大手製薬会社として知られる杏林製薬株式会社様(以下、杏林製薬)では、バックアップ業務の効率化などを目的として、全社業務を支えるメインストレージの再構築を実施しました。本プロジェクトでは従来のFC接続ストレージに代えて「NetApp FASシリーズ」を新規採用したことから、ストレージとサーバをつなぐネットワーク環境の見直しが課題に。そこで導入されたのが、ネットワールドが提供する「Cisco Nexus 5000シリーズ」と「Cisco Nexus 2000シリーズ Fabric Extender」です。Nexusシリーズの優れた運用管理性や「Virtual Port Channel」などの先進機能を活かすことで、高い性能とスケーラビリティを備えたネットワーク環境を実現。ビジネスを支える重要なインフラとして活用しています。

プロジェクトメンバー

池田 俊哉 氏

キョーリン製薬ホールディングス株式会社
グループ情報システム統轄部
システムプロジェクトグループ
専門課長

池田 俊哉 氏

杏林製薬株式会社

所在地 : 東京都千代田区神田駿河台2-5
設 立 : 1940年
資本金 : 43億円1700万円(2012年3月末現在)
従業員数 : 1798名(2012年3月末現在)
U R L : http://www.kyorin-pharm.co.jp/
概 要 : キョーリン製薬グループの中核を担う製薬会社。医療用医薬品やOTC医薬品、ヘルスケア製品などの製造・販売を手がける。現在は創業100年にあたる2023年度を目標とした長期ビジョン「HOPE100」、並びに中期経営計画「HOPE100 ステージ1」を強力に推進中。

プロジェクトメンバー

田中 一敏 氏

パナソニックネットソリューションズ株式会社
技術本部システム技術グループ
主任

田中 一敏 氏

パナソニック ネットソリューションズ株式会社

所在地 : 東京都港区虎ノ門4-3-1
設 立 : 2008年1月30日
U R L : http://pnets.panasonic.co.jp/

グループITインフラの最適化や信頼性向上に全力で取り組む

大正12年の創業以来、約90年にわたって日本の医療業界を支えてきた杏林製薬。現在も「健康はキョーリンの願いです。」をスローガンに、医療用医薬品/ヘルスケア製品の製造・販売や新薬の創薬など、多面的な事業活動を展開している。 
その同社のIT環境構築・運用を担当しているのが、キョーリン製薬ホールディングス株式会社 グループ情報システム統轄部だ。同部門のシステムプロジェクトグループ 専門課長を務める池田 俊哉氏は「当グループではITインフラの全体最適化を重点課題に掲げており、各社業務システムの統合・集約化に取り組んでいます。特に近年では業務サーバ群の仮想化を推進し、TCO削減やBCP対策に役立てています」と説明する。
人々の健康や暮らしを支える製薬会社は社会的な責任も重いだけに、システムの安定稼働にも細心の注意を払っているとのこと。池田氏は「もし生産管理システムなどの重要なシステムが止まってしまったら、医薬品を製造することができなくなってしまいます。インフラを担当する我々としても、障害防止やダウンタイムの極少化に全力で取り組んでいます」と続ける。

新ストレージの導入に伴いネットワークの見直しが急務に

最適なIT環境を目指す取り組みの一貫として、同社では2011年夏より各種の業務システムが接続されるメインストレージの再構築に着手した。 
池田氏はその背景を「サーバ仮想化についてはほぼ完了の目処が付いていますが、その一方で課題となっていたのがバックアップ業務の効率化です。従来は各システムでそれぞれバックアップを取得しており、ある程度の台数をまとめてフルバックアップを取るとなると、1日半も掛かってしまうような状況でした」と説明する。 
同社ではこうした問題を解消すべく、VMware仮想環境をターゲットとしたバックアップソフトの導入など様々な方策を検討。その結果、最終的に選ばれたのが、ネットワールドが提供するNetApp社製ネットワークストレージ「NetApp FAS3200シリーズ」であった。 
「キョーリン製薬HDグループ全体の仮想サーバは約130台にも上りますから、ストレージの機能を利用してバックアップを行うのが一番良いと判断しました。NetApp製品には『Snapshot』『SnapMirror』など、様々なデータ保護/DR機能が用意されており、大量のバックアップを効率よく実行できます」と池田氏は続ける。  
もっとも、NetAppを導入する上では解決すべき課題もあった。特に気がかりだったのが、サーバとストレージを繋ぐネットワークのパフォーマンスだ。池田氏は「既存ストレージはやや旧式とはいえFC接続だったため、4Gbpsの帯域が確保されていました。仮想サーバ群の中にはDBサーバなどの負荷の重いサーバもありますので、1GbpsのLAN環境では性能が不足しないか少々心配でした」と語る。 
そこで同社では、ネットワークについてもこれを機に10Gbps化を図ることを決断。この新たなネットワークを支えるスイッチ製品として選ばれたのが、ネットワールドが提供するCisco Nexus5000シリーズ」と「Cisco Nexus 2000シリーズ Fabric Extender」(FEX)である。

