株式会社ブロードバンドタワー

設   立 : 2000年2月9日
資本金 : 23億6100万円(2016年9月末日現在)
U R L : http://www.bbtower.co.jp/
業   種 : 情報通信業
事業概要 : コンピュータ/ファッションビジネスプラットフォーム事業を展開する先進ICT企業。

導入前までの経緯

  • 大規模環境におけるネットワーク運用の効率化・省力化を図ること
  • 顧客企業の課題解決に寄与する先進的なクラウドサービスの提供

導入後期待される効果

  • Cumulus Linux+Quantaホワイトボックススイッチでスイッチ管理の自動化を実現
  • 実証実験で得られたノウハウを社内サービスや顧客向けソリューションに活用

プロジェクトメンバー

ブロードバンドタワー 西野 大 氏

株式会社ブロードバンドタワー
Cloud & SDN 研究所
所長

西野 大 氏

ブロードバンドタワー 加藤 良輔 氏

株式会社ブロードバンドタワー
Cloud & SDN 研究所
研究員

加藤 良輔 氏

ブロードバンドタワー 岩本 裕真 氏

株式会社ブロードバンドタワー
Cloud & SDN 研究所
研究員

岩本 裕真 氏

ネットワーク運用の自動化が大きなテーマに

専業型インターネットデータセンターの先駆者として、最適な企業ICTインフラの実現に貢献するブロードバンドタワー。その事業分野は、データセンター、クラウド事業に加えストレージ事業や各種E Cサービスを支援するファッションビジネスプラットフォーム事業など、多方面にわたっている。また、近年では、AI(人口知能)技術サービスやIoT関連事業にも意欲的に取り組んでいる。
その同社において、先端技術研究の中核を担っているのがCloud & SDN 研究所である。「様々な最新テクノロジーをいち早くキャッチアップし、実用化や先進的なサービスの創出につなげていくことが我々のミッション。クラウド/SDN(Software Defined Networking)を中心に、幅広い分野の研究に取り組んでいます」と説明するのは、同研究所の所長を務める西野大氏。パブリッククラウドとのシームレスな連携を可能にする専用線接続サービス「dc.connect(ディーシードットコネクト)」なども、同研究所の研究成果から生まれたとのことだ。
さらに今回、同研究所では、ネットワーク運用の自動化に向けた新たな取り組みに着手した。西野氏はその背景を「大規模化・複雑化するICTインフラをより効率的に運用していく上では、自動化技術の活用が欠かせません。サーバーについては、大量の機器群を一括で管理する技術が登場していますので、今後はネットワークについても同様の仕組みを確立していく必要があると考えました」と語る。

Cumulus Linux+Quantaでスイッチ運用の変革を目指す

一口にネットワーク運用の自動化といっても様々な領域が考えられるが、今回同研究所が着目したテーマは「スイッチ管理の自動化」である。
同研究所研究員の加藤良輔氏は、現在のスイッチ管理における課題を「コマンドを利用して手作業で設定を行わなくてはならない上に、機器の管理方法などもベンダーごとに異なります。ネットワークエンジニアでしかできないことが多く、管理工数やコストも増大するばかりです。またネットワークの拡張性にも課題があります」と説明する。
また、同岩本裕真氏も「ネットワーク環境が複雑になればなるほど、手作業であることに起因するミスも増える可能性があります。障害によるビジネスへの影響などを避ける上でも、自動化を進める利点は大きいと言えます」と続ける。
こうした課題を解消していくためのツールとして新たに導入されたのが、ネットワールドが提供するネットワークOS「Cumulus Linux」、並びにホワイトボックス(ベアメタル)スイッチ「Qua nta T 3 0 4 8 -LY9」である。CumulusLinuxはDebianベースのネットワークOSであり、通常のサーバー用Linuxと同じ感覚で利用できるという特長を備えている。岩本氏は「Pythonなどの言語にもデフォルトで対応していますし、ちょっとしたプログラムも簡単に動かせます。ここまでサーバー管理者でも違和感なく使えるネットワークOSはなかなかありませんね」と語る。
また、Quantaホワイトボックススイッチは、「ONIE(Open Network Install Environment)」と呼ばれるブートローダー機能を搭載。物理ネットワーク環境に接続するだけで、Cu mu lusLinuxなどのネットワークOSを自動的にインストールすることができる。つまり、この両者とサーバー用の構成管理/自動化ツールなどを組み合わせることで、大量のスイッチ群をサーバー感覚で一元的に管理できるようになるのだ。
「Quantaホワイトボックススイッチは世界的な大手サービス事業者でも大量の導入実績がありますので、我々としても安心して活用できます。ちょうどネットワールドの協力が得られたこともあり、Cumulus+Quantaによる実証実験に踏み切ることにしました」(西野氏)。

