとしてそのまま使える状態まで作り込んで有償で提供するようになりました。これが商用ディストリビューションです。現在企業が導入するときには無償のLinuxではなく、他のOSと同様に有償の製品として購入することになり、導入時のコストは他のOSに比べ低額ではあるものの、有償である点では同じです。

LinuxのUNIXやWindowsとの違い

導入コスト面でのメリットが限定的だとすると、それでもLinuxが注目される理由は何でしょうか。これを考えるために、まずLinuxとUNIX、Windows各OSについて、メリットとデメリットをまとめてみました。

 

【Linux】

【Windows】

【UNIX】

安定性と信頼性、用途に関する違い

基本的にUNIX同等の安定性/信頼性が認められている。ミッションクリティカルな業務への適用は実績が増えてきている段階で、徐々に金融系などの基幹系業務への適用事例が出はじめてきた。現在はWebのフロントエンドでの利用が中心的である。

Windows NTがサーバ用OSとして普及したが、その安定性/信頼性に対する評価は高くない。基幹系システムでの適用例は少ないが、社内のプリントサーバやファイルサーバ、Webのフロントエンドのサーバには多用されている。

ミッションクリティカルな業務への適用実績が多く、安定性や信頼性に不安要素が少ない。そのため基幹系システムからWebのフロントエンドまであらゆる領域で利用されている。多くのサーバを用いた大規模システムも珍しくなく、幅広い分野で実績を積んでいる。

ハードウエアコストに関する違い

低価格なIAサーバが利用できることがUNIXに対する最大の優位ポイント。また最近のIAサーバが備えはじめている信頼性を向上させるための機能を活用できるという利点もある。Windowsに対してはまったく同じ土俵で競合するが、対応する周辺機器の豊富さではWindowsに一歩譲る。

ハードウエアコストがUNIXマシンに比べ格安。周辺機器は市場シェアを反映して豊富に低価格なものが揃っている。

各サーバベンダー独自にハードウエアの性能を十分に出せるよう最適化したUNIX改良版(HP-UXやUltraSPARKなど)があり、性能面でWindowsサーバの上を行くものの、反面サーバマシンおよび周辺機器のハードウエアコストが高額になっている。

運用管理の容易性の違い

UNIXと同程度の安定性・信頼性をもつため運用管理は比較的容易と考えられる。特にUNIXマシンのリプレースの場合、UNIX技術者がLinuxのスキルを身につけることはさほど難しくないと言われており、人材教育コストは押さえられる可能性がある。Windowsリプレースの場合は若干の教育が必要になるだろう。バージョンアップやパッチ当ては必要に応じて行うことができ、ウイルス対策も今のところはWindowsほどに深刻ではない。

圧倒的シェアを持つことから技術者の数は多く、人材・スキルの確保は最も容易。管理ツールは揃ってはいるがサーバコストに対して高額とされることもある。保守料は比較的低額であるが、ベンダーの推奨するバージョンアップやシステムパッチあては事実上避けられず、群を抜いて多いウイルスへの対策等、運用管理の手間が近年ますます増えている。これに辟易しているユーザーが少なくない。

安定性・信頼性に優れるばかりでなく管理ツールが揃っており、システムベンダーやSierからのサポートも十分に享受できる。技術者の数も多く、現在のところこの面では優位に立っている。ただし保守料は一般に高額になりがちだ。

アプリケーションの違い

アプリケーションの数では、他のOSにはとても太刀打ちできない状況である。特に業務パッケージは数が少なく、業務システムへの適用が進むでいません。しかし、UNIXアプリケーションの移植がしやすいことも含めて考えると、やがてはUNIX同等の品揃えになっていくことが見込まれる。今後は業務システムにも適用されていくことと思われる。

UNIXの場合と同様に、業務パッケージ、自前のアプリケーションともに量的に最も多い。またオフィスツールが幅広く対応していることも心強い。この点は他のOSにはない独自の強みであろう。

業務パッケージが揃っているとともに、業務アプリケーションを各種開発・保有している企業が多い。既存資産が多い場合にはLinuxといえども移行のためのコストを勘案し、運用管理のしやすさ、安定性など、全体としてのコスト評価を行うべきであろう。もっともWindowsシステムへの移植を考えるよりはLinuxシステムへの移植ははるかに容易になることは予想できる。

Linux独自のメリット

Linuxの最も顕著な差別ポイントはカーネルがあることです。ユーザー企業としての最も大きなメリットは特定ベンダーの意向によって今後の方向性が左右されないことです。Linuxの場合、オープンソースであるということの前に、それを世界中の技術者が力を合わせて改良していくことができる信頼すべき体制がすでに確立されていることから、開発・改良に関して意見する途が決められていて、多数の監視のもとに作業が行われるプロセスでは、一部の利益にのみ偏る可能性が避けられることにつながります。合理的に改良されたバージョンを、将来にわたって享受可能なことが明確に予想できるのが特徴といえます。

ネットワールドの取り組み

Linuxはすでに他のOSと同列なレベルにまで成長してきています。UNIXに比べるとシステムコストは格段に下げることができますが、Windowsに比べると必ずしも有利とばかりはいえない状況ですが、Linuxは上述のほか、IA-64サーバの利用による高速化、あるいはメインフレームLinuxを利用した高速化や高可用化などいくつか選択肢があります。Windowsに比べてウィルスやワーム被害が圧倒的に少なく、オープンソースのため、セキュリティホールやバグの対応が早いというセキュリティ面のメリットもあります。企業の実情と投資可能なコスト、削減可能なコスト、システムのTCOをよく考慮した上で、お客様にとって最適な選択を行うことが大切です。

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