Nexus 5000シリーズ+FEXで効率的なネットワークを構築

同社のITパートナーであるパナソニックネットソリューションズ株式会社の田中 一敏氏は、製品選択のポイントを「今回のネットワークはお客様の事業活動を支える重要なインフラですから、安定性の高さが非常に重要です。その点、Nexusシリーズは、NetAppが展開するデータセンタ向けVMwareソリューション『FlexPod』を構成するコンポーネントの一つにも採用されており、今回のような環境にも安心して適用できます」と語る。 
もう一つのポイントはパフォーマンスの確保だ。田中氏は「我々のこれまでの経験からしても、ストレージの性能が出ない時には、スイッチがネックになっているケースが少なくありません。新規導入したNetAppの能力を最大限に発揮するためにも、万全の構成を採用したかったのです」と振り返る。 
また、Nexus 5000シリーズ+FEXの組み合わせにはもう一つ大きなメリットがあった。一般にデータセンタにおけるスイッチの配置には、ラック内サーバを集約する「Top ofRack」(ToR)、複数ラックのサーバを集約する「End of Row」(EoR)などの方式が存在し、それぞれに異なるメリットが備わっている。たとえば前者の場合はケーブルが少なく機器の拡張が容易、後者の場合は管理ポイントが減り運用管理がしやすいといった具合だ。 
その点、Nexus 5000シリーズ+FEXの構成では、各ラックに配置されたFEXがNexus5000シリーズのリモート・ラインカード的な役割を果たす。これにより、機器全体が一つの仮想スイッチのような形で動作するため、ToRとEoRの長所を両方とも手に入れることができるのだ。 
さらに見逃せないのが、Nexus 5000シリーズで提供される「Virtual Port Channel」(vPC)である。この機能を利用すれば、2台のスイッチをまたいだ形でポートチャネルを構成することが可能。面倒なスパニングツリー・プロトコルの設計が不要になり、ネットワークの帯域もフルに利用できるようになる。 
「今回の用途ではストレージサーバ間の接続が主目的ですが、今後基幹ネットワークのような複雑な環境へも適用が拡大した際には、FEXやvPCのメリットがさらに活きてくるはず」と田中氏は語る。

ストレージ用ネットワーク構成概要

パフォーマンスを大幅に向上運用管理の効率化も実現

Nexus 5000シリーズ+FEXによる新ストレージネットワークは、2012年3月より本稼働を開始。今回のシステムの導入メリットについて、池田氏は「当初の課題であったバックアップ統合が実現できた上に、以前に比べてパフォーマンスも大きく向上しました。また、環境の見直しに伴って、ネットワークのシンプル化が実現できた点も大きいですね」と満足げに語る。 
「NetAppや負荷の高いサーバはNexus5000シリーズの10Gbpsポートで、それ以外のサーバについてはFEXの1Gbpsポートで接続すると同時に、vPCも利用して性能・信頼性の確保を図っています。これらのスイッチ環境全体を一元的に統合管理できるのはありがたいですね。将来的に拡張が必要になった場合なども容易に対応できます」と田中氏も語る。 
構築を支援したネットワールドへの評価も高い。田中氏は「今回のプロジェクトではNetApp+Nexusの稼働実績などの情報が非常に役立ちました。今後もぜひ新製品の情報や最新の技術トレンドなどを紹介して欲しいですね」とにこやかに語る。 
「ストレージ用ネットワークについてはこれで一段落ですが、環境改善の取り組みに終わりはありません。今後もユーザに最適なサービスを提供すべく、インフラを継続進化させていきたい」と抱負を語る池田氏。Nexus 5000シリーズ+FEXが活用される場面もさらに拡がっていきそうだ。

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