2010年2月
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長野県・塩尻市では、庁内で利用するクライアントPCのセキュリティ強化を実施した。同市では大量のPCを業務に活用しているが、セキュリティパッチの適用作業などがなかなか徹底されない、運用管理に多くの工数が掛かるなど様々な問題があったのだ。
そこで同市ではこうした課題を解消すべく、ネットワールドが提供するサーバーベース・コンピューティング(以下、SBC)ソリューション「Citrix XenApp」を導入。約450台のクライアントPCをSBC環境へ移行することで、情報漏洩や不正アクセスの防止、運用コスト削減など、数多くのメリットを実現している。
塩尻市役所
協働企画部 情報推進課
情報企画係 係長
小澤 光興氏
塩尻市役所
協働企画部 情報推進課
情報企画係 主事
横山 朝征氏
リコー販売株式会社
ソリューション統括本部
テクニカルセンター IT技術室
長野ITグループ担当係長
岡村 祐之氏
リコー販売株式会社
長野支社 エリア事業部
東信営業部 東信MAグループ
担当課長
合津 真吾氏
茅野市
| 面 積 : | 290.18km² |
|---|---|
| 人 口 : | 68,318人(2010/01/01現在) |
| 世 帯 数 : | 25,597世帯(2010/01/01現在) |
| URL : | http://www.city.shiojiri.nagano.jp/ |
| 概要 : | 1959年に塩尻町・片浜村・広丘村・宗賀村・筑摩地村の合併によって市政施行。1961年に洗馬村、2005年に楢川村を編入合併。豊かな自然環境を活かして観光業や農業が盛んに行われているほか、精密機器工場をはじめとする工業分野の活動も活発である。 |
リコー販売株式会社
| 創 業 : | 1959年5月2日 |
|---|---|
| 資 本 金 : | 6億2,240万円 |
| 従業員数 : | 5,229名(2009年4月1日 現在) |
| URL : | http://www.r-hanbai.ricoh.co.jp/ |
中山道の宿場町として、古くから栄えた歴史を持つ長野県・塩尻市。漆器で有名な奈良井宿をはじめとする数多くの観光資源に恵まれ、毎年多くの観光客を集めている。市内で発掘された平出遺跡は、同じ長野・茅野市の尖石遺跡、静岡の登呂遺跡と並び、日本三大遺跡として有名だ。豊かな自然環境を活かして農業も盛んに行われており、高原レタスなど様々な野菜、果物が栽培されている。特にぶどうは国内でもトップクラスの品質で、市内には全部で10ケ所ものワイナリーが稼働。ここで醸造されたワインが、国際的な賞を受賞している。また、地元産のそば粉と清らかな水を使った、蕎麦の名店も多い。また、同市の特徴として、地域情報化に意欲的に取り組んでいることが挙げられる。1996年には、市営プロバイダ「塩尻インターネット」を開設。回線はアナログ/ISDNのみの対応だが、市民と市内で働く人なら、なんと会費無料で利用できる。現在では、総延長100kmの光ケーブルを敷設し、小学校などの施設と接続する取り組みも実施。ブロードバンド時代にふさわしいIT環境を地域に提供している。
また、同市の特徴として、地域情報化に意欲的に取り組んでいることが挙げられる。1996年には、市営プロバイダ「塩尻インターネット」を開設。回線はアナログ/ISDNのみの対応だが、市民と市内で働く人なら、なんと会費無料で利用できる。現在では、総延長100kmの光ケーブルを敷設し、小学校などの 施設と接続する取り組みも実施。ブロードバンド時代にふさわしいIT環境を地域に提供している。
同市では、庁内業務のIT化についても積極的に推進している。塩尻市役所 協働企画部情報推進課 情報企画係の小澤 光興係長は「インターネットが普及し始めた初期の頃には、自前でケーブルを引いて庁内のネットワーク環境を整備したり、ユーザーへの啓蒙活動を行ったりしてきました」と振り返る。やがてクライアントPCの一人一台体制も整い、業務にメールやWebを使うことも当たり前となってきた。
しかしその一方で、新たな課題もまた生まれていた。小澤氏は「一番の問題はセキュリティです。他の自治体ではウィルスによる被害なども生じており、塩尻市でも早急な対策が急務だと感じました」と説明する。
もっとも、セキュリティ対策を行う上では大きな問題があった。クライアントPCの安全を守るためには、セキュリティパッチの適用などを確実に実施しておく必要がある。しかし同市のクライアントPCは、市役所内だけでなく、保育園や出先機関など、様々な場所に設置されていた。このため適用作業を依頼しても、なかなか思うように徹底されないケースがあったのだ。小澤氏は「しかも、こうした作業を各現場で実施してもらうためには、管理者権限をユーザーに与える必要があります。これもセキュリティ上の懸案事項でした」と続ける。
