2008年4月
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近年では官公庁・教育機関においても、セキュリティ強化が重要なテーマになっています。長野県・茅野市でも、市内小中学校の教職員が利用するクライアントPCの安全対策が大きな課題になりました。同市ではよりセキュアな教育環境を実現すべく、クライアント環境の抜本的な見直しに着手。ここで選ばれたのが、ネットワールドが提供するサーバーベース・コンピューティング・ソリューション「Citrix Presentation Server」です。重要な個人情報をサーバ側で集中管理することで、クライアントPCからの情報漏洩を確実に防止。またクライアント用OSライセンス数 の最適化などによるコストダウンにも成功しています。
茅野市役所
企画総務部
地域情報推進係長
両角 直樹氏
茅野市役所
企画総務部
地域情報推進課
田中 裕之氏
茅野市
| 面 積 : | 265.88km² |
|---|---|
| 人 口 : | 57,201人(2007年現在) |
| 世 帯 数 : | 22,122世帯(2007年現在) |
| URL : | http://www.city.chino.lg.jp/ |
| 概要 : | 諏訪盆地中央部に位置する茅野市は、八ヶ岳連峰や白樺湖、蓼科湖など多くの観光資源に恵まれた街である。厳しい冬の寒さと乾燥した気候を活かした天然寒天づくりでも有名。また同市の市役所は、全国の市役所庁舎の中でも一番標高の高い場所に建てられている。 |
標高2900mを超える雄大な八ヶ岳連峰をはじめ、白樺湖、蓼科中央高原など、国内屈指の自然環境に恵まれた長野県・茅野市。毎年多くのスキー客やリゾート客を集める同市は、5000年前から人々が暮らす「縄文王国」としても有名である。
また、長い歴史と伝統を誇る一方で、ITを駆使した先進サービスを展開しているのも同市の大きな特長だ。市が運営するコミュニティサイト「茅野市どっとネット」には、市政や生活、観光、ショッピングなど、様々な分野の情報を満載。しかも単なるポータルサイトではなく、市民向けの情報プラットフォームとしての機能も備えている。茅野市役所 企画総務部 地域情報推進課の両角直樹 情報化推進係長は「当市では『公民協働のパートナーシップのまちづくり』を掲げており、情報化政策においても市民の方々と一緒になって計画を立案しています。茅野市どっとネットも、その成果の一つです」と説明する。
茅野市どっとネットのIDを取得すると、簡易ホームページ作成機能やWebメールなどの機能を利用することが可能。また情報ページのカテゴリに、自分のホームページを登録することもできる。茅野市役所企画総務部 地域情報推進課の田中 裕之氏は「いくら新しいサービスを作っても、市民の方々に使って頂けないのでは意味がない。なかなかITに馴染みのないご高齢の方なども含め、本当に市民生活に役立つサービスをご提供していくことが我々の使命だと考えています」と語る。
地域情報化の取り組みを進めていく中では、様々な課題に突き当たることも少なくない。特に近年では、情報セキュリティの強化が社会的な要請ともなっている。同市でもこうした課題を解消すべく、個人情報保護や不正アクセス防止に向けた取り組みに着手。その一貫として、市内の小中学校13校で使用されている教職員用クライアントPC環境の見直しを実施した。
「以前は各学校において、Windows NT4.0 WorkstationやWindows 98などの古いOSを搭載したパソコンを利用していました。セキュリティリスクの軽減を図るためには、一刻も早くクライアント環境を刷新する必要がありました」と両角氏は振り返る。
もっとも、単純にPCのリプレースやOSのバージョンアップを行うだけでは、問題は解決しない。最近では教職員による情報漏洩事件がしばしば報道されているが、その多くがノートPCやUSBメモリなどの紛失・盗難によるものだ。情報を外部に持ち出すことがセキュリティ問題につながっている以上、クライアント単体のみのセキュリティ対策では限界がある。