OSインストールから設定・監視までサーバー感覚での自動運用に成功

今回行われた実証実験では、同研究所の仮想化基盤用ToR(Top of Rack)スイッチとして2台のQuantaホワイトボックススイッチを設置。これにCumulus Linuxと構成管理/自動化ツール、サーバー監視ツールを組み合わせることで、スイッチ管理の自動化が実際に行えるかどうかの検証を行った。
「大規模な構成管理をしたり自動化をするにはネットワールドが提供するPuppetが最適ですが、今回は試験利用ということもあり小規模な構成を管理するには十分な機能をもつAnsibleを使用しました」と加藤氏。具体的にはONI Eを利用して、Quanta上にCumulus Linuxをインストール。スイッチの初期設定や基本設定を済ませた上で、稼動監視や一括操作まで行える環境を構築している。
その結果についての手応えも上々だったとのこと。加藤氏は「ラックに設置するだけでスイッチを動かせる『ゼロタッチプロビジョニング』が、十分に実現可能であることが確認できました。機器の一括設定確認/変更や各種情報の抽出なども、通常のサーバー管理と同様に行えますので、スケーラビリティが容易になり、結果的にOPEX/CAPEXの削減にもつながると考えます」と力強く語る。
こうした環境が普及すれば、高度なネットワークの専門知識を持たないサーバーエンジニアでも、自らのスキルでネットワークの運用管理が行えるようになる。また、ネットワークエンジニアとしても、従来のベンダー固有環境に加えて、もう一つ新たな選択肢を持てるようになる。
「サーバー側の世界では、既に数百台、数千台といった大規模環境も一気に構築が可能です。ネットワーク側もそれに追いついていかないと、ビジネスの成長の妨げになってしまいます。その点、使い慣れたサーバー技術がネットワーク運用にも使えるとなれば、こうした状況を変えていく大きなきっかけともなるはず。若手ネットワークエンジニアの間でも自動化への機運が高まっていますので、今回の実証実験の意義は非常に大きいです」と西野氏は語る。

株式会社ブロードバンドタワー構成図

実証実験の成果を自社サービスや顧客向けソリューションに活かす

取り組みを進めるにあたっては、ネットワールドの支援も大いに役立ったとのこと。ネットワールドでは以前からQuanta製品の日本語ヘルプデスクサポートを提供しているが、Cumulusについても国内初の日本語ヘルプデスクサポートを設置。西野氏は「知りたい情報が日本語で入手できるのには大変助かりました。もちろん英語のドキュメントでも内容は把握できますが、実際に試した上で、ツボを押さえた手堅い情報を公開してもらえるので非常にありがたかったですね」と満足げに語る。
同社では、今回の成果を単なる実験に終わらせることなく、今後も様々な形で活用していく考えだ。「まずは当社が提供する各種サービスへの実導入が一つ。また、プログラマブルな特性を今後のサービス開発へも活かしていきたい。この分野についてはお客様の関心も高いので、我々としても積極的な情報発信を行っていきたいですね」と西野氏は抱負を語った。

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