さらに、問題はこれだけではなかった。クライアントPCにトラブルなどが発生する度に、情報部門の職員が現地まで行かなければならなかったのだ。環境も PCによってバラバラだったため、その対応には多くの工数と時間が掛かったという。「セキュリティはもちろん重要ですが、かといって、情報化施策に全力を注ぐべき職員が、PCの管理に追われているような状況も望ましくない。何かこのような問題を解消するソリューションはないかと思いました」(小澤氏)。
こうした時に、ITパートナーである長野リコーから提案を受けたのが、ネットワールドが提供するSBCソリューション「CitrixXenApp」であった。リコー販売の合津 真吾氏は「Citrix XenAppによるSBC環境は、まさに塩尻市様の課題に最適のソリューションです。その効果を確かめるべく、当社との協同による実証実験を実施しました」と説明する。
SBC環境の実証実験は、市内のIT関連施設である塩尻情報プラザにおいて2003年より開始された。実験コーナーには様々なOSを搭載したPC約20台に加えて、シンクライアント端末も設置。市民にも自由に使ってもらい、SBC環境の効果を検証した。その結果、性能や使い勝手についての大きな問題はなく、隣町の情報センターからネットワークセグメントを超えて接続する実験にも成功した。「この実証実験によって、導入に向けた弾みがつきました」と小澤氏 は説明する。
しかし、実証実験・即導入ということにはならなかった。ユーザー側から、従来と環境が変わることに反対する意見が出たのである。塩尻市 協働企画部 情報推進課の横山 朝征氏は、「クライアントPCにデータが保存できない、外部記憶装置やUSBが使えないなど、自由が制限されることに対する反発がありました」と語る。とはいえ、住民の個人情報などの重要情報を取り扱う以上、セキュリティ強化が最優先事項である。そこで同市ではCit rixXenAppの導入を決断。2004年度より、順次SBC環境への切り替えを行っていった。
もっとも、ユーザーの反対の声も、SBC環境に慣れるに従って次第に薄まっていったという。実は横山氏自身もその一人。現在はCitrix XenAppの運用管理を担当しているが、導入当時は他部門に所属するユーザーの一人だったのだ。「当時使っていたWindows98端末が Windows 2003 Serverのパフォーマンスで動くわけですから、その違いは歴然でした。まさに劇的な使い勝手の差を感じましたね」(横山氏)。
SBCへの移行は、2004年度から2006年度の3年計画で実施。現在ではXeon 3.0GHz・4GBメモリを搭載したサーバ20台に、約450台のクライアントPCが接続されている。システム構築にあたっては、できるだけユーザーに 負担を掛けないような配慮も施された。たとえばユーザーが操作に迷わないよう、Windowsのスタートアップ機能でICAクライアントを起動し、自動的 にCitrix XenAppのログイン画面を表示させている。「操作画面についても、全員が同じ公開デスクトップを使用する方式を採用し、操作性の統一を図りました」と 小澤氏は語る。
またセキュリティ面では、Windowsドメインを構築して、クライアントPCのデバイス制御やユーザーアカウントの管理などを集中的に実施。長野リコー の岡村 祐之氏は「今回はセキュリティと使い勝手の両立に力を注ぎましたが、システム構築の過程では、ネットワールドのサポートにも大いに助けられました」と語 る。
SBC環境が本格稼働したことで、冒頭に述べたようなセキュリティ問題は完全に解消。データもサーバ側で集中管理されているため、PCからの情報漏洩や不 正アクセスの心配もなくなった。横山氏は「運用管理の面でも、以前のようにわざわざ現地まで行く必要がなくなりました。全員の環境が統一されているため、 トラブル原因の特定なども容易です」と満足げに語る。同市で導入している財務会計パッケージのレスポンスがSBC環境では大幅に改善されるなどの効果も生 まれている。
2009年5月にXenAppへバージョンアップ。今後に向けた抱負を「現在もLinux版ICAクライアントの導入検証など、さらなる改善に向けた取り 組みを進めています。コストを抑えつつ、最適なIT環境を実現していきたい」と語る小澤氏。横山氏も「職員の業務環境を改善することで、市民サービス向上 に貢献していきたい」と続けた。
