リコージャパン株式会社

設   立 : 1959 年 5月
資本金 : 25億円
U R L : https://www.ricoh.co.jp/
業   種 : 卸売/小売
事業概要 : ICT関連商品の販売と関連ソリューションの提供、サポート&サービス、システムインテグレーション およびソフトウエア設計・開発。

導入前までの経緯

  • 顧客のシステムをリモートから運用管理するための物理PCの台数が増加し、設置場所や電源供給の手当てをどうするかといった課題に直面していた。
  • 顧客の要望に沿ったPC環境の準備に要する時間をはじめ、アプリケーションの新規配備やメンテナンスの運用工数について、その削減が求められていた。

導入後期待される効果

  • 物理PCをVDI(仮想デスクトップ基盤)化することにより、設置場所や電源供給の課題を解決するとともに、業務停止リスクを大幅に低減した。
  • 運用監視サービス部門のエンジニアが構築・運用を実施することにより、VDIに関するナレッジやノウハウを蓄積。同様の課題を抱える顧客向けのビジネス展開の拡大へ。

プロジェクトメンバー

南雲-操-氏.jpg

リコージャパン
株式会社
ICT技術本部
基盤ソリューションセンター
マネージド推進部 部長

南雲 操 氏

中島-文平-氏.jpg

リコージャパン
株式会社
ICT技術本部
基盤ソリューションセンター
ICT運用部

中島 文平 氏

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リコージャパン
株式会社
ICT技術本部
基盤ソリューションセンター
ICT運用部

清水 雄一郎 氏

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リコージャパン
株式会社
ICT技術本部
基盤ソリューションセンター
ICT運用部

忠田 晃尚 氏

顧客システムを見守るサポートセンターの課題

グローバルに広がるリコーグループの販売体制の中で、日本国内の市場を担当するリコージャパン。約100万社に及ぶ顧客と取引関係にあり、業界屈指の販売ネットワークを持っている。現在はリコーの強みであるドキュメント分野を中心に多種多様なITソリューションを用意、顧客の課題解決につながる製品/サービスをトータルに提供している。
同社の重要な事業領域の一つが、サポートサービスだ。日本全国約370カ所の拠点からエンジニアが顧客先に直接訪問するオンサイトサービスを展開するとともに、顧客システムの運用管理やサポートを担当する各種サービスセンターを開設。オンサイトとセンターの両サービスを連携させ、顧客システムを手厚くサポートする体制を用意している。
そのセンターの一つに「リコー モニタリング&コントロールセンター」(以下、MCC)がある。顧客システムを24時間365日体制で監視し、トラブルを予兆して未然に防止することがMCCのミッションだ。具体的には顧客企業のオンプレミス環境にリモート接続する顧客専用PCをセンター内に設置し、そのPCを介して顧客のシステムを運用管理している。
このMCCには解決すべき緊急の課題があった。当時、MCCを統括する立場にあった南雲操氏は次のように振り返る。
「顧客システムが増えるにつれてリモート接続する物理PCが増加し、その物理PCの設置場所や電源供給が限界に近づいていました」
また顧客の要望に沿った物理PCの準備に時間がかかっていたほか、アプリケーションの新規配備やメンテナンスに運用工数がかかることも課題だったという。