こうした問題が起きないよう、情報の持ち出しをルールで厳しく制限する方法もあるが、同市ではあえてその手法を用いなかった。「先生方の業務の実情を考えれば、仕事の持ち帰りを完全に制限するのは難しい。守りきれないルールを一方的に押しつけるよりも、もっと抜本的な解決策を講じるべきだと考えました」 (田中氏)。
そこで目を付けたのが、ネットワールドが提供するサーバーベース・コンピューティング・ソリューション「Citrix Presentation Server」である。「ローカル側にデータが残らないシンクライアントなら、どこでも安心して仕事ができます。Citrix社のセミナーに参加したところ、機能やアプリケーションの対応状況についても当市の要件を満たしていることが確認できました」と田中氏は続ける。
市場にはシンクライアント環境を実現する様々なソリューションが提供されているが、その中からCitrix Presentation Serverを選んだポイントを、田中氏は「まず一点目は、管理が容易であるということです。少人数で効率よくシステムを運用するためには、統合管理がシンプルに実現できる製品が望ましい。また、先生方に従来通りの使い勝手を提供したかったので、専用端末などを利用するソリューションも最初から除外しました」と語る。
現在では、市内の小中学校に勤務する教職員約350名が、Citrix Presentation Serverを利用して日々の業務を行っている。データは市が管理するサーバ上に蓄積されるため、たとえクライアントPCが紛失や盗難被害に遭ったとしても、情報漏洩の心配はない。
システムを利用するユーザーには、導入に先立って「現金や財産を銀行に預けるように、今後は統合サーバでデータをお預りして安全を確保します」と説明。これが功を奏し、移行についての不満などもなかったとのことだ。両角氏は「今までと同じアプリケーションがそのまま使えますので、特別な研修や教育を行う必要もありませんでした。極めてスムーズに新しい環境に移行できましたね」とにこやかに語る。
また、今回のシステムでは、情報保護を徹底するためのユニークな仕組みも盛り込まれている。教職員の業務の中には、成績管理のような機密性の高い業務と、学級だより作成のような日常業務の二種類がある。そこで、業務で使用するアプリケーションのセキュリティレベルによって、ログイン時のユーザーIDを分けているのだ。たとえば成績管理用アプリケーションを利用できるIDでログインした場合は、インターネットを使用することはできないといった具合である。また、自宅に仕事を持ち帰った場合も、Citrix Presentation Server PlatinumEditionに標準装備のユニバーサルSSLVPN機能が威力を発揮。家庭のPCから市の統合サーバへアクセスし、セキュアな環境で業務が行うことができる。
懸案であったセキュリティ問題を解消した同市だが、それ以外にコスト削減効果も挙がっている。統合サーバ上の環境を全ユーザーで共用して使うため、クライアントOSのライセンス数を240にまで削減できた。
また、保守費用面での効果も見逃せない。以前はクライアントPCのメンテナンスを行う度に、直接現地まで出向いて対応する必要があった。同市は面積が広いだけに、外注業者への作業委託コストも馬鹿にならなかったという。それが現在では、市の統合サーバで一元的にメンテナンスを行える。両角氏は「5年間分の保守費用で、約20%の削減が可能と見込んでいます」と力強く語る。
同市ではこうしたメリットをさらに高めるべく、市職員用のクライアントPCについてもCirix Presentation Serverへの統合を進めていく予定だ。「市職員と先生方では業務のピーク時間が異なるので、ちょうどうまい組み合わせになるのでは」と田中氏。また、学校で使用されるアプリケーションは20種類以上にも上るため、Citrix Presentation Serverのシングルサインオン機能も導入検討中とのことだ。「アプリケーションの動作検証や導入後のサポートなど、ネットワールドの支援も大いに役立ちました。地域情報化の取り組みはまだまだ続いていきますので、今後も我々の取り組みをバックアップしてもらいたいですね」と両角氏は語った。