物理PCの課題をVDIで解決する道を選択

MCCでは、課題解決のための施策をさまざまな角度から検討。最終的に物理PCをVDI(仮想デスクトップ基盤)へ移行することとし、VDI導入プロジェクトをスタートさせた。2014年下期のことである。
プロジェクトはMCCを運営する基盤ソリューションセンター(当時はマネージドサービスセンター)のエンジニアがメンバーとなり、内作でVDIを構築することにした。もともとMCCは高度なスキルを持つエンジニア集団であり、自分たちで構築・運用を担当することに不安はない。まずは現状の課題を洗い出し、要件定義を行った。
「要件定義では、VDI ソリューションにVMware製品を導入することにしました。VMware製品はリコーグループが手がけるVDIソリューション案件で多くの導入実績を持っていたことが決め手となりました。この要件定義を受けて2014年末、VMwareのVDIソリューションで豊富な納入実績を持つネットワールドに対してシステムの提案を依頼しました」(中島文平氏) 
リコージャパンから依頼を受けたネットワールドでは、VDIに「VMware Hori zon」、仮想デスクトップと管理ツールが稼働するインフラストラクチャー基盤のサーバーとして「Cisco Unifi ed Computing System(UCS)」、ネットワークに「Cisco Catalyst」、ストレージに「EMC VNXe」を採用するコンバージド・インフラ「EMC VSPEX」を提案。Cisco UCSはインテルのXeonプロセッサを採用したサーバーであり、高い完成度に定評がある。特に仮想化ベンダーやストレージベンダーとの緊密な連携により、コンバージド・インフラとしても広く利用されている。さらにネットワーク製品Catalystも含め、ネットワールドがシスコ製品とVMwareについて豊富な納入実績とノウハウを持つことも推奨理由の一つだった。 
ネットワールドの提案はリコージャパンが求める要件を十分に満たしていたことから、ほぼ提案通りの形で受け入れられた。
「2015年春にはVMware社が開催する認定トレーニングに参加し、構築に向けた準備を始めました。そして設計作業に入り、機材の納品後は構築とテストに着手しました」(忠田晃尚氏)

業務生産性の向上に絶大な効果をもたらす

VDIの構築にあたっては、ネットワークセグメントの設定方法などの面で苦労することがあったものの、概ね順調に進んだという。
「VDIシステムはおよそ2カ月の構築期間で完成し、2015年秋からお客様ごとに順番にVDIへの移行を始めています。現時点(2016年7月時点)ではほぼすべてのお客様の移行が完了しました」(清水雄一郎氏)
今回のVDIシステムでは、合計4台の物理サーバー(Cisco UCS)を用意。そのうちの2台にVMware Horizonの各種管理ツール、WindowsドメインコントローラーとSQL Server、トレンドマイクロのエージェントレス型セキュリティ製品「TrendMicro Deep Security」などを導入し、残りの2台を仮想デスクトップが稼働する用途に利用という構成にしている。仮想デスクトップのデータは物理サーバー上には置かず、すべて仮想化と親和性が高く、迅速に導入できるEMCVSPEXのストレージに格納する仕組みだ。ちなみに、システム構築に際してはネットワールドの支援が大きな助けになったという。 
運用が開始されたMCCのVDIは絶大な導入効果をもたらしている。監視用PCの設置場所や電源供給といった課題はすべて解決。PCの準備期間も、従来は半日~ 1日かかっていたものが、ほんの数分で完了するようになった。
「最大の導入効果は業務生産性が飛躍的に向上したことです。物理PCの場合、エンジニアがリモート運用業務を行う際に、自席から物理PCが設置されている場所へ移動しなければなりません。しかしVDIを利用すれば、場所を移動せずに業務を行えます。さらにVDIサーバーと仮想デスクトップのパフォーマンスやキャパシティを統合的に管理する『VMwarevRealize Operations Suite(vROps)』の導入により、緊急の問題の把握、将来の課題の予測、最適化の機会の提示が可能になるなど、監視業務の負荷を大きく削減しました」(忠田氏) 
「アプリケーションの配信には『VMwareApp Vol umes』を活用しています。このツールにより、アプリケーションをリアルタイムに配信することが可能になったほか、日常的に発生する仮想デスクトップのメンテナンスにかかる運用工数を大幅に削減できました」(清水氏)

リコージャパン

VDIの知見をビジネスの拡大に活用

基盤ソリューションセンターのエンジニアがVDI導入を手がけたのには大きな理由がある。それは、MCCにVDI ソリューションを構築・運用するためのナレッジやノウハウを蓄積し、同様の課題を抱える顧客を対象にしたビジネス展開を可能にしようという考えがあったからだ。
「VDIの導入・運用コストは決して安価ではありません。しかしMCCに蓄積されたVDIの知見をビジネス展開に活用すれば、VDI への投資を早期に回収できるばかりか、新たな利益を生み出すことになります。今後はVDIの知見を外販担当部門へ伝え、VDIビジネスの拡大につなげていきたいと考えています」(南雲氏)
VDIの導入によって、自らの業務改善に加え、今後のビジネス展開も視野に入れるリコージャパン。今後の取り組みに注目したい。

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